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かぜのてのひら 河出文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房 |
| 発売年月日 | 1994/05/09 |
| JAN | 9784309404141 |
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かぜのてのひら
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商品レビュー
4
4件のお客様レビュー
歌集を読むようになってからしばらく経つのに、俵万智の作品を手に取ったのは初めて これまで教科書や副読本でしか触れたことがなかったので、こんなにもご本人の生活や恋愛観に肉薄した歌を作られるとは知らなかった… 二十代の女性に訪れる様々な転機に対する揺らぎ、生活に対する鮮やかな視点、恋...
歌集を読むようになってからしばらく経つのに、俵万智の作品を手に取ったのは初めて これまで教科書や副読本でしか触れたことがなかったので、こんなにもご本人の生活や恋愛観に肉薄した歌を作られるとは知らなかった… 二十代の女性に訪れる様々な転機に対する揺らぎ、生活に対する鮮やかな視点、恋人や家族に注がれる愛情深い眼差しを端々に感じる歌集だった
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※このレビューにはネタバレを含みます
「万智ちゃんを先生と呼ぶ子らがいて神奈川県立橋本高校」 サラダ記念日で鮮烈なデビューを果たした橋本高校を退職した俵万智さん。 この歌集では橋本高校での生徒たちとのふれあいが歌に体温を与えている。 「うちの子は甘えん坊でぐうたらで先生なんとかしてくださいよ」 よく笑う女生徒なりしが吾に見えぬ何を抱えて退学の朝 古文漢文解答欄の余白には尾崎豊の詞を書いている 「最後の」とつけば悲しき語となれり集会、そうじ、校歌斉唱 「今月の学校行事」なくなりて我に静かな四月のひかり 母の字で書かれた我の名を載せて届いておりぬ宅急便は *ひとり暮らしをしていた頃、故郷からお米を運んでくれた宅急便を思い出す。 それ以上近づけないけど傷つかない「ありがとう」とは便利なことば *これを読んで今頃傷ついている
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第二歌集。前作から比べて、かなり模索をしてゐる印象を受けた。 どこか何かを気負つてゐるやうで、何か書かうとしてゐる感じがしてしまふ。それくらい生活に動きがあり、彼女の目に映るものがあつたのだらう。 サラダ記念日をまとめた時の年齢ではもうない。彼女もまた移ろつていく。その中でたくさ...
第二歌集。前作から比べて、かなり模索をしてゐる印象を受けた。 どこか何かを気負つてゐるやうで、何か書かうとしてゐる感じがしてしまふ。それくらい生活に動きがあり、彼女の目に映るものがあつたのだらう。 サラダ記念日をまとめた時の年齢ではもうない。彼女もまた移ろつていく。その中でたくさんの出会ひがあり、別れがあつた。 どこか彼女の目に映るものの精彩が欠ける。ありふれた陳腐といふ意味ではなく、流れゆくものへのあきらめ。ことばに確たる力が前作ほど感じられない。 ことばを見つけたといふよりは、ことばをはめてみたといふような。彼女自身で何か動き出さうとしてゐる予感。そんな探り探りの歌集だと感じた。 彼女は音が鳴ると表現したが、この歌集はどこか彼女自身で音を鳴らしにいつてゐる。止まつたことばの後ろにたくさんの動きが見える。 それはその歌を詠んだ時と選んだ時との間の隙間かもしれないし、歌集として手にとつてそれを読む自分自身のせいなのかもしれない。 それでも彼女は詠み続けようとした。この目の前にあるもの、生活の中で同じやうに息づいてゐるもの、それをみやうとする。 それが彼女の文体であり歌である。この文体がなくならないことこそ、歌人としての彼女自身である。
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