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孤独な鳥はやさしくうたう
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 旅行人 |
発売年月日 | 2008/07/10 |
JAN | 9784947702623 |
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孤独な鳥はやさしくうたう
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商品レビュー
4.3
5件のお客様レビュー
また、旅に出たくなった。そこで出会う人や出来事、風景は、自分を少し変えてくれる。この人の旅は、強烈。自分の旅は、ゆるやか。コロナで、海外は、無理。さてさて何処に行こうか。
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厳密に言えば、「旅行」と「旅」とは似て非なるものだろう。「旅行」はどこに行くか、何をするか、何を観るかという目的が明確であり、また、往々にしてタイムスケジュールも正確に定められているものだ。旅行において、目的地までの移動は、そこに行くための手段であるにすぎない。 他方、「旅」...
厳密に言えば、「旅行」と「旅」とは似て非なるものだろう。「旅行」はどこに行くか、何をするか、何を観るかという目的が明確であり、また、往々にしてタイムスケジュールも正確に定められているものだ。旅行において、目的地までの移動は、そこに行くための手段であるにすぎない。 他方、「旅」は目的地が明確なわけではない。仮に目的地が定められている場合でも、その場の気分で目的地はすぐに変わってしまう。また、旅は旅行ほどに効率の良さを求めない。旅行においては忌むべきものである停滞、逡巡、彷徨、迷走は、旅においては価値があり、歓迎されるべき非効率な道程である。 旅行は必然で張り巡らされているが、旅は偶然に満ちている。そして、そうした偶然との邂逅が多ければ多いほど、旅は実り豊かなものになる。 前置きが長くなったが、田中真知さんの本書はそんな旅の魅力を伝える旅物語、エッセイである。 たとえどれほど貴重な経験をしていても、観察力、知識、感性、文才が乏しければ、旅の記録はつまらないものになってしまうが、本書では、不思議で、驚きに溢れた経験が、著者の優れた文才で見事に表現されている。 開高健の『オーパ!』を読んだ時と同じくらい、旅への衝動にかられた本だった。(実際に旅に出たことはないが。)旅好きは読むべき。
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「旅行人」という旅のミニコミ誌に書かれたエッセイがまとめられた本です。翻訳家である作者の知性が感じられ、文章が繊細で美しい。 旅先の出来事、旅で出会った人たち。どの話もとても興味深く読みました。とてもおもしろいです。 以下こころに残ったたくさんの文章の中から抜粋。 トルコのバ...
「旅行人」という旅のミニコミ誌に書かれたエッセイがまとめられた本です。翻訳家である作者の知性が感じられ、文章が繊細で美しい。 旅先の出来事、旅で出会った人たち。どの話もとても興味深く読みました。とてもおもしろいです。 以下こころに残ったたくさんの文章の中から抜粋。 トルコのバスの中で、男とイヤホンを分け合ってデヴィッド・ボウイを聴いたあの夕暮れを思い出す。あのとき徐々に彼に親近感をおぼえていったのは、あるいは、イヤホンの細いコードを通して、彼が抱えている闇が自分の中に流れ込んできたからなのかもしれない。 地中海の島の魅力は風にある。あらゆる地上的な重さから解放された、軽く、かわいた、形而上的な輝かしさすらおぼえる風に、地中海の島は祝福されている。 [キンシャサのパワーと混沌、闇と光りに魅せられた日本人のせりふ(を借りた作者の気持ちだと思う)] 日本?日本の話なんかしたくないな。あの国では、ふつうに暮らしているだけで、数え切れない脅迫にさらされている気がしてくるんだ。事故にあったらどうする?病気になったらどうする?子どもの教育は?仕事は?老後の備えは? 要するに、あの国では、自分がいまここに在るというだけでは、存在していることにならないんだな。いまここにない非現実的な危険や困難を想定して、おびただしい予防線を張らないと安心できないんだ。ばかげた幻想さ。だって、いまここに生きていることがリアルでなくって、実体のない不安や恐怖の方がリアルだなんて、変だと思わないかい?
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