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丘の屋敷 3版 創元推理文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2008/10/01 |
JAN | 9784488583033 |
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丘の屋敷 3版
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商品レビュー
3.9
24件のお客様レビュー
エレーナは誰かと相対するとき、自分がどう見られているか、相手が何を考えているかを常に意識しながら次の会話や行動を決めている。それは彼女の自意識の強さや不安定な精神状態を表しているわけで、選ばれるべくして"屋敷"に選ばれたんだろうなあという気がした。 女性ばかり...
エレーナは誰かと相対するとき、自分がどう見られているか、相手が何を考えているかを常に意識しながら次の会話や行動を決めている。それは彼女の自意識の強さや不安定な精神状態を表しているわけで、選ばれるべくして"屋敷"に選ばれたんだろうなあという気がした。 女性ばかりが不審な死を遂げていった歴史を持つこの屋敷で起こる不可思議な出来事は、まるで彼女の不安が表出したようでもあり、心の安らぎを覚えていくのは、屋敷と彼女の精神が繋がっていく過程であるようにも思える。 つまりそれは、心を奪われていく恐怖。 おばけが出てきて驚いたり、チェンソーを持った男に追いかけられたり、そういったわかりやすい恐怖とは違った、魅了されることの危うさを男性な筆致で描いている。 ラストの、一瞬だけ正気に戻った彼女はいったい何を感じたのだろう。絶望? 怒り? それとも安らぎだろうか? あの一瞬がとにかく良かった。個人的には安らぎであってほしい。
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良かった。 幽霊屋敷に調査に行くわけだし、実際怪奇現象もなかなか強烈なのが出たりするけど、この話はそういった単純に霊が怖いというようなホラーではなくて、人間の孤独や狂気のほうがより恐ろしく感じる話だったと思う。 私はそういうところが好きだった。 エレーナの感情の起伏が本当に怖かった。 セオドラのことを愛しく思ったり、疎ましく思ったり、死ぬところがみてみたいと思ったり…。 どんどん様子がおかしくなっていってるのに、本人は楽しい幸せだと感じているところもゾッとした。 母親の介護に生きてきたエレーナの孤独と夢みがちなところはこの屋敷に馴染むものがあったというか、惹き寄せられてしまうところがあったんだろうなと思う。 最後は魅入られたままでいられたら幸せにあのあとも屋敷に取り憑くことができたのかもしれないけど、『なぜわたしはこんなことをしているの?』と正気に戻ってしまったのが哀れだし怖かった。 最後の瞬間エレーナには結局絶望しかなかったのだろうし。 やっぱり屋敷は寂しい心に寄り添ってくれるような優しいものではなく、ただただ邪悪な存在だったんだろうなと。 結局怪奇現象の原因もわからずじまいなところも私は好き。 やばそうな父親や、哀れな姉妹、村娘など、いかにも怪奇現象の原因になってそうな出来事は多く出てくるけど、結局そのうちのどれが原因なのかはぼんやりしたまま。 でもこの話の主軸はそこではないから、わからないままのほうが逆にいいのかなとも思った。 冒頭にあるように、『この世のいかなる生き物も、現実世界の厳しさの中で、つねに正気を保ち続けていくというのは難しい』ということなのかなぁと。 どんなに辛くても現実を真っ直ぐ受け止めて進んでいくしかないんだよなぁ…それはすごく難しいことでもあるけど…。
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「ずっとお城で暮らしてる」が面白かったのでこちらも読んだ。「ずっとお城〜」の方が個人的には好きだったけど、これも著者の特徴の一つである「全編丸々通して形作られる不安感」みたいなものは現在で面白かった。 主人公エレーナの家族との確執や不仲、罪悪感、孤独感、セオドラへの友愛と嫉妬と憎悪、ルークや博士への不信。繊細に変化するそういう感情がいつの間にか狂気に飲まれている。もちろん決定的な瞬間はあるけど、いつから始まっていたのかは分からない。 解説が親切なのでありがたかったです。ラストもすごく良かった。スティーブン・キングの「シャイニング」にも影響を与えた幽霊屋敷ホラーと古典…らしいですね。もう50年以上前に書かれてるのか… ●あらすじ この屋敷の本質は“邪悪”だとわたしは考えている」心霊学者モンタギュー博士の調査のため、幽霊屋敷と恐れられる〈丘の屋敷〉に招かれた3人の協力者。子供部屋の異様な冷気、血塗れの床、壁に書かれる「エレーナ、うちに、かえりたい」の文字――。次々と怪異が起きる屋敷に、協力者の一人、エレーナは次第に魅了されてゆく。恐怖小説の古典的傑作。(初刊時題名『たたり』を改題) (東京創元社HPより引用)
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