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時が滲む朝
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2008/07/10 |
JAN | 9784163273600 |
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民主化のような学生運動は、結局暇と情熱を持て余してる若さゆえできること。親に金を払ってもらって自分で金を稼いでもいない、考えの甘い若輩者だからできることなのかなと感じた。 その証拠に、生活を支える一家の大黒柱になった大人たちは、民主化よりも、目の前の生活のことで手いっぱい頭いっ...
民主化のような学生運動は、結局暇と情熱を持て余してる若さゆえできること。親に金を払ってもらって自分で金を稼いでもいない、考えの甘い若輩者だからできることなのかなと感じた。 その証拠に、生活を支える一家の大黒柱になった大人たちは、民主化よりも、目の前の生活のことで手いっぱい頭いっぱい。 そうなっていく過程や対比がうまく描かれていると思った。天安門事件は名前は知っていたけど、文化大革命などは知らなかったので、中国の歴史や背景について学べる点もよかった。
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天安門事件の頃? 若き大学生の半生を綴った小説。 驚いたのが、この作家さんの母国語が中国語であり、この小説は成人後に渡来して習得した日本語で書かれたものだったということ。 終始素朴な、朴訥とした文章で書かれていたので、翻訳家が敢えてその表現を選んだのかと思っていた。 純粋で...
天安門事件の頃? 若き大学生の半生を綴った小説。 驚いたのが、この作家さんの母国語が中国語であり、この小説は成人後に渡来して習得した日本語で書かれたものだったということ。 終始素朴な、朴訥とした文章で書かれていたので、翻訳家が敢えてその表現を選んだのかと思っていた。 純粋で真っ直ぐな愛国家の若者を表現するのにピッタリだったから。 そして知り得ることの無い他国政情の雰囲気や、息苦しさが、簡素な文章からリアルに伝わってきた。 wikiで調べてみたら、かなりバイタリティに溢れた方のようで、しかもこの小説の主人公を連想させるような軌跡であり、ある意味私小説なのかもしれないと思うとまた味わい深い。
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2008年の芥川賞受賞作品。主人公の梁浩遠と同郷の親友謝志強が秦漢大学への受験から始まり、入学してからの中国の民主化運動に奔走した青春時代。そして結婚し子供を持って、他国である日本でも運動を起こすも、挫折や時代の流れを感じさせる後半部分に大きく分かれている。 著者の脳内ではど...
2008年の芥川賞受賞作品。主人公の梁浩遠と同郷の親友謝志強が秦漢大学への受験から始まり、入学してからの中国の民主化運動に奔走した青春時代。そして結婚し子供を持って、他国である日本でも運動を起こすも、挫折や時代の流れを感じさせる後半部分に大きく分かれている。 著者の脳内ではどういったことが起こっているのかと考えてみた。まず中国語で考えて日本語に変換するのか、日本語のまま考えそのまま作るのか。日本語で描かれているからか、全体的に柔らかい表現になっているように思う。 中国詩などは出てくるが、特段に中国特有の作品としてではなく捉えられ、また尾崎豊の歌が果たして中国人の心を捉えているのかは疑問であるが、この作品上においては青春の代弁的で、時代への反抗さを表すメタファーとしての材料として主人公らの心に刻み込まれているのには評価されよう。 現代においても、ますます中国の強権化が目を覆うほどになってきているが、日本が忘れてしまった学生運動を通した政治へのある意味真摯な情熱と、終盤における個々人の幸福との折り合いや、挫折とそれでも変わらない政治へのなんとも居心地の悪いやるせ無さが作品全体を通して訴えかけていよう。 こういった作品を在日の中国人が、日本語で描いたことに一つの価値があり、今の中国人に読んでみて感想を知りたいものである。
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