「次の首相」はこうして決まる 講談社現代新書

柿崎明二【著】

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2008/10/18
• JAN: 9784062879644

商品レビュー

2012/09/18

地元の駅で購入する。興味深い本でした。政治を動かす力は、派閥ではなく、世論だと指摘している。派閥は、力を失ったと指摘しています。派閥は、ポストの分配機能を失いましたが、金を分配する機能を持っています。しかし、それでは、派閥の構成員の忠誠心を買うことはできないと指摘しています。従来、選挙に勝つには、後援会の充実が必要不可欠でした。それには、莫大な費用が必要となります。派閥からの金銭的援助は、ありがたいはずです。現在の選挙は、後援会ではなく、無党派層の支持が重要になってきました。無党派層の支持は、金ではなく、人気が重要なのです。派閥による金銭援助よりも、人気者の応援が重要なのです。派閥活動に熱心でなかった小泉元首相、キャリア不足の安倍元首相が首相になれた理由です。そして、このことは、自民当の政治家は、十分に理解していますが、現実の政治行動に生かすことができるかどうかは、それぞれだそうです。

2012/01/18

　小泉総理以降の総理大臣は1年しか持たない総理が既に5人も続いている。その理由が知りたくて本書を読んだのだが、本書には大きな政治システムの考察はあまりなく、マスコミの世論調査が次の総理を決めるとの結論は、事実かもしれないがちょっと不満が残った。
　本書の著者は、共同通信政治部記者の肩書きを持つジャーナリストだが、本書ではマスコミの世論調査とそれをめぐる議員の動きを取材をもとに詳細に描いている。選挙制度が中選挙区から小選挙区へと変わる中での総理の支持率の持つ意味が大きく変化した実情や、派閥の地盤沈下や党本部の統制力が強化されてきた実態は、それなりに興味深く読めたが、テーマが「次の首相はこうしてきまる」だけに、もうすこし大きな視点が読みたかったと感じた。
　日本の総理大臣がわずか1年でコロコロかわっていることは、世界的にも、みっともないだけではなく、日本の政治システムには重大な欠陥があると思わざるを得ない。本書では、直接的な取材の詳細や具体的な出来事だけではなく、もう少し掘り下げた取材と考察が欲しかったと感じた。

2011/11/06

これでいいのか？
政界は当然のことながら、この状態を良しとし、何も考えないジャーナリスト群（私は、政局ばかりを話題にする者はジャーナリストではなく芸能リポーターだと思っているが）。
これで胸を張ってやっていける仕事だと考えているのだろうか。
恥ずかしくないのか。