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コンゴ・ジャーニー(下)
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2008/04/25 |
JAN | 9784105058524 |
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商品レビュー
4.3
9件のお客様レビュー
コンゴジャーニー 下巻 コンゴ探検記 この本を読んでも 絶対に行きたいとは思わないが 凄い本だった 学術的なフィールドワークの記録。コンゴにおいて、古来から姿を変えず存在する生物だけでなく、アフリカの人々や 現地の人々が信じる呪いも 人類や信仰のルーツとして、観察対象としている...
コンゴジャーニー 下巻 コンゴ探検記 この本を読んでも 絶対に行きたいとは思わないが 凄い本だった 学術的なフィールドワークの記録。コンゴにおいて、古来から姿を変えず存在する生物だけでなく、アフリカの人々や 現地の人々が信じる呪いも 人類や信仰のルーツとして、観察対象としている感じ。 著者が 全財産をかけて、コンゴ探検で得たものは、人類や生命の秘密であり、死の恐怖を理性で乗り越えること(宗教により理性を放棄するのでなく) 違法薬物によるトリップ体験の中での動物サマレとの対話や赤ん坊ゴリラとの会話は 秀逸 著者の到達点 *人類史は 無目的な突然変異の積み重ねの産物であり〜淘汰だけに支配された進化の結果である *淘汰以外は すべて おまけ〜科学も宗教も〜そのおまけを楽しんでほしい *私たちは誰でも昔はアフリカ人〜地球上の誰もがアフリカの出
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イギリスの紀行作家レドモンド・オハンロン氏の著作「コンゴ・ジャーニー」上下を読了。情報量がめちゃくちゃ多い文章であり、翻訳物でもあるので読み通すのがちょっと大変だった。 読み通すのが大変だったと書いたが決して面白いくないということではない。逆に簡単に言うととんでもない旅行記であ...
イギリスの紀行作家レドモンド・オハンロン氏の著作「コンゴ・ジャーニー」上下を読了。情報量がめちゃくちゃ多い文章であり、翻訳物でもあるので読み通すのがちょっと大変だった。 読み通すのが大変だったと書いたが決して面白いくないということではない。逆に簡単に言うととんでもない旅行記であり読んでいて呆れたり驚いたりすることの連続である。 旅の目的からしてコンゴ奥地のテレ湖に幻の恐竜モケレ・ムベンベを探しに行くというもので著者自身も恐竜の存在など頬信じていないものだと思われる。ただピグミー族らの話から特別な生き物がいるのかもというかなり危うい幻想を胸に旅につくのだから大した男というかあきれた男だ。 コンゴはかつてフランス人が最初に足を踏み入れ侵略した場所であり、白人である著者と途中まで同行する友人のアメリカ人に対する現地人の反応は悪意というものではなくただの金蔓としてみなしているところが現実的だ。 紀行文自体も当初は旅に就くまでの入国した際のいざこざなど白人の目で見た賄賂はびこる非効率な国と言った感じで少し見下しているような感じさえ受けるのだが、旅が進むにつれ目的だったはずの恐竜の生き残りや珍しい動物たちとの出会いに心躍らすというよりは、呪術的思考が支配するコンゴの人々とのコミュニケーション、および同行するコンゴの動物学者、彼が雇った同行のサポーターらとの人間関係にかれの興味が移って言っているところが自然に描き出されていて面白かった。 同行した現地人であるマルセランの白人批判、同行したサポーターの一人マヌーのキリスト教、イスラム教の異教に対するアフリカ人の見方もある意味非常に的を得ている(射ているが正しいか?)ように思え興味深かった。 とんでもないところに行って人が見たこともないものを見て旅行記を書こうという意図での旅行のきっかけだと思うが、あまりに過酷な旅だしあまりに危険にあふれ命を落としてもおかしくない旅であるので冒険好きってわからんわという冬山に取りつかれた人のことを理解できないのと同じような気持ちが最後に残ったのた正直な読後感だ。 そんな風呂にも入れず、怪しものを食べ続け、お金や薬なを配りまくり病気にもなりながらも旅を続ける不思議なイギリス人おじさんの物語を読むのに選んだBGMがMiles Davisの”Complete live at the Plugged Nickel"だ。8枚組なのでちょうどよかった。 https://www.youtube.com/watch?v=kJq3j4rA0o0
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途中、目的の湖の側のボア村で、現地人の男が着ている漫画柄のTシャツを見て著者は「88年の日本の恐竜探検隊が御土産として渡したもの」と描写するが、これって高野秀行の「幻獣ンベヌベを追え」のことかとちょっと笑ってしまった。しかし、旅の目的が同じ作品なのに色合いがずいぶん違う。この作品...
途中、目的の湖の側のボア村で、現地人の男が着ている漫画柄のTシャツを見て著者は「88年の日本の恐竜探検隊が御土産として渡したもの」と描写するが、これって高野秀行の「幻獣ンベヌベを追え」のことかとちょっと笑ってしまった。しかし、旅の目的が同じ作品なのに色合いがずいぶん違う。この作品の著者は白人の生物学者で、アフリカに対する苛烈な植民地支配の歴史の負い目と現地人の白人への対応が作品のミソである。高野たちの、極東からきた変な黄色人種に対する現地人の対応とは明らかに異なる。 高野の本と違い現地人の生活があけすけだ。性の話がストレートに出てくる。ある種のフィルターがあったのだなと。また著者は西洋文化への対比に現地の普通の生活や考え方を持ってきているのでそういう意図のない高野の本とは調子が違う。 コーディネーターのマルセランが面白い。有能で学もあり怪物的で複雑な性格をしている。植民地支配についてなど知識が豊富でありこの巻で著者に激怒して白人への呪詛をぶちまけている。 西洋文明と異質な精神世界がありそれに支配され利用する現地社会。現実に邪術師が商売になり呪い呪われが当たり前の世界。現地のものとは生ぬるい友情のようなものは存在せず断絶しかない。終わりごろにああと思わされる指摘がある。 著者は全財産をもって旅行に来ていた。白人は植民地支配の恨みを背負った対象でしか無く現地人には珍しくもなんともない動植物を探検しに来る学術調査団はただの金づるでしかない。 西洋社会への相対化の試みがテーマの一つだ。ただしどっちが優れているかというわけでもない。 正直すらすら読める本ではないが濃密な読書が味わえる。面白い箇所が多いのに雑然としすぎてる。詰め込みすぎの気がする。まあ意図があるのだろうが。
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