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心の脳科学 「わたし」は脳から生まれる 中公新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2008/11/25 |
JAN | 9784121019721 |
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商品レビュー
3.8
15件のお客様レビュー
外側にある忠実な世界の情報を、脳内に再現する際に、「自分」というバイアスがかかる。 蓄えられた情報、作り上げられた回路たちによって構築されてきた、その相互のネットワークが一定以上の強度をもって同期するようになる。そのとき、世界は自分だけが描く姿で映しだされるようになる。 「わ...
外側にある忠実な世界の情報を、脳内に再現する際に、「自分」というバイアスがかかる。 蓄えられた情報、作り上げられた回路たちによって構築されてきた、その相互のネットワークが一定以上の強度をもって同期するようになる。そのとき、世界は自分だけが描く姿で映しだされるようになる。 「わたし」を成立させている、「意識」というものに気付かせるのは、例えば、過去から現在まで、連続しているという自分の存在を認めさせる記憶という機能だったり、他者の行為、意図、感情を自動的に自分の脳内に表現してしまうことと、自分の行為、意図、感情を区別するための機能だったりするのかもしれないということ。 圧倒的な無意識の上に浮かびあがる、自分とそれ以外を区別しようとする、この意識。まるで、絶対的で、主体的で、あたかも主役のような、そんな風に錯覚させるのに、実際は、脳が活動した結果として、私たちが思考したと主観的に実感するたったそれだけのことだと、そんなバイアスをかけてこの世界を覗くことだって出来るんだ。
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網膜地図 ものの認識とは別に、顔の認識だけに関係した当別の顔領域がある 序盤、脳が見たものをどう認識しているかという話。脳は、顔、建物なのど何を見ているかによって活発に活動する部分が変わる。 私たちは目からの視覚情報、体性感覚、位置感覚、平衡感覚情報を統合することによって、自...
網膜地図 ものの認識とは別に、顔の認識だけに関係した当別の顔領域がある 序盤、脳が見たものをどう認識しているかという話。脳は、顔、建物なのど何を見ているかによって活発に活動する部分が変わる。 私たちは目からの視覚情報、体性感覚、位置感覚、平衡感覚情報を統合することによって、自我の存在する位置を決めている。 「見える」ということは外界の中から一部の情報を選択してこれを意識という表舞台に上げることである。 海馬は、情報を結びつけて記憶し、結びつけた状態で再生させる役割。海馬が働かないとストーリー性を持たせられない。 指を動かそうとする8秒も前から前頭葉は活動する!右手を動かそうと思うよりもはやく脳内に情報が表現される 心の理論 相手の気持ちや意図を察して自身の行動を決定する働き。 自閉症は、心の理論がうまく働かず、相手の意図や感情を推察できない。ミラーニューロンがある脳の部位の活動が低下している。 遺伝子によって特定の脳領域の形態や働きに差がある 盲目の人が点字をなぞっているときは視覚野が活動する。目の見える人が点字をなぞっても視覚野は活動しない。(ただし生まれてすぐに視覚を失った人のみ) 好みのタイプの顔を見ることだけでも、脳にとっては報酬になる
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本書は、脳や脳研究の解説書。まずは、視覚がどのように脳で処理されるか、またその処理をどのようにして観察するのかという、分かり易いところから入り、次に記憶のメカニズムへと進む。その後、「わたし=自我」とはなにか? 脳は「わたし」の所有物か? それとも脳が「わたしを所有するのか? と...
本書は、脳や脳研究の解説書。まずは、視覚がどのように脳で処理されるか、またその処理をどのようにして観察するのかという、分かり易いところから入り、次に記憶のメカニズムへと進む。その後、「わたし=自我」とはなにか? 脳は「わたし」の所有物か? それとも脳が「わたしを所有するのか? というようなある種の哲学的テーゼに踏み込む。このあたりのことは、実証が難しくほとんどのことは仮説に過ぎないそうであるが、それでも面白い。いったい、いつになったら脳は脳を理解できるのだろうか?
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