戦場から女優へ

サヘルローズ【著】

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 2009/01/30
• JAN: 9784163710204

商品レビュー

2022/12/13

テレビで見るサヘルさんは、人権感覚の鋭いきれいな外国人というイメージでした。
本を読んで壮絶な生き方を知りました。
サヘルを育てると決めたことで、養母の人生はめちゃくちゃlになってしまった、と書いてあります。
一面ではそうかもしれません。裕福な大学院生だったのですから。
でも、辛いけれどサヘルさんという宝物をエタノール養母さんの人生は不幸ではなかったと思う。
お互いをこれ程愛し合う親子は珍しいです。
もし養母さんがイランにいたら、幸せではあったと思うけれど、男尊女卑の国です。養母さんのような信念のある人にはどうだったでしょう？
日本に来て公園で生活するなど、極貧が続きましたが、愛情はとても豊か。マザー・テレサのような愛情深い人です。

2021/06/17

ひょうごラジオカレッジ
どんな経歴の方かは事前に知っていたけど
こうやってじっくり向き合ったのは初めて
タレントさんではあるけど
人に寄り添うような語り口がなんとも優しい
ラジオなのにありがとうって思っちゃった

困っている人を支援するために
日本人らしくおせっかい
そして、
自立していけるようにサポートする
「魚を与えるのではなく釣りを教える」
敵であってもいつかきっと許し合える

人を見る

2020/11/09

ETV特集でイライラ戦争孤児のサヘルローズの特集を見たのちに手にする。自宅は空爆で壊滅し、13人の大家族の中で生き残ったのは彼女のみ。だから彼女は本当の生年月日も本名も知らず、サヘルローズという今の名前は、のちに養母となる救護したフローラがつけたもの。最初は引き取り手がなく孤児院暮らし。孤児院では幼児ほど人気が高く、年を取ると引き取り手がいなくなる（まるで愛玩動物と同じ）。がフローラは本当の家族からサヘルローズを養子として引き取るのを大反対されたため、本当の家族と完全断絶し細い細い伝手をたどって来日。が日本でも暴力的な男性だったため、家をとびだしホームレスの暮らしをしたあと、埼玉でギリギリの生活をする。フローラはペルシャ絨毯の織子として働く。小学校中学校ではろくに日本語もしゃべれず貧乏で身繕いを綺麗にできず、イラン人のテレカ偽造の犯罪なども多発していた時期だったので、思い出したくもないさんざんないじめにあう。が悲しい顔で家に帰ると養母フローラがもっと悲しむので、学校は楽しいとウソをつきとおす。学校が楽しくなったのはようやく東京都立園芸高校に行ってから。学校でつくっている野菜を自宅にもってかえれるのも乏しい生活費の足しになった。その後にタレントとなる。戦争難民の暮らしをほとんど知らない日本人にはショッキングな話ながら、私が一番悲しかったのは彼女をいじめていた日本人がたくさんいたこと。