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見知らぬ場所 新潮クレスト・ブックス
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2008/08/30 |
| JAN | 9784105900687 |
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見知らぬ場所
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見知らぬ場所
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商品レビュー
4.6
49件のお客様レビュー
「停電の夜に」の短編集を読んで、一気にファンになった私は、今回の短編集も迷うところなく、購入した。 だけど、なぜかあまり読み進めることができず、飛び飛びに第一部を読み終えてしばらく放置。 なぜか気分が乗らなかった。 そして、梅雨も間近な昨夜。雨の音が聞こえる部屋でなんとなく手持...
「停電の夜に」の短編集を読んで、一気にファンになった私は、今回の短編集も迷うところなく、購入した。 だけど、なぜかあまり読み進めることができず、飛び飛びに第一部を読み終えてしばらく放置。 なぜか気分が乗らなかった。 そして、梅雨も間近な昨夜。雨の音が聞こえる部屋でなんとなく手持無沙汰。 これは。ジュンパ・ラヒリを読むのに最適なのでは…と思い立ち、手に取った。 そこからは一気に。 第二部は三つの短編からなる連作、「ヘーマとカウシク」 子どもの頃の記憶から現在までがそれぞれの視点から見事に描き出されている。 訳者が決めた語り口だろうが、静かな手紙風、語りかけのような文章(とくに「一生に一度」)は 良かった。 いつ二人の視点(物語)が合わさるのだろう、と気になってあっという間に読んでしまった。 再会はドラマか映画でしかないと思うようなものだが、人生で大切な人とはこんな偶然が 訪れて欲しいと密かに思ったりする。ラストは思いのほか切ないが、やはりこういう最後しかなかっただろうとも、思う。 いつものようにストーリーは奇抜なものでは決してないが、静かに心に余韻を残す物語は健在だ。 第一部の短編は、集中出来ないまま数年前に読み終えたままなので、また読み直して感想を 追記したい。
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一番好きな作家が、エリザベス・ストラウトになりそうなので、いや、私の不動の一番はラヒリのはず。 確認ということもあって、再読。 久しぶりにに読むラヒリの読みやすさに驚く。翻訳のおかげだけではないだろう。独りよがりとならない書きようは、ネイティブの言語では無い英語で書いているせい...
一番好きな作家が、エリザベス・ストラウトになりそうなので、いや、私の不動の一番はラヒリのはず。 確認ということもあって、再読。 久しぶりにに読むラヒリの読みやすさに驚く。翻訳のおかげだけではないだろう。独りよがりとならない書きようは、ネイティブの言語では無い英語で書いているせいなのか、ラヒリ独自のものなのか。そんなことを改めて考えたくらい、わかりやすいことに気づいた。 すぐに物語の中に入っていける。これは人気の理由の一つなのかな。 で、再読であるが、10年ぶりに読むと、ほとんど内容を覚えていないのは、なかなかのショックであった笑 ものすごく小さなエピソードだけしっかり覚えていたりするのだが。 ということは、再読もまた楽し、ということかな。 ヘーマとカウシク、この二人の最後は流石に覚えてたけど、また泣けた。 もう名作揃いです。 短編は最後の一行が勝負、だと思う。 日本の作家では伊藤比呂美の「道行きて」のそれぞれの章の最後の一行にいつも打ちのめされた。 エリザベス・ストラウトもまた然り。 そして、やはり、ラヒリ。 短編の品格を決める一行であるし、短編全体の見え方を変える一行でもある。最後に胸がもう一度ドキリとする快感。 ラヒリとストラウト、これにレベッカ・ブラウンを加えて、ゆっくりと味わいなおしたい。 誰が一番でもいいや。幸せなことです。
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家族における隔たりをことさらに強調するのではなく、ある種の前提や柔らかな諦めとして受け入れている、そんな印象がラヒリの文章にはある。 この距離感と感覚が、いまの僕にとっては心地よい。 インドからの移民第一世代である両親とアメリカ流の価値観の違いから軋轢が生じた子供時代は既に回想...
家族における隔たりをことさらに強調するのではなく、ある種の前提や柔らかな諦めとして受け入れている、そんな印象がラヒリの文章にはある。 この距離感と感覚が、いまの僕にとっては心地よい。 インドからの移民第一世代である両親とアメリカ流の価値観の違いから軋轢が生じた子供時代は既に回想となり、少女は大人になって自らも子を持つ年齢となる。 老境に差し掛かる親は、もはや幼少時の愛情や思春期の反発といった記憶だけで語れる対象ではない。 そんな女性が暮らす家を、遠方から父が訪ねてくる。共に過ごした一週間の中で交わされる互いへの愛情と静かなすれ違いを、ラヒリは表題作である『見知らぬ場所』で細やかに描きだす。 父と娘が章ごとに入れ替わり、交互に語り手となるスタイルから見えてくるのは、ひとつ屋根の下で同じ経験を共有していても、まつわる記憶や想いは重なりあわず、微かにずれていくことだ。 ちょっとした手術を受けるはずが、麻酔の事故であっけなく妻が亡くなってしまったときに、父は娘をしっかりと支えるためにも泣くことはできないと思う。娘は涙さえ流さぬ父に、母を本当に愛していたのだろうかと、折に触れて思い続ける。 昔気質で心の内を家族に上手く伝えてこれなかった父親と、出来がよい弟に引け目を感じて両親に対して屈折を感じながら育った娘、亡くなってから存在感いや増す母親といった人物造形が素晴らしく巧みなので、父娘が抱く感情や物語のプロットは、水が自ら行方を選ぶかの如く自然と流れていく。 だからなのだろう。ラストで父娘の今が交差する瞬間も、そしてそれを静かに受け入れて離れていく心模様もまた、物語のために用意したエンディングというよりも人生の中で起こるべくして起きた出来事のように思える。 親と子、妻と夫、姉と弟、そして恋人たちの想いがうまく重ならないこと。それでも残る想いがあること。 心に残る美しい小説だ。
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