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おそろし 三島屋変調百物語事始
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
| 発売年月日 | 2008/07/31 |
| JAN | 9784048738590 |

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商品レビュー
4
238件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あああ恐ろしや恐ろしやっホラーではないかっ!! と思ったらタイトルがそもそも「おそろし」だった。しかし面白くて一気に読んでしまった。 第一話 曼珠沙華 第二話 狂宅 第三話 邪恋 第四話 魔鏡 最終話 家鳴り 神田にある袋物屋の三島屋、そこに居候する姪のおちかが、主人が呼んだ客の百物語を聞いていくという筋立て。最後には全ての話が一つの本流になり、見事にまとまっていく。 ただただ恐ろしいというよりも、怪奇な出来事と悲哀が表裏一体になっていると言った方が適切のように思う。 諸悪の根源にも思えるのが、小石川の安藤坂近くにある立派な屋敷の土蔵である。まぁ日本らしい怪奇だ。欧米のホラーはこういう類の怪奇ってあまりないと思う。ホラー苦手なので滅多に見ないけれど。 その土蔵は最後にはなくなるが、はたして家守がこの後のシリーズでどう絡んでくるのか、(文字通り)怖いもの見たさで読んでみようかという気になった。
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百物語を通して人の情念と生き方を知り、じんわりとおちかの心の傷を少しずつではあるけれど撫でて癒していくような不思議な話。 良い言い方が思いつかないのだが、松太郎の事件が起きず、おちかがあのまま実家で暮らして良助と結婚していたら本当の意味で人に目を向けることはなかったんじゃないか...
百物語を通して人の情念と生き方を知り、じんわりとおちかの心の傷を少しずつではあるけれど撫でて癒していくような不思議な話。 良い言い方が思いつかないのだが、松太郎の事件が起きず、おちかがあのまま実家で暮らして良助と結婚していたら本当の意味で人に目を向けることはなかったんじゃないかと思う。そういう意味では松太郎と良助のことは必要なことだったのでは、と思うけど人が死んでるから良いとは言い切れないな。誰かが死んだり取り返しのつかないことにならないと気がつけないことは生きていく上でたくさんあると思うので… というかおちかは「夫婦になる」ことに夢中になっていただけで良助を愛していたわけではなさそう。むしろその愛情とか親は松太郎にあったのかもしれないけれど、少女のうちだとわからないよな…あたしの心はどっちにあったのか、という答えはおちかが一番わかっているのではないか。 というかおちかの視点で見てても良助のいいところが全く見えてこないんですが…仲良し同士の間にぽっと出の男が入ってくるのが気に入らないというのはまだわかるとしても、松太郎への暴言と暴力+元が遊び人ということもあり全く魅力を感じない… 人喰い屋敷の話より魔鏡の方が怖かった。姉と兄の恋情はともかく、兄は妹を身代わりにしようとしたのはゾッとする。人の、特に子どもの「なんとなく嫌だ」という勘は侮るものじゃないな。巻き込まれたお嫁さんがひたすらに可哀想で… 不思議な話を集めて最後にファンタジー漫画のような展開になってびっくりした。漫画とかアニメならめちゃくちゃ映えるだろうな。 話を読み進めて松太郎全然がひたすらに可哀想だった。「俺のこと忘れたら許さねぇ」ってあの時は興奮していたからだと思うけど、捨てられることや忘れられることが何より怖かったのかな… 各巻のあらすじだけ見てしまったからおちかの嫁ぎ先も知ってしまったんだけど、期待して良いんですよね? 続きもガンガン読んでいこう。
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うまい。なんだかよく分からない趣向の本だと読み始めたが、心に影を持つ人たちが登場。今にも通じそうなことばかりだが、そこへ、宮部先生の解釈がうまく言語化されて、浄土へと昇華されていく。そんなストーリーに思えた。うまい。心を描くのが本当にうまいから、面白い。
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