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炎の回廊 満州国演義 4
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炎の回廊 満州国演義 4

船戸与一【著】

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炎の回廊 満州国演義 4

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2008/06/20
JAN 9784104623051

炎の回廊

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商品レビュー

3.7

7件のお客様レビュー

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2026/02/12

1932年3月1日、満洲国は溥儀が皇帝となり満州帝国となった。第4巻は、ここから始まる。そして敷島4兄弟も関東軍の特務機関の謀略に更に巻き込まれていく。四男は武装移民の監視役で弥栄村に行くが、そこでも同じ日本人の筈の朝鮮人がどん底の状態で喘いでいる。次男は抗日部隊の内ゲバを目撃、...

1932年3月1日、満洲国は溥儀が皇帝となり満州帝国となった。第4巻は、ここから始まる。そして敷島4兄弟も関東軍の特務機関の謀略に更に巻き込まれていく。四男は武装移民の監視役で弥栄村に行くが、そこでも同じ日本人の筈の朝鮮人がどん底の状態で喘いでいる。次男は抗日部隊の内ゲバを目撃、更には今後最強の敵として登場しそうな中国共産党のゲリラ部隊を見る。長男は満鉄がソ連から北満鉄道を買収する交渉に関わる。三男は天皇機関説に翻弄される本国の軍の様子を特務機関の人間を通して話を聞く。ここにインド独立の話、ユダヤ国家建設及びユダヤ人の満州移民、スターリンの粛正、コミンテルンのスパイとなったハルビン特務機関曹長、大本教の弾圧、毛沢東の権力掌握と長征。これだけの題材を難なく読ませる作家の筆力。こりゃ全巻読み終わらないと始まらない。最後に軍の意志というより愚かな国民のおかげで御用メディアにならざるを得ない記者の言葉が胸に刺さる。 「現人神・天皇という虚構は立憲君主国家を目指す伊藤博文と兵営国家を作り上げようとした山県有朋の妥協の産物として生まれた。そして、それは最高の虚構として機能した。明治維新からたった六十八年間で日本がこれだけの強国となったのはこの虚構のおかげだ。」

Posted by ブクログ

2022/03/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

満州国演義シリーズ第4作。敷島太郎の長男・明満が死に、「明日の満州、明るい満州」を意味するその名前が消えていったことに象徴されるかのように満州国の未来に暗雲がたれこめ始める。抗日反満を掲げる抗日連軍、コミンテルンの暗躍に加え、内地では美濃部達吉の天皇機関説に対する反発や2.26事件という皇道派による軍事クーデタ未遂も起きる。敷島4兄弟の運命も時に交錯する。詳細→ http://takeshi3017.chu.jp/file9/naiyou10142.html

Posted by ブクログ

2016/08/01

1934年溥儀の満州国皇帝即位式典からが本巻のスタート。 満州国建国に伴って行われた溥儀の皇帝即位式の華やかさとは裏腹に、この新国家が早くも意味不明な存在であることが確認される。 この国には(誰も満州国国籍を得たがらないので)国民がおらず、憲法すら作れないという。 よく考えればそ...

1934年溥儀の満州国皇帝即位式典からが本巻のスタート。 満州国建国に伴って行われた溥儀の皇帝即位式の華やかさとは裏腹に、この新国家が早くも意味不明な存在であることが確認される。 この国には(誰も満州国国籍を得たがらないので)国民がおらず、憲法すら作れないという。 よく考えればそりゃそうなんだけど、"五族協和"なんて壮大なスローガンを掲げておきながらこの内情はちょっと寒い。 ソ連コミンテルンや金日成や中国共産党など共産主義勢力の暗躍や、ナチス勃興などの話題も出てくるのだけど、興味深かったのはユダヤ人の話。 1930年代当時、ドイツとソ連の両方から迫害されたユダヤ人達は逃げ先のひとつとして満州国を想定していたのだそう。 結局実現せず終わるものの、ユダヤ人の経済力やアメリカ合衆国への影響力を計算して、日本(満州国)側でも受け入れ政策が検討されていたのだとか。 ユダヤ人問題だけではなく、インドやモンゴルでの民族意識の高揚なんかも含めて、満州の問題がどんどん複雑な国際情勢とリンクしていく。 この巻で起きる最も大きな事象はファシズムの台頭。 日本陸軍内部での皇道派と統制派の対立がこじれにこじれた末、1936年には二・二六事件が勃発する。 この事件は合理的なファシズムと神秘的なファシズムという不毛な対立構図であり、その背景にあるものは天皇の存在や機能を巡る論争。それらは明治維新の延長線に発生したもの、というのが本作での捉え方。 明治維新期に薩長系の元勲が日本を近代国民国家とするために行った水戸学風の《天皇=神》のプロパガンダが事の発端なのだけど、年月が経過した昭和期の青年将校達の間では、それはあまりにも定説化しすぎていた。 作中のある登場人物が口走る「とりあえず天皇陛下万歳と言ってしまえば楽になれますよ」という言葉の不気味さが、この時代における一面の真実なのだろう。 明治維新期に為されたプロバガンダが、世代を経て大きな弊害を産み、それが二・二六事件、さらには太平洋戦争にまで繋がっていくこと。 こういうことを考えると、《僅か数十年でロシアを破るまでになった》という日本の急激な近代化が本当はどういうものであったのか、よく考えられるべきなんだろうなという風に思う。 いいとか悪いとかではなくて、何がどうなったのか、何を産み出して何を破壊したのか、何を変貌させたのか、そして何が今にまで残っているのか。

Posted by ブクログ

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