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自我の起原 愛とエゴイズムの動物社会学 岩波現代文庫 学術205
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2008/11/14 |
JAN | 9784006002053 |
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自我の起原
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自我の起原
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商品レビュー
4.2
13件のお客様レビュー
2023年8月「眼横鼻直」 https://www.komazawa-u.ac.jp/facilities/library/plan-special-feature/gannoubichoku/2023/0801-14603.html
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「人間的自我」がどこから発生し、どのように発展してきたかを考察する著作。著者は日本の高名な社会学者である見田宗介。 テーマに惹かれて読んだが、面白かった。 表現は難解な部分が多くて決して読みやすい本ではないが、ロジックの展開は分かりやすくて鮮やか。 構成としては、まず生物社会...
「人間的自我」がどこから発生し、どのように発展してきたかを考察する著作。著者は日本の高名な社会学者である見田宗介。 テーマに惹かれて読んだが、面白かった。 表現は難解な部分が多くて決して読みやすい本ではないが、ロジックの展開は分かりやすくて鮮やか。 構成としては、まず生物社会学の基礎的な達成水準を確認し、個体と生成子(遺伝子)の作用と特徴を説明する。そこから個体が主体化される機序が解説される。 この個体が主体化していくプロセスについての分析が非常に斬新で、ベースはドーキンスの『利己的遺伝子論』へのアンチテーゼがある。つまり「遺伝子」が自らの増殖を目的として個体をその「生存機械」として見做しているのは事実だが、動物個体は遺伝子とは独立したそれ固有の目的を持っているという。 この固有の目的は「テレオノミー的主体性」と呼ばれ、この獲得を可能にするのは哺乳類に見られる高度に発達した群居性・社会性である。 他個体を個体として認識することが、選択的な攻撃性の抑制、およびユニークさの発達に繋がるわけである。 また個体は自立性・自律性を獲得してきたが、完全に閉じているわけではない。なお外部の生成子に対して開かれていて、互いに影響を及ぼしている。 主論の他にも示唆的なメッセージが多くあり、有益な一冊かと思う。 とはいえ、ハミルトンの「包括的適応」理論やローレンツ、トリヴァースといった動物行動学の内容を理解していることが前提で主張が進行するため、その事前知識はあった方が良いかと思う。
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自我という現象を紐解くのに、こういう壮大かつ精密な掘り進め方があるんだな。生物一般における人間の遺伝子の運び屋としての側面と、自我を持ちさらにエゴを相対視できる自律的な側面を描写するアウトラインを軸に、宗教、性を軸に人間の自由のあり方を掘り進める。
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