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満州開拓民悲史 碑が、土塊が、語りかける
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 批評社 |
発売年月日 | 2008/07/10 |
JAN | 9784826504867 |
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満州開拓民悲史
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商品レビュー
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本書は、1945年(昭和20年)の敗戦による「帝国の瓦解」により、全てを失った「満州開拓民」についての歴史の記録であるが、その全体像を本書で読むと、あまりにも悲惨であり、誰もが衝撃を受ける内容に言葉を失う思いを持った。 「満蒙開拓団」「義勇隊開拓団」が1937年(昭和12年)...
本書は、1945年(昭和20年)の敗戦による「帝国の瓦解」により、全てを失った「満州開拓民」についての歴史の記録であるが、その全体像を本書で読むと、あまりにも悲惨であり、誰もが衝撃を受ける内容に言葉を失う思いを持った。 「満蒙開拓団」「義勇隊開拓団」が1937年(昭和12年)に国策として決定され、時の広田弘毅内閣が「20ヵ年100万個送出計画」を策定したという。 確か「伊藤博文」は満洲への進出に対し、「あそこはよその国ではないか」と発言したことがあったようにも記憶しているが、「満州」という他国への植民に対し、当時の日本では反対意見はなかったのだろうかとも思った。 本書によると、戦前に30万人の開拓民が中国東北部(旧満州国)に植民し、1945年(昭和20年)の敗戦後に、「日本政府に捨てられ、満州国政府に捨てられ、関東軍に捨てられて、地獄の責め苦にあ」い、10万人の人々が非業の死を遂げたという。 そして、生きて帰った人々の「汚辱の果てに-女性たちの哀れ」の記録は読むだけでも辛い。 なんと「政治」の決定は非情なものか、いかに「政治の誤り」は庶民に犠牲を強いるものかを痛感した。 これだけの被害をだした「政策の過ち」に対し、戦後その「責任」を問う声があまり聞かれないのは、日本においては、いまだ先の戦争と戦前の政治体制に対して冷静な議論ができない環境があるからかもしれない。 それを思うと、日本においては、今だに「戦後」は、まだ終わっていないのかもしれないと思えた。 本書は、「満州開拓民」の歴史を克明に追いかけた良書であるが、あまりにも悲惨で読み続けることさえ辛いと思えた。 そして、本書で不足しているのは、「責任の追求」だろうと思う。誰がどのような経緯で「満州移民」という誤った政策を立案し実行したのかの調査も是非必要であると痛感した。
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