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ながいながいペンギンの話 岩波少年文庫003
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1979/07/06 |
JAN | 9784001140033 |
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ながいながいペンギンの話
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商品レビュー
4.3
9件のお客様レビュー
最初の雪嵐の中、じっと腹這いになって卵を温める、おとうさんペンギンに対して、「しっかりして」と卵の中から励ます、子どもたちの場面から、そのほのぼのとした優しい雰囲気に引き込まれて、本書を書いている、いぬいとみこさんに好感を持つ。 南極を舞台に、そうした経緯で誕生した、二羽の...
最初の雪嵐の中、じっと腹這いになって卵を温める、おとうさんペンギンに対して、「しっかりして」と卵の中から励ます、子どもたちの場面から、そのほのぼのとした優しい雰囲気に引き込まれて、本書を書いている、いぬいとみこさんに好感を持つ。 南極を舞台に、そうした経緯で誕生した、二羽のアデリーペンギンの男の子、「ルル」と「キキ」は、冒険心溢れた前向きすぎるお兄ちゃんと、ちょっと引っ込み思案な弟といった間柄も微笑ましい二羽の、ひよっこから大人のペンギンへと成長を遂げていく過程を、親しみやすさに満ちた筆致で瑞々しく描いており、そのあまりの読みやすさに、まるで人間の物語とも感じられたくらい、特に男の子を持つお母さんには、共感させられる点も多いのではないかと思われた、それは改めて抱かせた、子どもへの愛おしさであった。 そんな思いは、幼い頃から、いてもたってもいられずに、つい自分で行動してしまい家からいなくなったルルを、心配して探し回る両親の姿や、親にすれば、まだ早いと思ってしまう、ちょっと危ないこともやりたがる年頃の、ルルとキキに対する、お母さんの胸の内であったりとか、そんな私が子どもの頃には感じることが出来なかった、子どもに対するかけがえのない大切な思いを抱いているからこそ、そんな行動をしてしまう親の気持ちを、やっと理解出来た感じというか、そうした雰囲気を、たとえ文章ではっきりと書いていなくても感じ取ることが出来た、その感じが、私には印象的だった。 また、それに対するルルとキキの、時に反抗して、時に恋しくなって、時に一生懸命考えてと、子どもならではのキラキラした行動は、思わぬ形で訪れた冒険の面白さとも上手く繋がっており、そこでのシロナガスクジラの子ども「ガイ」や、年寄りの皇帝ペンギン「トト」との出会い、ペンギンにとっての天敵と向き合わねばならぬ自然界の厳しさに加えて、人間も登場することには、私も考えさせられた点があり、本書では、その中にも良い人と悪い人がいるという、人間という枠で判断するのではなく、人間の中にあるもので判断することの大切さも教えてくれていて、それについて、直向きに考えるルルには感情移入させられるものがあり、改めて、人もペンギンも目には見えないけれど、心動かされる、同じような感覚を抱いてるのかもと気付かされて、また、それを素朴なタッチで描いた、大友康夫さんの絵にも同様の思いがした、親子愛とともに、様々な出会いを通した心の成長も併せて描いた、今読んでも全く違和感の無い、普遍的作品だと思う。 タイトルの、『ながいながいペンギンの話』は、いぬいさんが子どもだった頃、中野好夫訳の、カレル・チャペック作『ながいながい郵便屋さんの話』を、父か小学校の先生に読んでもらい、おはなしの世界の楽しさを知った事が由来と思われるが、実際に、この作品も本らしい本になるまでに長い長い時間がかかったそうで、それでも、そこに込められていた、戦後の子どもの文化の乏しい時代に於いて、ルルとキキの前向きな楽しい成長ぶりに、当時の子どもたちの夢と希望を明るく乗せていた印象を、いぬいさんのあとがきから感じさせられて、そんな夢や希望が更には、1958年に観測船「宗谷」に乗って南極へ行き、そこから、いぬいさんの元に届いた、『ペンギン代表ルルとキキ』と書かれた差出人からの絵はがきへと変わる、まさに夢が夢を与えてくれたエピソードには、それだけ物語には力があるんだということを私に教えてくれたことも、今の世界に於いて、大きな夢や希望になり得るようで、それが何よりも励みとなり嬉しかった。
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これは凄い作品だ。と読みながらずっと思ってた。 ストーリーラインの因果と起伏、この三幕構成の入れ子構造、構造自体の格子の堅牢さに鳥肌が立った。 骨組みが素晴らしいからこそ物語も読みやすいしスッと入ってくる。 あと絵もかわいい
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1957年に他社出版社から初版が出た児童書。 当時の日本の児童文学(童心主義や、逆に感傷・芸術的であったり謎解き要素など)の主流から脱した、シンプルかつ単純で、”少し長い面白いお話”...。→こういう作品を作るのは簡単なようで難しいと思う。今読んでも楽しめるこのシンプルさに脱帽...
1957年に他社出版社から初版が出た児童書。 当時の日本の児童文学(童心主義や、逆に感傷・芸術的であったり謎解き要素など)の主流から脱した、シンプルかつ単純で、”少し長い面白いお話”...。→こういう作品を作るのは簡単なようで難しいと思う。今読んでも楽しめるこのシンプルさに脱帽。 可愛らしく、自然の中で成長するペンギンの冒険物語に、作者のいぬいとみこさんが外国作品に影響を受けながらも小さい日本の読者が何を求めているのかを模索した深い愛情を感じられる。
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