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小説日本芸譚 新潮文庫
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小説日本芸譚 新潮文庫

松本清張(著者)

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小説日本芸譚 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2008/04/25
JAN 9784101109015

小説日本芸譚

¥220

商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2024/09/15

数々の日本史に残る芸術家に関する短編小説。 何を成し遂げたか、というよりも、人間性に迫っていくところが面白い。 もちろん、具体的なところは、想像でしかないわけだが、それをうまく作り込んでいる。 例えば、一流の芸術家だとしても、世代交代というものに思い悩むことがあるだろうし、素晴...

数々の日本史に残る芸術家に関する短編小説。 何を成し遂げたか、というよりも、人間性に迫っていくところが面白い。 もちろん、具体的なところは、想像でしかないわけだが、それをうまく作り込んでいる。 例えば、一流の芸術家だとしても、世代交代というものに思い悩むことがあるだろうし、素晴らしい芸術家ほど、精神的に脆弱であり、二重人格であるかもしれない。 また、ここで取り上げられる芸術家は、歴史上は、表面的には取り上げられる機会が少ないのかもしれないが、例えば、茶道家などは、政治とも深く関係があったわけで、そのような史実を学ぶ上でも有益なヒントを与えてくれる。 ただ、どうしても短編小説なので、ここから、個々人のことを更に深掘りしていく動きが良いのだと思った。 以下抜粋~ ・秀吉は信長になろうとしているのだ。これまでの秀吉のやり方を観ていると、戦争でも、部下の操縦でも、みんな信長の真似であった。信長の模倣において、利休を捉えているとしか思えなかった。 なるほど、秀吉は数奇者として異常に熱心である。が、それは何か的が外れていた。美への直感というものが無かった。(千利休) ・これだった。今まで概念的な知識でしかなかった宗元画の山水が、この眼で実地に見て具象的に実体を把握したことである。内面の充実がそこにある。 (雪舟) ・そのころ、織部は切支丹にひどく牽かれていた。彼の妹は、高山右近の妻だった。 織部は南蛮器物に施された意匠に驚嘆した。色彩は強烈で明るかった。 (古田綾部) ・利休は、町人の茶に我執して自滅した。おれは茶人と同時に武人だった。すると、おれは武人であったが故に、その側のために自滅したのだな、と彼はぼんやりと思った。 (古田織部) ・政一はもっと多芸であった。建築、造庭、書、生花、和歌といった風である。(小堀遠州) ・利休の茶道は、要するに町人茶道であった。 戦国争乱で京都の貴族が逃亡してきて、この地に茶道がひろまったといわれる。 が、利休の「わび」は町人の芸術であった。前の時代の無常観とはちがう。 禅学的な教養をもつ武士階級の感情には当然に反撥があった。利休の死滅後、三万五千石の大名古田織部によって利休の茶道は変改させられる結果になった。 (小堀遠州) ・なぜ蘇我氏が帰化人に人気があったかというと、仏教信奉の問題にかかる。(止利仏師)

Posted by ブクログ

2023/02/23

「抽象には何かがあるかも知れないが、それを感じ取るまでには時間と忍耐を要する。写実は瞬時の躊躇なく直截に訴える。それが見事な出来であればあるほど、素朴な感嘆を与える。作家の精神が、民衆の距離のない感動に融け合うのだ。もともと信仰の本質は感動ではないか。」(『運慶』より)

Posted by ブクログ

2022/08/20

運慶、雪舟、織部など日本史に残る芸術家の心情を描いていて特に新たな世代や価値観における葛藤は興味深い。 それにしても最後の仏師の話は資料が無いと作家の妄想的私小説みたいになっていて当時の編集者がよくOKしたと思う。内容の理解が足りないのかもしれないけどこの連作で1番楽しみにしてい...

運慶、雪舟、織部など日本史に残る芸術家の心情を描いていて特に新たな世代や価値観における葛藤は興味深い。 それにしても最後の仏師の話は資料が無いと作家の妄想的私小説みたいになっていて当時の編集者がよくOKしたと思う。内容の理解が足りないのかもしれないけどこの連作で1番楽しみにしていたところだったので残念。

Posted by ブクログ

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