競合と戦わずして勝つ戦略 超競争時代のマーケティング戦略

丸山謙治【著】

• 販売会社／発売会社: 日本能率協会マネジメントセンター
• 発売年月日: 2008/06/30
• JAN: 9784820717218

商品レビュー

2018/11/12

実践と名うつだけあって、実際の商品の例を豊富に引いている。マーケットのイロハから実践への応用まで、戦わずして（知力）で勝つをモットーに書きすすめられている。マーケッターを自任する前に、一読しておいて損はない本と思う。

2012/02/10

目新しさなし。「凡そ戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ」（孫子）という事。実例は当該業界を知らない私には興味深かった。

2011/05/28

競争が激化し、規模の拡大が見込めない市場では、競合と正面から挑む戦闘的戦略ではなく、「孫子の兵法」思想に基づいた知的戦略が有効である。『ポジショニング戦略』のアル・ライズ/ジャック・トラウト研究家による究極の戦略。（Amazon.co.jp）

「戦わずして勝つ」。なんてカッコいい言葉なんだ・・・と思い図書館で借りてみた。経営戦略の類は今までも読んできたつもりなのだが、理解しているようなしてないような微妙な感覚は常に持っていた。本著はそのグレーゾーンを払拭してくれた感じ。とても分かり易くサクサク読めた。概略を述べると、過度な市場競争において、体力のない企業が過度なシェア争いや正攻法で開拓することは、自社の資源や利益が著しく損なわれる可能性がある。しかし、何もしなければ現状維持から衰退の道へまっしぐら。そのうち市場淘汰されてしまう。本著はそうならない為に、中国の兵法家、孫子の教えを用いて知的戦略の有効性を教えてくれる。

たいていの企業は、顧客満足を経営ビジョンや企業スローガンに掲げている。著者が強く指摘していたのが、顧客満足からスタートしたマーケティングだと、リーディングカンパニーやその他競合との差別化が図りにくいため、強みを最大限発揮できないとのこと。まずは競合他社分析を行うことで、自社のポジショニングを明確にし、そのポジションに合ったマーケティングを行うことで顧客満足が可能な戦略を取っていくべきと教えてくれる。結果、相手が戦意を持てないぐらいの優位性や独自性を持つことができ、「戦わずして勝つ」というストーリーが成り立つ。

ポジショニングマップ・SWOT分析・市場再分化戦略などの多彩なマーケディング手法も分かりやすく説明してくれて、携帯電話会社・菓子メーカー・ビール会社などのマーケティング事例も併せて解説してくれる。たいていの戦略本はロジカルすぎてアタマが疲れてしまうのだが、本著はあくまでも現実目線であったので、知的戦略と市場競争のリンク付けがしっかりできた。私にはとても良い教科書になったので、改めて本著の手法をさらに深く吸収していきたいと思う。マーケティングのイロハを教えてくれた著者に感謝。