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巨大銀行の消滅 長銀「最期の頭取」10年目の証言
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東洋経済新報社 |
発売年月日 | 2009/01/29 |
JAN | 9784492395080 |
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巨大銀行の消滅
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巨大銀行の消滅
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商品レビュー
3.8
8件のお客様レビュー
グループ会社の管理責任が曖昧 貸出しに関しては結果報告のみ 関連会社トップの暴走を止められない親会社のトップ 危機を未然に防ぐための規制や指導に縛られていた半面、行政依存体質を生み組織の存立を賭けた大胆な経営戦略や自主的なガバナンスの芽を摘んできたとも言える。 行政との距離も近い...
グループ会社の管理責任が曖昧 貸出しに関しては結果報告のみ 関連会社トップの暴走を止められない親会社のトップ 危機を未然に防ぐための規制や指導に縛られていた半面、行政依存体質を生み組織の存立を賭けた大胆な経営戦略や自主的なガバナンスの芽を摘んできたとも言える。 行政との距離も近い存在とみなされ国や日銀の指導に従順の優等生でもあった。
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当事者として言いたいことはあるのはわかるし、事実は事実としてわかりやすく書かれている。マスコミ報道による株価の下落、公的資金の導入に対する批判からスケープゴートを求める行政があったのもその通りだろうし、ソフトランディングも可能だったのかもしれない。それでも長銀自身の責任や経営判断...
当事者として言いたいことはあるのはわかるし、事実は事実としてわかりやすく書かれている。マスコミ報道による株価の下落、公的資金の導入に対する批判からスケープゴートを求める行政があったのもその通りだろうし、ソフトランディングも可能だったのかもしれない。それでも長銀自身の責任や経営判断のミスが破綻の最大の原因だろう。今だからそう言えるのだとしても。 長期信用銀行設立の目的は戦後復興を支えるため、特に重化学工業を中心に長期の設備投資資金を供給することにあった。長信銀には金融債の発行が特権的に認められ資金調達手段はあったが、製造業大企業の資金需要が構造的に減り続け非製造業向けの貸し出しを拡大し始めていた。1985年のプラザ合意以降長銀はグループをあげて不動産担保融資へと傾斜していく、そしてそのピークがバブル末期だった。 元々長銀の営業力は地方では限られていたのだが87年ごろから本格化した長銀の不動産融資は東京圏と海外を中心に融資が大型化する中、不動産価格の天井が見え始めた段階でも、コーポレート・ファイナンスで企業を支援する考え方を捨てきれずにバブル崩壊後の1、2年長銀と関連ノンバンクは追加融資を続けた。プロジェクトを途中で放棄するより、完成させたほうが担保価値が高まると。 長銀のグループ会社には延滞が生じることを予め想定し、むしろ、それを収益機会と捉えるファーストクレジットと言う会社もあった。延滞が生じるとすぐに担保物件の売却を迫り、延滞利息を請求するハゲタカの手法だ。担保評価も厳しくこれがグループを挙げてのスタイルならば融資の膨張は抑えられたであろう。たとえその手段の評判が悪かったとしても。 長銀は投資銀行への転換を目指していたが、91年の銀行制度改革では都市銀行の反対もあり果たせなかった。長期資金調達手段を持つ長信銀本体が証券業務に参入するとガリバーになるとして、子会社での参入しか認められなかったのだ。この時に残された課題が96年の金融ビッグバンで噴出し、同時期に不良債権の増加と不運の連鎖が長銀にとっては余りにも過酷だったと著者は言う。しかし、イ・アイ・イに代表される過度にリスクを取った投資にのめり込んだのは長銀の判断でしか無い。 BIS規制が導入された際、保有株式の含み益が一部自己資本に組み入れることが認められたのだが、これが株価下落とともに逆回転に作用して自己資本を毀損した。この辺りの出来事を筆者はバブル崩壊後の金融政策や土地政策はすべてちぐはぐだったと批判する。 問題となったグループ会社の延滞債権の「飛ばし」を鈴木氏が知ったのは91年のこと、しかしこれは違法とは言えず刑事告訴されたのは国策捜査としての意味合いが強そうだ。目的はグループ会社のノンバンクの赤字転落を見かけ上消すためだが長銀グループ全体としての不良債権が消えるわけでは無い。損切りの難しさを訴えたい気持ちはわかるが株主からすれば何を言ってんだかとなる。民事訴訟の対象となって当然だろう。 92年1月鈴木氏は大蔵省の検査官に対して「再建に取り組んでいる関連ノンバンクの破綻はありえず、それらに対する貸出が母体銀行の不良債権になると言う事態もありえない」と反論した。しかしこの後の展開を読むと関連ノンバンクが破綻すると母体銀行も破綻すると言ってるようにしか見えなくなってくる。だからなんとか先送りして時間をかけて再建にかけたいのだと。 長銀だけがバブルに踊ったわけでは無いし、その中でどうやってでも生き延びようとするのは当然だ。橋本政権の緊縮策やマスコミの批判、大蔵省の方針変更など外的要因が破綻を後押ししたのもそうだろう。だがそれでも長銀の先送り策がうまく行っただろうとはとても思えない。最後に鈴木氏が市場の限界に言及しているのが興味深い。先進国の景気後退時の処方箋として金融緩和政策への依存が日常化し、そこから容易に抜け出せないことであると。
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長銀が誕生してから破綻するまでを回想した本。バブル期の企業の盛衰の象徴ともいえる出来事だったともいえる。マスコミの報道(検察の情報?)がいかに偏ったものであるかも明示してくれます。当時の新聞を片手に併読したら、もっと面白いかも。
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