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雪男たちの国 ジョージ・ベルデンの日誌より
定価 ¥1,540
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2009/01/30 |
JAN | 9784309205151 |
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雪男たちの国
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雪男たちの国
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「雪男たちの国」と名付けられた、スコット探検隊の南極点到達に同行したという建築家の手記。だが、史実における探検隊のメンバーのなかに彼の名前はない。コラージュもまじえて書かれた極限状況への幻想旅行記。 明らかに南極版『白鯨』として書かれていてスコット隊長はエイハブなのだが、面白...
「雪男たちの国」と名付けられた、スコット探検隊の南極点到達に同行したという建築家の手記。だが、史実における探検隊のメンバーのなかに彼の名前はない。コラージュもまじえて書かれた極限状況への幻想旅行記。 明らかに南極版『白鯨』として書かれていてスコット隊長はエイハブなのだが、面白いのは隊員たちのほうがどんどん狂気と幻想に飲まれていって、スコットは科学に基づく理性的な判断を説き続けるという立場が『白鯨』と逆転しているところ。それでも極限状況ではおかしくなるほうがマジョリティなので、正気すぎるせいでスコットは孤立し隊員たちから狂人扱いを受ける。 建築家の語り手がラスキンの建築学講義を披露したあとピラネージの牢獄みたいなものしか描けなくなったり、隊員たちのあいだで降霊術が流行したりのディティールにも面白味はあるけど、設定上の作者にはこの手記を偽装するほど強いスコットに対する妄執があるはずなのに、それがあまり感じられなかった。映画『The Lighthouse』やイアン・マグワイアの『北氷洋』などの類似作に比べると、良くも悪くも軽い読後感。せっかくのコラージュもあまり機能していないと思う。
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「南極のスコット探検隊」という紹介文の一節を目にして、柴田元幸本でスコット?と興味を惹かれて読んだら、やっぱり柴田元幸だった(笑)。いつもの探検モノではないと断言できますが、極限の地にある人間の精神が常に沈着冷静なままであるわけはなく、もしかしたらこの本のような状態こそが真実なの...
「南極のスコット探検隊」という紹介文の一節を目にして、柴田元幸本でスコット?と興味を惹かれて読んだら、やっぱり柴田元幸だった(笑)。いつもの探検モノではないと断言できますが、極限の地にある人間の精神が常に沈着冷静なままであるわけはなく、もしかしたらこの本のような状態こそが真実なのかもしれず、私の好きな冒険実録ものと、これも大好きな幻想ものはつながってるんだなぁと感じた。探検ものの一ジャンルとして位置付けてもいいのかもしれない。スコットの探検に同行してないのに同行しているように書いているジョージ・ベルデンの日誌という体だが、それすらも作者ノーマン・ロックの創作のようで、そのあたり柴田さんのあとがきもボンヤリしており、メタのメタのメタという構造がもろ好み。
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史実に見せかけた幻想本か。どこまでが現実か、はたまた幻覚か妄想か…南極でのスコット探検隊の壮絶な姿が手記の形をもって幻想的に綴られる物語。「ある日目覚めたら、地獄さえも凍る地にいた」と始まるように来る日も来る日も果てしなく広がる白の世界、過酷な極寒での日々、寒気が体を心までを縮こ...
史実に見せかけた幻想本か。どこまでが現実か、はたまた幻覚か妄想か…南極でのスコット探検隊の壮絶な姿が手記の形をもって幻想的に綴られる物語。「ある日目覚めたら、地獄さえも凍る地にいた」と始まるように来る日も来る日も果てしなく広がる白の世界、過酷な極寒での日々、寒気が体を心までを縮こまらせ、やがて精神を蝕まれていく隊員たちの姿は痛々しいほど残酷。けれども彼らの光を失いつつある瞳に映す幻覚はどこまでも美しい。幻想的な牢獄の中で彼らの運命は。不思議な感覚にとらわれる大変魅了される作品でした。ものすごく好み。(2010年7月読了)
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