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街道をゆく 新装版(5)
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街道をゆく 新装版(5)
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商品レビュー
4.1
10件のお客様レビュー
満天の星空の空の下、ゴビに立つパオの中で眠る夜。 地球の自転の音だけが聞こえるようなこのゴビ草原で眠るのは、、 と書かれている。同じパオに泊まったとしても地球の自転の音など思いつかないだろうとと思う。全ページ流石な文章である。 そしてツェベックマさんが登場するシーン、その、機知に...
満天の星空の空の下、ゴビに立つパオの中で眠る夜。 地球の自転の音だけが聞こえるようなこのゴビ草原で眠るのは、、 と書かれている。同じパオに泊まったとしても地球の自転の音など思いつかないだろうとと思う。全ページ流石な文章である。 そしてツェベックマさんが登場するシーン、その、機知に富みユーモアとシリアスとモンゴルへの愛を体現する女性、その方との会話やその方を描写するシーンが本作でも素晴らしい。ツェベックマさんのことを読みたくてこの本を選び読んでいる。 時々登場する司馬遼太郎氏の夫人もユーモアあり、本作の旅で同行されている画家の須田さんの存在感がゴビの砂漠やモンゴルの草原に劣らず悠大なのもまた面白い。 ラクダの顔のくだりなどは笑って腹が捩れる。ラクダの顔というより個体差を全て何頭でも覚えるということだが、少し違うけどチベット映画タルロの羊飼いの男を思い出した。 とにかく大陸の砂漠、草原、高原、地形だけではなく人の、歴々と繋がり紡がれてきた人の、力の雄大さよ。
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司馬遼太郎 「 街道をゆく モンゴル紀行 」新潟から 旧ソ連のハバロフスク、アムール川、イルクーツクを経て、モンゴルのウランバートル、ゴビ草原を巡る紀行 生えっぱなしの草により生きるモンゴルの遊牧者と 草地を田畑に変えて生きる中国の農耕者の生き方の違いが、中国文明を受け入れな...
司馬遼太郎 「 街道をゆく モンゴル紀行 」新潟から 旧ソ連のハバロフスク、アムール川、イルクーツクを経て、モンゴルのウランバートル、ゴビ草原を巡る紀行 生えっぱなしの草により生きるモンゴルの遊牧者と 草地を田畑に変えて生きる中国の農耕者の生き方の違いが、中国文明を受け入れないモンゴルと 異民族を野蛮と蔑む中国の長年の争いになっていることが読みとれる モンゴルは中国を嫌い、長年にわたる中国との関係を断つため、旧ソ連との関係を深め社会主義国化したが、旧ソ連は モンゴルの世界的英雄チンギスハンを侵略者として憎み、モンゴルではチンギスハンはタブーとされているという複雑な関係 草の匂いにモンゴルの自然の雄大さ、美しさを感じたエピソードは 小説的な感動を覚えた〜「よその国の草は匂わない〜うその草のようだ」 「極端な愛国主義と盲目的な民主主義を排する」というモンゴル憲法は今も存在するのだろうか。名言だと思う 「街道をゆく」シリーズは 著者のコミュニケーション能力の高さを随所に感じる。その国の歴史や文化の中に 日本人である自分を 受身的に置きながら、会話している感じ
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1970年代のソ連やモンゴルの実態をここまでのレベルで記述した体験記は他に類を見ないのではないかと思う。 もはや完全に歴史の中に消えてしまった文化や風習を読むだけでも興味深いのに、司馬氏の知識と感性と文章を通して味わうことができるとはものすごく贅沢ですね。
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