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戦争絶滅へ、人間復活へ 九三歳・ジャーナリストの発言 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2008/07/18 |
JAN | 9784004311409 |
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戦争絶滅へ、人間復活へ
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商品レビュー
4.4
13件のお客様レビュー
「むのたけじ」とは何者か。戦時中は報知新聞や朝日新聞記者として多くの政治家や、従軍記者として戦地の状況からを見てきた人物である。本名は読みは同じながらも武野 武治という。戦後、戦争責任の一端を担った新聞社を辞め、自ら「たいまつ」という自費出版の新聞を発行する。その後の日本の経済成...
「むのたけじ」とは何者か。戦時中は報知新聞や朝日新聞記者として多くの政治家や、従軍記者として戦地の状況からを見てきた人物である。本名は読みは同じながらも武野 武治という。戦後、戦争責任の一端を担った新聞社を辞め、自ら「たいまつ」という自費出版の新聞を発行する。その後の日本の経済成長やバブル崩壊などのうねり、日本社会の変遷をその目で見て、考え、表現してきた人物だ。本書発行時点で既に視力も衰えた90歳を超え、話した内容を対談形式で記述させる共著の形をとっている。本人は101歳で埼玉県さいたま市にてその生涯を終えている。93歳のジャーナリストが何を語るのか、で始まる本書は、戦中戦後の日本を見てきたむのたけじが感じた、平和の大切さで幕を開ける。たいまつ刊行に当たり何を人々に伝えようとしたか、ジャーナリズムの本質が何処にあるのか。たどり着いた1つの答えが社会主義である。ただ社会主義そのものを賛美するのではなく、若い時分にどの様に接しどう考えたか、本人の語りから知ることができる。また、憲法9条に関する考え方も語られる。9条成立までの過程と、それをどの様に解釈する事で平和を実現できるのか。むのたけじは一貫して自分がそこから何を読み取りどう行動すべきかについて語りを続ける。そこには他者から強いられたり強制的に捻じ曲げられた、戦時中に経験した権力の力に抵抗するかの様に、「自分」で考え抜いて出来上がった思考のみで構成されるものがある。ユートピアという言葉に求めた理想の社会、失わない希望に満ち溢れている言葉達が次から次へと出てくる。 人が核兵器を作りだし、それを保有しながら、他人(他国)が持つ事を禁じようとする矛盾。その様な大国理論に支配されたアメリカとの付き合い方も見直しの時期が来ていると言う。日本がどうあるべきかは日本人が考える事であり、他国に強要されるものではない。だがしかし日本人自身がそもそも考えているか、考えない国民で構成される日本という国家が向かう将来への不安。そして老人と若者の間に広がりつつある思考の格差への憂い。その様な中でも教職に就くむのたけじの娘が、若者の行動の中に見た希望のかけらの話は印象的だ。読んでいる読者にも微かな希望を持たせてくれる。 93歳になるむのたけじはもう亡くなってしまったが、こうした考え方は本になり次の世代へ確実に引き継がれていく。本書に触れた若い読者達がたけじと同じ様に自分の頭で考え行動する日が続く限り、人類絶滅の日を迎えず済むだろう。若者への押し付けだけでなく、老若男女問わず皆が明日を未来を考える社会を自身の力で作っていかなければならない。あの世から力強くたけじが叫んでいる。「考えようよ」という言葉が最後まで頭に残る一冊。
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勧められて。 戦争とは実際どんなものなのか。戦場では人間はどうなってしまうのか。そして政治、権力とはどんなものなのか。 むのさんのインタビューをもとにして文章が作られているので読みやすかった。 「平和に暮らすということ、平和であるっていうことを、空気やお日様の光のように思われては...
勧められて。 戦争とは実際どんなものなのか。戦場では人間はどうなってしまうのか。そして政治、権力とはどんなものなのか。 むのさんのインタビューをもとにして文章が作られているので読みやすかった。 「平和に暮らすということ、平和であるっていうことを、空気やお日様の光のように思われては困りますものね」 という一文が沁みた。 日本が過去に戦争をしたという事実を直視して、これからの日本社会や世界をどうしていくかを考えていかなければいけないと思う。
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横手市のジャーナリストと言えば「むのたけじ」さん、むのさんは四ヶ月後に百歳になられます。これは彼が93歳の時に書かれた本ですが、彼の思いが強く書かれています。そして今の社会に取り入れるべき事が多々あります。むのさんのように、妥協せずに成長を続けて老人になられた方は、我々に必要な解...
横手市のジャーナリストと言えば「むのたけじ」さん、むのさんは四ヶ月後に百歳になられます。これは彼が93歳の時に書かれた本ですが、彼の思いが強く書かれています。そして今の社会に取り入れるべき事が多々あります。むのさんのように、妥協せずに成長を続けて老人になられた方は、我々に必要な解釈を持っているものですね。でもそれを多くの人は理解しつつも、素直に受け取る事ができない社会体制になってしまっているのも確かです。読み進めると、時々目から鱗が落ちる一冊です。
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