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ボン書店の幻 モダニズム出版社の光と影 ちくま文庫
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ボン書店の幻 モダニズム出版社の光と影 ちくま文庫

内堀弘【著】

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ボン書店の幻 モダニズム出版社の光と影 ちくま文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2008/10/10
JAN 9784480424662

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ボン書店の幻

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商品レビュー

4.3

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2022/05/30

2022.5.29市立図書館 TLでみかけたおすすめに興味を持ち、予約を入れて借りた。 単行本は1992年9月、白地社。2008年の文庫化にあたり、出版後十年を経てからの新たな出会い・進展などを記した20ページ余の「文庫版のための少し長いあとがき」が付け加えられた。 モダニズム...

2022.5.29市立図書館 TLでみかけたおすすめに興味を持ち、予約を入れて借りた。 単行本は1992年9月、白地社。2008年の文庫化にあたり、出版後十年を経てからの新たな出会い・進展などを記した20ページ余の「文庫版のための少し長いあとがき」が付け加えられた。 モダニズムの時代に風花のように舞って消えていったちいさな出版社を探す物語だった。書店というよりとてもちいさな編集所兼印刷所のような形で、たったひとりで、ほとんど命がけと言っていいぐらいすべてを捧げて、自分なりにこだわった本を作り続けた人物、鳥羽茂を追う。 作ったもの(著者名と作品)は残っても、それを世に出すべく企画して印刷して製本して売った人のことはこうまで忘れられてしまうのだな...という著者(古書店主)の疑問にはっとさせられ、刊行した本や雑誌の奥付や署名記事に情報を求め、わずかな痕跡をたどって関係者に手紙を出したり訪ねたりしながら、その人生を想像して肉付けしていく著者の執念にこちらもすっかりまきこまれてしまった。 1992年の刊行は、謎が多いままながらも、手を尽くして一段落したということでまとめたのだろうけれど、刊行されたことからさらに縁者に話がつながって、著者のおもいに天の魂が応えたかのようなみごとな幕切れで著者の長い旅も終わりを迎えた。本にして世に問うということの意義がこれほどに感じられる出来事はそうないのではないだろうか。 このようにほとんど忘れられてしまう存在であってもその後の文学が展開していく上でかけがえのない人は他にもおそらくたくさん埋もれているのだろう。そして今も現在進行形でそういう貢献は少なからずあるのだろう(昔に比べれば、オンデマンド出版や少部数での個人出版の選択肢や可能性はずいぶん広がっているだろうとは思うが)。そうした無名の活動の上に、いまの、そして未来のさまざまな文学や文化があるのだということをこれからは心に留めていたい。 私自身はモダニズム詩にはまったく明るくはないが、ボン書店ゆかりの詩の同人の中に最近別のところで名前を聞くようになった「左川ちか」の名があったので、また別の芋づるがみつかったような気がしている。

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2021/07/28

戦前、モダニズム詩を出版する小さなボン書店という出版社があった。その出版社を営んでいた、鳥羽茂という人物を追いかけた、一種のノンフィクション。 筆者の内堀弘さんは古書店の店主。1920-1930年代のモダニズム文献を主に扱われている。本書の背景となっている時代の古書事情や出版事情...

戦前、モダニズム詩を出版する小さなボン書店という出版社があった。その出版社を営んでいた、鳥羽茂という人物を追いかけた、一種のノンフィクション。 筆者の内堀弘さんは古書店の店主。1920-1930年代のモダニズム文献を主に扱われている。本書の背景となっている時代の古書事情や出版事情に対しての深い知見は、驚きだ。 本書は、もともと1992年に白地社という出版社から出版されたもの。その後、2008年にちくまから文庫化された。文庫化された際に加えられた「文庫版のための少し長いあとがき」が、ある意味で、本書のハイライトだ。ネタバレになるので、内容については触れないが、最後の部分は、涙が出てきた。 他にはない味わいを持った本。お薦めだ。

Posted by ブクログ

2018/11/18

これは名著だ。 1932年に彗星のごとく現れて昭和初期のモダニズム詩人たちの詩集を出し続け、わずか6年で姿を消した出版社、ボン書店。本書は、そのボン書店の刊行人・鳥羽茂の足跡を、古書店主である著者が丹念に追ったものだ。 詩人ではなく、本の奥付にしか登場しない刊行人が対象ゆえ、当然...

これは名著だ。 1932年に彗星のごとく現れて昭和初期のモダニズム詩人たちの詩集を出し続け、わずか6年で姿を消した出版社、ボン書店。本書は、そのボン書店の刊行人・鳥羽茂の足跡を、古書店主である著者が丹念に追ったものだ。 詩人ではなく、本の奥付にしか登場しない刊行人が対象ゆえ、当然のことながら、その手がかりは限られる。それでも、その少ない手がかりをつないで、鳥羽を包んでいる謎を少しずつ丁寧に明らかにしてゆく。その手法も丁寧なら、書かれた文章も抑制の効いた素晴らしい文章だ。控えめすぎるくらい控えめで、でも鳥羽に対する思いはしっかりと伝わってくる。どこで読むのを止めるか、毎晩難儀した。 そして、本書のクライマックスは「文庫版のための少し長いあとがき」に待っていた。本書の単行本が出版されたのは1992年、ワタシが手にした文庫版の発行は2008年。この16年の間に、鳥羽の親族からの連絡などを通じて、その消息に関する新たな事実がいくつか判明したのだ。著者は、本編と同様、丹念にそれらをつなぎ合わせ、最後に鳥羽ゆかりの地を自ら訪れる。最後の一行を読み終えた時、ワタシの視界は涙で遮られた。

Posted by ブクログ

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