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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2008/07/10 |
JAN | 9784163273600 |
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商品レビュー
3.4
78件のお客様レビュー
天安門事件の頃? 若き大学生の半生を綴った小説。 驚いたのが、この作家さんの母国語が中国語であり、この小説は成人後に渡来して習得した日本語で書かれたものだったということ。 終始素朴な、朴訥とした文章で書かれていたので、翻訳家が敢えてその表現を選んだのかと思っていた。 純粋で...
天安門事件の頃? 若き大学生の半生を綴った小説。 驚いたのが、この作家さんの母国語が中国語であり、この小説は成人後に渡来して習得した日本語で書かれたものだったということ。 終始素朴な、朴訥とした文章で書かれていたので、翻訳家が敢えてその表現を選んだのかと思っていた。 純粋で真っ直ぐな愛国家の若者を表現するのにピッタリだったから。 そして知り得ることの無い他国政情の雰囲気や、息苦しさが、簡素な文章からリアルに伝わってきた。 wikiで調べてみたら、かなりバイタリティに溢れた方のようで、しかもこの小説の主人公を連想させるような軌跡であり、ある意味私小説なのかもしれないと思うとまた味わい深い。
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2008年の芥川賞受賞作品。主人公の梁浩遠と同郷の親友謝志強が秦漢大学への受験から始まり、入学してからの中国の民主化運動に奔走した青春時代。そして結婚し子供を持って、他国である日本でも運動を起こすも、挫折や時代の流れを感じさせる後半部分に大きく分かれている。 著者の脳内ではど...
2008年の芥川賞受賞作品。主人公の梁浩遠と同郷の親友謝志強が秦漢大学への受験から始まり、入学してからの中国の民主化運動に奔走した青春時代。そして結婚し子供を持って、他国である日本でも運動を起こすも、挫折や時代の流れを感じさせる後半部分に大きく分かれている。 著者の脳内ではどういったことが起こっているのかと考えてみた。まず中国語で考えて日本語に変換するのか、日本語のまま考えそのまま作るのか。日本語で描かれているからか、全体的に柔らかい表現になっているように思う。 中国詩などは出てくるが、特段に中国特有の作品としてではなく捉えられ、また尾崎豊の歌が果たして中国人の心を捉えているのかは疑問であるが、この作品上においては青春の代弁的で、時代への反抗さを表すメタファーとしての材料として主人公らの心に刻み込まれているのには評価されよう。 現代においても、ますます中国の強権化が目を覆うほどになってきているが、日本が忘れてしまった学生運動を通した政治へのある意味真摯な情熱と、終盤における個々人の幸福との折り合いや、挫折とそれでも変わらない政治へのなんとも居心地の悪いやるせ無さが作品全体を通して訴えかけていよう。 こういった作品を在日の中国人が、日本語で描いたことに一つの価値があり、今の中国人に読んでみて感想を知りたいものである。
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2008年の芥川賞受賞作でありリーマンショック直前というタイミングであったと改めて感慨深い作品。中国、日本それぞれが天安門事件以降に辿った軌跡は当時は誰も予想出来なかったと思うが、中国人である著者の目にはその後の20年は日本の停滞よりも中国、中国人の不甲斐の無さを無念に感じ、共産...
2008年の芥川賞受賞作でありリーマンショック直前というタイミングであったと改めて感慨深い作品。中国、日本それぞれが天安門事件以降に辿った軌跡は当時は誰も予想出来なかったと思うが、中国人である著者の目にはその後の20年は日本の停滞よりも中国、中国人の不甲斐の無さを無念に感じ、共産党支配による抗い難い抑圧の結果と受け止めていると理解をした。
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