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一朝の夢
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一朝の夢

梶よう子【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2008/06/26
JAN 9784163272504

一朝の夢

¥110

商品レビュー

3.9

17件のお客様レビュー

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2020/04/15

先日「菊花の仇討ち」を読み終わり、そういえばシリーズを最初から読んだかどうか分からなくなったのでシリーズ第一作を読んでみた。 既読感がないので読んでいなかったらしい。 これが梶さんの単行本デビュー作になるのだが、それだけに力が入っている。 「菊花の仇討ち」を読んだ時は、シリーズ...

先日「菊花の仇討ち」を読み終わり、そういえばシリーズを最初から読んだかどうか分からなくなったのでシリーズ第一作を読んでみた。 既読感がないので読んでいなかったらしい。 これが梶さんの単行本デビュー作になるのだが、それだけに力が入っている。 「菊花の仇討ち」を読んだ時は、シリーズの第一作がこれ程重いとは思わなかった。 しかもこの作品はシリーズ第一作にしてシリーズ完結編でもあった。 つまり、第二、第三作(さらなる続編があるかも知れない)とあって、第一作に繋がるのだった。 「菊花の仇討ち」に登場した杏葉館(鍋島直孝)や、三好も登場する。 時間設定としては、中根興三郎が三十歳、そして時代は幕末の騒乱、混乱、闘争へと向かう頃。 事の始まりは、興三郎の幼馴染・里恵が質の悪い商人から多額の借金をしていて窮地に陥っていることを知り、興三郎が自身が育てた見事な変化朝顔を里恵に譲って助けたこと。 変化朝顔を花合わせに出品したり他者の朝顔と競ったり、ましてや投資のネタに使われることを好まない興三郎だが、そのことをきっかけに様々な人々と関わることになり、更には安政のあの大事件にも関わることになる。 この辺りの話の広げ方は面白かった。変化朝顔と政治の世界をこんな風に繋げるとは、上手いなと思った。 第三作では下男の藤吉に嫁取りのことをしつこく言われているが、この作品では里恵という出会いがある。彼女はバツイチで息子がいるが、良い女性だし、息子の小太郎は朝顔に興味を持っている。 ついに興三郎も嫁取り成功かと喜んでいたが、こんな展開になるとは。 興三郎の朝顔オタク振り、普段は名簿作成係という日陰の身で他人からは侮られているのは第三作と同じだが、この作品では意外にも感情を露にしたり、アクションも見せたりしている。 興三郎という日陰の役人の目を通して、変化朝顔の作り手の目を通して見る混乱の世界。 どちらに付くことも出来ない、どちらが正しいとも悪いとも言えない。ただ誰も失いたくない、誰も傷付いて欲しくない、ただそれだけを願うことがこれ程困難なこととは。 「一朝の夢」とは、夢の黄色花。変化朝顔を懸命に作る人の真心が朝顔に通じたとき、一生に一度の褒美として朝顔が見せてくれる黄色い花。 これ程辛い思いをしても朝顔と向き合うことを止めなかった興三郎に朝顔はどう応えてくれるのか。

Posted by ブクログ

2017/07/21

朝顔に己れの道を見出だし歩いて行くとは素晴らしい。この夏は我が家も朝顔のカーテンをびっしり張るつもりです。

Posted by ブクログ

2017/01/30

知人に薦められて読んだ、初梶よう子さん作品。 うだつの上がらない朝顔好きの(閑職)同心が、試行錯誤を繰り返してようやく夢のような幻の黄色い朝顔を咲かせるだけの話かと思いきや、いや、朝顔好きの同心が主人公には変わりないし結局咲かせることができるのだけれども。 (日本人ならわりと...

知人に薦められて読んだ、初梶よう子さん作品。 うだつの上がらない朝顔好きの(閑職)同心が、試行錯誤を繰り返してようやく夢のような幻の黄色い朝顔を咲かせるだけの話かと思いきや、いや、朝顔好きの同心が主人公には変わりないし結局咲かせることができるのだけれども。 (日本人ならわりと知名度の高いであろう)「桜田門外の変」の前後譚だった。 史実にミステリー要素をからめて、なかなか読みごたえのある作品だと思いました。まぁ、でもいくら史実とはいえ、人が血を流しすぎるお話はあまり好きではないし、最後はなんだか駆け足が過ぎるなぁ、と感じたので☆は3つ。 江戸時代末期。 ひょろりと背だけが高く、しかし外見に反して心根はとてもやさしい中根興三郎は、名簿作成係の閑職に追いやられているのに、「暇なほうが朝顔の世話ができる」と不満もない。(むしろ喜んでいる?)30歳を超えた今も結婚の気配はなく、爺やには「坊ちゃん」と呼ばれてことあるごとにお説教されてはそのひょろ長い体を小さく縮めてしまう。 自信はないけれど、たぶん自分を卑下しているだけ。 流れに逆らうことはないけれど、物事の本質をすっと見抜ける目を持っていて、折れることがない。まるで柳のような人だと思う。 そんな気性の主人公は好ましい。 エピローグは、以前読んだ朝井まかてさんの『先生のお庭番』と同じようにも思えますが、主人公が失踪した後のエピローグだからか、感動はこちらの方が薄かったです。

Posted by ブクログ

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