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世紀末芸術 ちくま学芸文庫
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世紀末芸術 ちくま学芸文庫

高階秀爾【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2008/07/11
JAN 9784480091581

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世紀末芸術

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2023/12/30

陶酔と退廃、幻想と神秘、芸術のための芸術、豊かな装飾的表現、美術と工芸の融合………様々な要素を孕んだ世紀末芸術だが、その核にあるのは、人間の心は明晰な意識では捉えきれない混沌と神秘に満たされており、それは写実主義的技法では解明できないという認識だ。印象派によって絵画に眼を開かれた...

陶酔と退廃、幻想と神秘、芸術のための芸術、豊かな装飾的表現、美術と工芸の融合………様々な要素を孕んだ世紀末芸術だが、その核にあるのは、人間の心は明晰な意識では捉えきれない混沌と神秘に満たされており、それは写実主義的技法では解明できないという認識だ。印象派によって絵画に眼を開かれたゴーガンは印象派の感覚主義への不満をぶちまけて言う。「彼等は自分達の眼の周囲のみを探し廻って、思想の神秘的内部に入り込もうとしない」 ゴーガンにとって「印象派とは写実主義の一変種」に過ぎないのだ。 「色彩はそれ自身で何ごとかを表現する」と語ったゴッホも、外界の事物の再現ではない、色彩そのものの表現力を追求した。魂の奥底に口をあけた不気味な深淵をルドンは象徴という武器によって明るみに出した。ロダンやロートレックが試みたのは、モネのように水面の揺らめきを鋭敏な感覚のレンズで切り取ることではなく、動きそのものの形象化であり、造形芸術へのリズムやメロディーの導入である。世紀末に絵画の歴史は外部の「印象」を忠実に写し出すことから内部の世界を「表現」することへと大きく転換した。それは15世紀に始まるルネサンスの否定であると同時に、新しい時代の出現を予告する「第二のルネサンス」であったと著者は言う。 本書は西洋美術史の権威高階秀爾の処女作であるが、周到な目配りと明晰な表現力には脱帽する他ない。ただ綺麗にまとまり過ぎて、世紀末の妖しく危険な香りが伝わってこないと感じるむきもあるだろう。オスカー・ワイルドやサロメについても頁が割かれてはいるのだが、著者の力点は死と背中合わせの頽廃美であるより、写実主義の残滓を払拭して20世紀の抽象絵画へと道を開いた世紀末の肯定的な側面だ。勿論世紀末芸術は多面的であり幾つもの潮流が複雑に絡み合っている。頽廃美に尽きないその全体像をバランスよく解説した良書であることは間違いない。

Posted by ブクログ

2023/10/23

世紀末がどんな時代で、どんな芸術が生まれ、それらがどのような特徴を持っているかは分かった。詳細に説得的に書かれている。 しかし、それらがなぜ誕生したかについては、今一つ腑に落ちなかった。 理由として説明の中で、○でありながら、反○の状況もあったという表現が多く、正確ではあるの...

世紀末がどんな時代で、どんな芸術が生まれ、それらがどのような特徴を持っているかは分かった。詳細に説得的に書かれている。 しかし、それらがなぜ誕生したかについては、今一つ腑に落ちなかった。 理由として説明の中で、○でありながら、反○の状況もあったという表現が多く、正確ではあるのだろうが、この混沌さへの説明が明快でなかったような気がする。

Posted by ブクログ

2018/10/21

19世紀の、新古典主義からロマン主義、写実主義、印象主義にかけてのリニアな流れと20世紀の多種多様な同時並行的「イズム」による複雑な芸術運動の間にぽっかりと空いた美術史の空白。これまで、その時代の芸術は特に顧みられてこなかった。雑多で退廃的で悪趣味ー。そうした見方が長く支配的であ...

19世紀の、新古典主義からロマン主義、写実主義、印象主義にかけてのリニアな流れと20世紀の多種多様な同時並行的「イズム」による複雑な芸術運動の間にぽっかりと空いた美術史の空白。これまで、その時代の芸術は特に顧みられてこなかった。雑多で退廃的で悪趣味ー。そうした見方が長く支配的であったからだ。しかし著者は、その時代の転換期の芸術に新たな光を投げかける。綜合と官能と鋭敏過ぎるほどの美的感受性ー。むしろ混沌とした時代であったからこそ、新しい創造の芽が生まれたのだ。絵画、彫刻、建築、装飾、デザインなど、あらゆる分野を横断して一斉に花開いた芸術の力とその精神を紐解いていく。

Posted by ブクログ

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