リートフェルトの建築

奥佳弥【著】, キムズワルツ【写真】

• 販売会社／発売会社: TOTO出版
• 発売年月日: 2009/02/28
• JAN: 9784887062986

商品レビュー

2022/04/11

名作椅子『レッド＆ブルー・チェアー』『ジグザグ・チェアー』を生み出し、デ・ステイル（オランダ近代の芸術運動）の先駆者として知られるオランダの建築家・デザイナーのヘリット・トーマス・リートフェルト。今まであまり紹介されてこなかったリートフェルトの建築作品を網羅した、世界初の決定版。（e-honより）

2016/01/11

図書館で読んだ。
リートフェルトの建築でもっとも有名な、『シュレーダー邸』。じっくり読んでみたが、すごさが分からなかった。色彩も奇抜だし、「住み心地はいいのかな？」。。。抽象空間からそのまま飛び出してきたかのようなデザイン。キャドのなかの世界のようだね。
一方、晩年の建築、『Sonsbeek pavilion for sculpture』はよかった。構造物の「内」「外」がぐちゃぐちゃに混ざっている。それが面白いんだろうな、と共感できた。コンクリートブロックでつくった壁も、ところどころ穴をあけて、内と外を完全に区切らないようにしていた。色彩も、現実世界にしっくりくる色合いで、よかった。

この本を読んでいちばん興味深かったのは、リートフェルトがつくった模型だ。リートフェルトは必ず模型をつくっていたらしい。これが手作り感満載で、全然かっこよくない。しかし、作ろうとしているイメージがとても合っていて、理想の「模型づくり」はこういう作業なんだな、と思った。僕は手先が器用ではないが、イメージを伝えられる模型を作れるようになりたい。イメージを他人に共有することは、建築に限らずどんな世界でも重要なことだから。