椿姫 光文社古典新訳文庫

アレクサンドルデュマ・フィス【著】, 西永良成【訳】

• 販売会社／発売会社: 光文社
• 発売年月日: 2008/08/06
• JAN: 9784334751616

商品レビュー

2024/12/24

本書は、高級娼婦という華やかな世界とその裏側にある切ない愛を描いた作品です。私は、あらすじから華やかな社交界での恋愛物語を想像していましたが、実際には、主人公たちの純粋な愛と、それを阻む社会的な壁との壮絶な闘いが描かれており、予想をはるかに超える感動を覚えました。
特に、アルマンとマルグリットが互いを愛し合いながらも、マルグリットの過去の負債やアルマンの家族との関係、そして社会的な偏見といった数々の困難に直面し、やがて愛がすれ違っていく様子には、胸が張り裂けそうになる思いでした。マルグリットがアルマンのために自らを犠牲にするという最後の決断には、彼女のアルマンへの深い愛と、社会の残酷さに対する絶望が凝縮されており、読む者の心を深く揺さぶります。
この作品を通して、私は愛の尊さと儚さ、そして社会の不平等さを改めて認識しました。本書は、単なる恋愛小説にとどまらず、人間の心の奥底にある『愛』という普遍的な感情を描いた不朽の名作だと思います。

2024/08/02

悲しい、美しい物語。 マルグリットがどれほど苦しんだか、どれほど高潔だったかを思うと、アルマンがあまりに幼く身勝手で女々しい男にも思えてしまう。 けれどもアルマンの後悔と苦しみを思っても、胸が痛い。 はじめから完全な幸せを迎え得ない恋だったが、どうにか、せめてもう少し、悲しくない別れであればよかったのに。 でも、だからこそこの物語は美しいと思う。

2021/11/28

華やかな高級娼婦と主人公の大恋愛

主人公が嫉妬深いので…あらあらやめなよwと思いながら読んだ。
狂ったように全力で恋愛に心血を注ぐのもまた幸せなんでしょうか。