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いのちの初夜 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店 |
発売年月日 | 1993/06/30 |
JAN | 9784041083017 |
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いのちの初夜
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商品レビュー
4.4
25件のお客様レビュー
ハンセン病の作家北條…
ハンセン病の作家北條民雄は昭和12年に24歳の若さで生涯を終えました。川端康成を尊敬する民雄は小説を書き続けました。この本にはそのうちの8編が収載されています。差別、絶望、病の苦しみ・・・そんなテーマの小説の中に見出すのはなぜか力強い「生命」です。なぜだろう?表題作「いのちの初夜...
ハンセン病の作家北條民雄は昭和12年に24歳の若さで生涯を終えました。川端康成を尊敬する民雄は小説を書き続けました。この本にはそのうちの8編が収載されています。差別、絶望、病の苦しみ・・・そんなテーマの小説の中に見出すのはなぜか力強い「生命」です。なぜだろう?表題作「いのちの初夜」の中にある『意志の大いさは絶望の大いさに正比する。意志のないものに絶望などあろうはずがない・・・』という言葉がその答えだと思います。高山文彦氏が「火花」という本で北條民雄の生涯を詳しく書いています。こちらもすばらしい本で感動しま
文庫OFF
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※このレビューにはネタバレを含みます
ハンセン病患者であった作者によるハンセン病小説集。 「100分で名著」で紹介されているのを見かけて、「これは事前に知識をつけてしまってはもったいない」と思って慌ててチャンネルを変えて購入したもの。 岡山県には長島愛生園という、ハンセン病患者の療養と隔離のために作られた施設がある。島の中にある施設で、現代でこそ橋がかかって車で本土と容易に行き来ができるが、以前は舟を使わないと出入りができなかったという。そこにはその島内だけで流通している紙幣があり、収容された患者のための学校や葬儀場があって、まるで一つの独立国家のような様態であることに興味深く感じたことをよく覚えている。 この小説の舞台もそのような施設である。 ハンセン病になったことで、徐々に体の機能が欠損していくことへの恐怖、自死すら選択できなくなっていく絶望感、家族との別離すること、あるいは家族へ感染してしまうこと。 様々なハンセン病患者を描く中で、どの作品も共通して「命とは」「生きるとは」という命題に迫っていく。 その生命観の深堀りの加減が尋常じゃなくて、これは「死」を身近に置いていたこの作者でないと書けない文章だと思った。 特に表題作「命の初夜」のクライマックスの佐柄木の弁の熱量は凄まじく、所々息継ぎをしながらでないと読めなかった。 この本、絶版となっていたものが、コロナ禍に復刊したのだと言う。 子どもの頃、ふとんの中で「死ぬってどういうこと?」と考えて震えていた人たちにおすすめしたい作品です。
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コロナの時代、人なみにコロナに罹り、社会から切り離されかけたように感じた。その感じを、時代を超えて共感できた。 一方、この表題である「いのちの初夜」として描かれるものは、正直、まだわからなかった。おそらくもっと深い体験をしないと理解できないのかもしれない。 「死ねると安心する心と...
コロナの時代、人なみにコロナに罹り、社会から切り離されかけたように感じた。その感じを、時代を超えて共感できた。 一方、この表題である「いのちの初夜」として描かれるものは、正直、まだわからなかった。おそらくもっと深い体験をしないと理解できないのかもしれない。 「死ねると安心する心と、心臓がどきどきするというこの矛盾の中間、ギャップの底に、何か意外なものが潜んでいる」、「人間ではありませんよ。生命です。」、「新しい思想、新しい眼を持つ時、全然癩者の生活を獲得するとき、再び人間として生きかえるのです。」
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