被害者を捜せ！ 創元推理文庫

パット・マガー(著者), 中野圭二(訳者)

• 販売会社／発売会社: 東京創元社
• 発売年月日: 1984/02/01
• JAN: 9784488164027

商品レビュー

2010/05/28

戦地で故郷の新聞を読…

[文庫ＯＦＦ]

戦地で故郷の新聞を読んでいた男が自分の上司が殺人を犯したことを知る。しかし新聞が破れていたために被害者が誰かわからない。戦友とともに誰が被害者なのか推理する物語。

2025/08/22

破れた新聞紙に載っていた殺人事件。〈家事改善協会〉なる団体の総代表が絞殺したのは、同役員の…名前は破れてて分からない。この設定に先ずはびっくり。
そして、その記事を手にした、戦時中なのに暇なアリューシャン列島の海兵隊員の一人、ピート・ロビンズの元勤め先だというので、彼がこの協会に勤務する間に見聞きした、犯人のステットソン総代表と、被害者の可能性のある役員たち、協会で起こったあれこれを語ることになりました。真面目で飾り気も受け狙いもない語り口で、次々と明らかになる、役員たちの物欲、我欲、名誉欲、とにかく全員欲望が服着て歩いてる状態。〈家事改善協会〉なんて女性にやさしいイメージをアピールしているけれど、その実態のえげつなさに呆気に取られつつ、「だめだ、こりゃ｣としか言えず、可笑しくさえなってきます。
さて、ピートの話を聴いて、被害者当ての賭け（一口10ドル）に興じる暇な海兵隊ですが、ある一人の隊員が、話の内容と破れた記事の読める部分に目を付けて、推理でズバリ当てたのはお見事！　ノン・シリーズには勿体ないほどの安楽椅子探偵ぶりでした。
それにしても、この話の設定が1944年と知ると、何ともやりきれない思いにとらわれてしまいますね…。

2018/12/27

ボスが部下を殺してしまった！
が、新聞の切れ端記事だから、それが誰だかわからない。過去の出来事を語る中で、誰が被害者か推理する物語。
人物描写がややわかりにくく、７人のおばのほうが物語に入り込める。