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詩集 死者の贈り物
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2003/10/25 |
JAN | 9784622070672 |
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詩集 死者の贈り物
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商品レビュー
4.6
7件のお客様レビュー
長田弘さんの詩集ですね。 ドキリとする題名ですね。 「『死者の贈り物』は、いずれも、親しかったものの記憶にささげる詩として書かれた。」と、あとがきに記されています。 「イツカ、向コウデ」 人生は長いと、ずっと思っていた。 間違っていた。おどろくほど短かった...
長田弘さんの詩集ですね。 ドキリとする題名ですね。 「『死者の贈り物』は、いずれも、親しかったものの記憶にささげる詩として書かれた。」と、あとがきに記されています。 「イツカ、向コウデ」 人生は長いと、ずっと思っていた。 間違っていた。おどろくほど短かった。 きみは、そのことに気づいていたか? なせばなると、ずっと思っていた。 間違っていた。なしとげたものなんかない。 きみは、そのことに気づいていたか? わかってくれるはずと、思っていた。 間違っていた。誰も何もわかってくれない。 きみは、そのことに気づいていたか? ほんとうは、新しい定義が必要だったのだ。 生きること、楽しむこと、そして歳をとることの。 きみは、そのことに気づいていたか? まっすぐに生きるべきだと、思っていた。 間違っていた。ひとは曲がった木のように生きる。 きみは、そのことに気づいていたか? サヨナラ、友ヨ、イツカ、向コウデ会オウ。 「その人のように」 川があった。 ことばの川だ。 その水を汲んで、 その人は顔をあらった。 草があった。 ことばの草だ。 その草を刈って、 その人は干し草をつくった。 この世界は、 ことばでできている。 そのことばは、 優愁でできている。 希望をたやすく語らない。 それがその人の希望の持ち方だ。 木があった。 ことばの木だ。 その木の影のなかに、 その人は静かに立っていた。 「アメイジング・ツリー」 おおきな樹があった。樹は、 雨の子どもだ。父は日光だった。 樹は、葉をつけ、花をつけ、実をつけた。 樹上には空が、樹下には静かな影があった。 樹は、話すことができた。話せるのは 沈黙のことばだ。そのことばは、 太い幹と、春秋でできていて、 無数の越田と、星霜でできていた。 樹はどこへもゆかない。どんな時代も そこにいる。そこに樹があれば、そこに 水があり、笑い声と、あたたかな闇がある。 突風が走ってきて、去っていった。 夕日が樹に、矢のように突き刺さった。 鳥たちがかえってくると、夜が深くなった。 そして朝、一日が永遠のようにはじまるのだ。 象と水牛がやってきて、去っていった。 悲しい人たちがやってきて、去っていった。 この世で、人はほんの短い時間を、 土の上で過ごすだけにすぎない。 仕事して、愛して、眠って、 ひょいと、ある日、姿を消すのだ、 人は、おおきな樹のなかに。 「碑銘を記し、死者を悼むことは、ふるくから世界のどこかでだろうと、詩人の仕事の一つだった。」 人生を語る時に、死を認識して語るのは、最良の仕事とも、言われます。 静かに、語りかけるように、大自然の生業を詩情豊かにもたらしてくれる詩集ですね。
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生と死は、いつでも背中合わせ。 年齢を重ねるほどに、ひしひしと感じる。 生きている間に、生きていないとできないことを、 ただ、一生懸命やることしかない。 いい本を読むことも、その一つ。 心に残ったフレーズは、 「この世で、人はほんの短い時間を 土の上で過ごすだけにすぎない...
生と死は、いつでも背中合わせ。 年齢を重ねるほどに、ひしひしと感じる。 生きている間に、生きていないとできないことを、 ただ、一生懸命やることしかない。 いい本を読むことも、その一つ。 心に残ったフレーズは、 「この世で、人はほんの短い時間を 土の上で過ごすだけにすぎない。」 「つかの間に人生は過ぎ去るが、言葉はとどまる、 人の心のいちばん奥の本棚に。」
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「こんな静かな夜」という作品がよかった。 生死について考えさせられた。 「死ぬとはもうここにはいないということ」 言い換えれば、 「生きるとはここにいるということ」 「ここ」とはなんだろう。 それは「今」 「今」とはなんだろう 「過去でも未来でもない」 … 考えがまとまらな...
「こんな静かな夜」という作品がよかった。 生死について考えさせられた。 「死ぬとはもうここにはいないということ」 言い換えれば、 「生きるとはここにいるということ」 「ここ」とはなんだろう。 それは「今」 「今」とはなんだろう 「過去でも未来でもない」 … 考えがまとまらない。 この詩を読んだ時、まどみちおの「リンゴ」という作品が頭に浮かんだ。 この作品が「ここにいる」ことについての本質を語っていると思う。 異なるそれぞれの詩をつなぎあわせて考えるのも面白い。
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