もしも宇宙を旅したら 地球に無事帰還するための手引き

ニール・F.カミンズ【著】, 三宅真砂子【訳】

• 販売会社／発売会社: ソフトバンククリエイティブ
• 発売年月日: 2008/04/28
• JAN: 9784797340426

商品レビュー

2018/01/15

軽い気持ちで、「宇宙に行けるものなら、行ってみたいなぁ。」と思っていたんですが、この本を読んで、「宇宙って、覚悟を決めていかないとダメなところなんだな」と認識を新たにしました。それほど、宇宙はまだまだ特別な存在なんですね。

この本が掛かれたのは、2008年で、巻末に「宇宙飛行士の選抜が行われる」と書いてありますが、当該の宇宙飛行士選抜試験で選ばれた宇宙飛行士の一人である、金井宣茂宇宙飛行士が、今まさに国際宇宙ステーションに行っていますね。彼も、この本に書かれている様な事を経験しているのでしょうか？

2017/03/30

アメリカの宇宙物理学者が書いた宇宙旅行に関する化学的な考察を纏めた本。
「もしもピアノが弾けたなら」ばりに叙情的で素敵なタイトルなのですが、実は原題を直訳すると「宇宙旅行での危険：旅人のためのガイド」であって、中身はネガティブな気持ちになるリスク要素がたっぷりと並んでいます。。
我々が宇宙旅行に行くと、放射線に被曝し、到着先では嵐や地震や大気やらの危険があり、帰還後に骨粗鬆症になるリスクが高まり、腰痛に悩み、人間関係が悪化し、メンタルヘルスをやられ、閉所恐怖症になり…。
つまり、「宇宙なんて行くモンじゃないな」と思わされる本でもあります。

しかし、これだけ実際的なリスクが洗い出されているのであれば、対策の立てようもあるというもの。それだけに、今後の宇宙旅行に向けては希望があるんじゃないかな、と何となく感じました（無責任！）。

本の構成は、架空の人物の宇宙旅行のエピソードと、それにまつわる解説がテーマ毎に連なっていくもの。テーマは「放射線の危険」や「医学的な危険」等のカテゴリでくくられており、体系的なのですが、それゆえちょっと退屈になってしまう印象もありました。

「外部と隔絶した旅では行程の3/4にあたる時期に、参加者の多くが意欲の減退を経験する。『3/4期現象』と呼ばれるもんで、旅行の長さには関係なく起きる。」というくだりは、自分の今までの旅でもあったと言えばあったような。。

2015/10/28

宇宙物理学者である筆者が、その知識を使って、宇宙旅行が普及している架空の未来において、宇宙旅行に伴う様々な注意事項や危険を取り上げ、その回避方法、対処方法などについて解説している。
スペースデブリなど、今や一般にもよく知られるようになった脅威から、異星の火山活動、長い微小重力下（無重力ではない）における生活に起因する体力、筋力、骨の強度の減退や、心的なストレス等々に至るものまであらゆるものを取り上げて解説している。
なかなか視点の置き方が面白く、飽きずに読める。