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追われゆく坑夫たち 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1988/07/01 |
JAN | 9784004150244 |
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追われゆく坑夫たち
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商品レビュー
4.3
6件のお客様レビュー
原爆症に苦しみながらも、坑夫たちの生活を取材して書いていったエネルギーがすごい。 戦後にこんな世界があったのかと思うくらい、人権もなにもない生活。 そして、同じ坑夫であっても序列があって、お風呂を断られたりするのが切なかった。
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日々の暮らしの中に、辛く悲しくかちこちになって動けなくなった坑夫の暮らしがフラッシュバックするようになった。売血の記述目当てで読んだけど、現在のブラック企業は非人道的な旧時代企業と地続きなことを痛感した。
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先日読んだ『シャギー・ベイン』も閉山した炭鉱町が舞台だった。80年代だったが、その行き場のない鬱屈した感じ、貧困が人の希望を根こそぎ奪うところは、国や時代が変わっても変わらないと感じた。 また、その劣悪な、人道も人権も無視した労働は『ケルト人の夢』のアフリカやアマゾンの原住民の様...
先日読んだ『シャギー・ベイン』も閉山した炭鉱町が舞台だった。80年代だったが、その行き場のない鬱屈した感じ、貧困が人の希望を根こそぎ奪うところは、国や時代が変わっても変わらないと感じた。 また、その劣悪な、人道も人権も無視した労働は『ケルト人の夢』のアフリカやアマゾンの原住民の様子と重なった。 しかし驚くのはこれが戦後高度成長期の日本だったこと。戦前ならまたわからないでもない。戦前戦中に人権なんかなかっただろうと思う。しかし戦後は憲法も変わり、人権意識も芽生えた頃だし、生活も右肩上がりで豊かになった時代。 石炭をあらかた掘り尽くした上、エネルギー原料が石油・天然ガスに変わって行く中、炭鉱労働者達がいかに悲惨な暮らしをしていたかを知ってショックを受けた。 特に採炭率が低く、ガスや水が出たり、地盤が弱かったり、機材が持ち込めないほど狭く低く全てを人力で行わなければならなかった中小の炭鉱労働のひどさは、植民地の原住民や奴隷とどちらがひどいか言えないくらいである。植民地の原住民や奴隷は無理やり連れてこられたが、炭鉱労働者は自らヤマに入る。それしか食べていく道がないからだが、ヤマでヒロポン打たれて一歩も地上に出ないで働いても、自分と家族が食べていけるかというと、いけないのである。しかし逃げ出そうにも監視は厳しく、働けば働くほど借金が嵩むシステムなのである。どうしても休みたくて、決まった時間外に穴から出るとツルハシで殺されることもあったとか、落盤しても助ける手間がかかるから放置とか、それが許されるとは、どういう国家なんだ。 労働法も機能しておらず、労働者は短期間で別のヤマに移る者も多い上、経営者が目を光らせているので、労働組合を作るのも難しい。誰が密告するかもわからないし、組合を作ろうとしていると目されれば即刻クビ。一家全員路頭に迷う。 閉所恐怖症もあり、夜読むと息苦しくなって眠れなくなった。 著者が書き残さなければ、永遠に闇に葬られていたことだったろう。なかったことにされたことだろう。京大出てエリートコースだって歩めたのに、労働者としてともにヤマに入り、彼らの声を書き残すのは、信念がなければできなかったことだと思う。 読むのは辛かったが、高度成長期の影を記録した記録文学の名作だと思う。 そしてまた、上野英信、森崎和江、石牟礼道子らを生んだサークル村の文学者たちの偉業に改めて頭を垂れる思いがする。 サークル村の特徴は、ドキュメンタリーやルポルタージュ、ノンフィクションというより、文学であるという点。この本の文章も著者の思いがつまった文章が胸に迫った。 これは日本の歴史であり、世界で今も同じような劣悪な労働を続けている人々の怨嗟の呟きであり、こういう人々がいるということを忘れてはいけないと強く思う。
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