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ローマ人の物語(32) 迷走する帝国 上 新潮文庫
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ローマ人の物語(32) 迷走する帝国 上 新潮文庫

塩野七生【著】

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ローマ人の物語(32) 迷走する帝国 上 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2008/08/28
JAN 9784101181820

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ローマ人の物語(32)

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商品レビュー

3.7

38件のお客様レビュー

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2024/04/25

カラカラ帝。思っていたよりも、後世から見たらやらかしてしまっていた。誰でもローマ市民は、やはりやり過ぎだ。その後のアレクサンデルの法もじわじわとローマをローマらしさから離していく。法を変えるということの影響を考えさせられる32巻だった。

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2021/10/10

セヴェルス朝の皇帝達。テルマエで有名なカラカラ。軍人マクリヌスをはさんでヘラガパルス、アレクサンデルまでの約20年ほどの話。 パルティアそしてササン朝ペルシャとの対峙に役不足な皇帝達だった。仲間をまとめられず、戦機を掴めない、言ってみれば自分本位な井の中の蛙。 さらに混乱をきたす...

セヴェルス朝の皇帝達。テルマエで有名なカラカラ。軍人マクリヌスをはさんでヘラガパルス、アレクサンデルまでの約20年ほどの話。 パルティアそしてササン朝ペルシャとの対峙に役不足な皇帝達だった。仲間をまとめられず、戦機を掴めない、言ってみれば自分本位な井の中の蛙。 さらに混乱をきたす軍人皇帝時代に突入する。

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2021/08/23

73年間に22人もの皇帝。 これはさすがにひどすぎる。 そして、もちろんそのほとんどが謀殺。 ローマ帝国、世も末です。 長い間賃上げの無かった兵たちの処遇改善は、皇帝セプティミウス・セヴェルスの善意であったはず。 しかしそれが、兵たちが、自分たちの気に入る皇帝を担ぎ出すための、...

73年間に22人もの皇帝。 これはさすがにひどすぎる。 そして、もちろんそのほとんどが謀殺。 ローマ帝国、世も末です。 長い間賃上げの無かった兵たちの処遇改善は、皇帝セプティミウス・セヴェルスの善意であったはず。 しかしそれが、兵たちが、自分たちの気に入る皇帝を担ぎ出すための、自分たちが気に入らない皇帝を排除するためのきっかけになるなんて、当の皇帝も思わなかっただろう。 セプティミウス・セヴェルスの息子カラカラはそのうえ、ローマの属州民をすべてローマ市民へと繰り入れた。 一見差がなくなってよかったように思えるが、既得権であった市民権を既得権にしてしまったことは、同じローマ市民の中に新しい分断を生んだ。 誰でもが持っているということは、誰も持っていないと同じ価値しかないから。 ”ギリシア人にとっての市民権は、生まれたときから持っている「既得権」であった。反対にローマ人の考えていた市民権は、意志とその成果に与えられる「既得権」であったのだ。後者の方が、他者に対して門戸が開かれていたのも当然だろう。” 目の前の人々に対するよい政策が、遠い将来にも良い結果を生むとは限らない。 というか、長い間に目的が見失われるのは往々にして起こり得ることだ。 ”政策とは、将来にわたっていかなる影響をもたらすかも洞察したうえで、考えられ実施されるべきものと思う。そして、深い洞察とは反対の極にあるのが浅慮である。” ああ、耳が痛いねえ、未だに。 この時代の残念なところは、皇帝の資質がないものが帝位についた例が多かったこと。 そして、たまに資質のあるものが帝位についても、時代が許さないというか、兵士に殺されてしまって長くは統治できなかったこと。 それは、元老院の力が形骸化していたせいでもあると思う。 ”権力者は、たとえ憎まれようとも軽蔑されることだけは絶対に避けねばならない。” これもまた、耳が痛いねえ。 しかし、既に皇帝の権威も元老院の権威も地に落ちて、あるのは直接武器にものを言わせる兵士たちだけってことか。

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