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ソーラー・ポンズの事件薄 創元推理文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
| 発売年月日 | 1979/07/27 |
| JAN | 9784488184018 |
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ソーラー・ポンズの事件薄
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商品レビュー
3.7
7件のお客様レビュー
「ホームズのパスティーシュ」を初めて読んだが、なるほどこれはホームズそっくり。名前と時代が違うだけでまさにホームズ。 キャラクターやその人間関係のみならず、作品自体の構成、展開、台詞回しまでもがホームズそのものに思えた。 コナン・ドイルの本家ホームズ作品は読書を始めたばかりの頃...
「ホームズのパスティーシュ」を初めて読んだが、なるほどこれはホームズそっくり。名前と時代が違うだけでまさにホームズ。 キャラクターやその人間関係のみならず、作品自体の構成、展開、台詞回しまでもがホームズそのものに思えた。 コナン・ドイルの本家ホームズ作品は読書を始めたばかりの頃に全巻読んだが、その時は「これはキャラものだな」という感想だった。 しかし様々なホームズ時代の古典短編を読んだ後の今読むと、(パスティーシュとはいえ)1話1話が全く違ったエピソードで、身近な事件から国家規模の事件まで、パズル系からスリラー系、冒険系まで、人間関係系からトリック一発まで、といった、「1作ごとに次はどんなエピソードなんだろうとワクワクする」という点も、大きな魅力になっているんだな、と思った。
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オーガスト・ダーレスがホームズの続きを自分が書くしかないと思った結果、できあがったパスティーシュ。原典に忠実な作風は、イギリスの考証にそこそこ問題を抱えているらしいものの、イメージはバッチリつかめていて、いかにも続編らしく読める。あくまで純粋にホームズ(ホームズではないけれども)...
オーガスト・ダーレスがホームズの続きを自分が書くしかないと思った結果、できあがったパスティーシュ。原典に忠実な作風は、イギリスの考証にそこそこ問題を抱えているらしいものの、イメージはバッチリつかめていて、いかにも続編らしく読める。あくまで純粋にホームズ(ホームズではないけれども)が活躍するという点でも、実に違和感がない。ラヴクラフト神話においては功罪相半ばするダーレスだが、この本ではよく頑張ったと思う。
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ソーラー・ポンズ? けったいな名前だなあと侮るなかれ。 シャーロック・ホームズのパスティーシュとして、これほど優れたものは、そうそうない。 作者、オーガスト・ダーレスの、愛ゆえの産物なのである。 シャーロック・ホームズ・シリーズをすべて読み終えてしまった時、読み返して、読み返し...
ソーラー・ポンズ? けったいな名前だなあと侮るなかれ。 シャーロック・ホームズのパスティーシュとして、これほど優れたものは、そうそうない。 作者、オーガスト・ダーレスの、愛ゆえの産物なのである。 シャーロック・ホームズ・シリーズをすべて読み終えてしまった時、読み返して、読み返して、もっと読みたいと思った時、たいていの人は、よいパロディやパスティーシュがないかを探し始める。 しかし、オーガスト・ダーレス(1909~1971)はちがう。 アメリカはウィスコンシン州、ソークシティの街から、作者サー・アーサー・コナン・ドイルに手紙を出したのだ。 「シャーロック・ホームズの新しい話は書かないのですか?」 羨ましいことに、コナン・ドイルから返信があった。 「書かないよ」 「じゃあ、ぼくが書いていいですか?」 「だめだよ」 そんなわけで、オーガスト・ダーレスは自分で書くことにした。 シャーロック・ホームズの名前は使わず――ソーラー・ポンズなる名前にして! さらに、ワトソン役には、リンドン・パーカー医師、 ハドソン夫人には、ジョンソン夫人、 ホームズの兄マイクロフトには、バンクロフトなる人物を配する。 そうして、本家そのままの事件、冒険を次々に描いたのだ。 中には、シャーロック・ホームズ譚に名前だけが述べられ、どんな事件か語られなかったものを、ポンズの推理譚として描いたものさえある。 これが世にうけないはずがない。 書きも書いたり、80編! 本家シャーロック・ホームズ譚の60編という数を、優に超えてしまった。 一度もロンドンを訪れることなく、これだけのものを書けるとは、オーガスト・ダーレス、ただものではない。 シャーロック・ホームズへの並ならぬ愛あらばこそだろう。 ところで――いきなり話を変えて申し訳ない――「クトゥルフ神話」の名をご存じだろうか? ハワード・フィリップス・ラヴクラフト(1890~1937)のものした、怪奇小説の金字塔たる作品群である。 しかし、彼は47才の若さで亡くなり、そのせいか、生前はその名も作品の数々も、まったく知られることがなかった。 オーガスト・ダーレスは、ラヴクラフトの親しい友人であった。その作品群が忘れ去られることを惜しんだ彼は、アーカム・ハウス出版社をつくったのである。 ラヴクラフトの作品を次々と世に出し、さらには、その世界につらなる作品を数々執筆し、「クトゥルフ神話」として体系化することに大いに力を注いだ。 オーガスト・ダーレスは、愛の強い人なのである。 彼のシャーロック・ホームズ愛によって生まれた作品群だが、そのソーラー・ポンズ自身にも数多くのファンがいる。 ファンクラブがあるのはもちろん、ダーレスの死後も、バジル・コッパー(英)、デビッド・マーカム(英)らの手によって、続編が次々と出されているのだ。 驚くなかれ、それは近年――2017年、2019年にも及ぶ。 愛によってうまれた作品が、こんなにもまた愛されている、それがアメリカのみならず、イギリスにまで及ぶとは、まさに愛の拡大、愛の連鎖というべきだろう。 80もの(パスティーシュをいれれば、100以上の!)作品があるにも関わらず、ソーラー・ポンズの翻訳された推理譚は、この1冊にまとめられた13編と、なにかのアンソロジーにぽつりと入った数編きりである。 他の作品も読みたいと思う私は、どこかに手紙を送るべきだろうか。 「ソーラー・ポンズの冒険譚を、もっと翻訳出版してください!」
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