1,800円以上の注文で送料無料

詩集 死者の贈り物
  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

詩集 死者の贈り物

長田弘(著者)

追加する に追加する

詩集 死者の贈り物

定価 ¥1,980

1,375 定価より605円(30%)おトク

獲得ポイント12P

残り1点 ご注文はお早めに

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 2003/10/25
JAN 9784622070672

詩集 死者の贈り物

¥1,375

残り1点
ご注文はお早めに

カートに追加するカートにいれる

商品レビュー

4.6

7件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/11/10

長田弘さんの詩集ですね。  ドキリとする題名ですね。  「『死者の贈り物』は、いずれも、親しかったものの記憶にささげる詩として書かれた。」と、あとがきに記されています。        「イツカ、向コウデ」  人生は長いと、ずっと思っていた。  間違っていた。おどろくほど短かった...

長田弘さんの詩集ですね。  ドキリとする題名ですね。  「『死者の贈り物』は、いずれも、親しかったものの記憶にささげる詩として書かれた。」と、あとがきに記されています。        「イツカ、向コウデ」  人生は長いと、ずっと思っていた。  間違っていた。おどろくほど短かった。  きみは、そのことに気づいていたか?  なせばなると、ずっと思っていた。  間違っていた。なしとげたものなんかない。  きみは、そのことに気づいていたか?  わかってくれるはずと、思っていた。  間違っていた。誰も何もわかってくれない。  きみは、そのことに気づいていたか?  ほんとうは、新しい定義が必要だったのだ。  生きること、楽しむこと、そして歳をとることの。  きみは、そのことに気づいていたか?  まっすぐに生きるべきだと、思っていた。  間違っていた。ひとは曲がった木のように生きる。  きみは、そのことに気づいていたか?  サヨナラ、友ヨ、イツカ、向コウデ会オウ。      「その人のように」  川があった。  ことばの川だ。  その水を汲んで、  その人は顔をあらった。  草があった。  ことばの草だ。  その草を刈って、  その人は干し草をつくった。  この世界は、  ことばでできている。  そのことばは、  優愁でできている。  希望をたやすく語らない。  それがその人の希望の持ち方だ。  木があった。  ことばの木だ。  その木の影のなかに、  その人は静かに立っていた。     「アメイジング・ツリー」  おおきな樹があった。樹は、  雨の子どもだ。父は日光だった。  樹は、葉をつけ、花をつけ、実をつけた。  樹上には空が、樹下には静かな影があった。  樹は、話すことができた。話せるのは  沈黙のことばだ。そのことばは、  太い幹と、春秋でできていて、  無数の越田と、星霜でできていた。  樹はどこへもゆかない。どんな時代も  そこにいる。そこに樹があれば、そこに  水があり、笑い声と、あたたかな闇がある。  突風が走ってきて、去っていった。  夕日が樹に、矢のように突き刺さった。  鳥たちがかえってくると、夜が深くなった。  そして朝、一日が永遠のようにはじまるのだ。  象と水牛がやってきて、去っていった。  悲しい人たちがやってきて、去っていった。  この世で、人はほんの短い時間を、  土の上で過ごすだけにすぎない。  仕事して、愛して、眠って、  ひょいと、ある日、姿を消すのだ、  人は、おおきな樹のなかに。  「碑銘を記し、死者を悼むことは、ふるくから世界のどこかでだろうと、詩人の仕事の一つだった。」  人生を語る時に、死を認識して語るのは、最良の仕事とも、言われます。  静かに、語りかけるように、大自然の生業を詩情豊かにもたらしてくれる詩集ですね。

Posted by ブクログ

2024/03/21

生と死は、いつでも背中合わせ。 年齢を重ねるほどに、ひしひしと感じる。 生きている間に、生きていないとできないことを、 ただ、一生懸命やることしかない。 いい本を読むことも、その一つ。 心に残ったフレーズは、 「この世で、人はほんの短い時間を 土の上で過ごすだけにすぎない...

生と死は、いつでも背中合わせ。 年齢を重ねるほどに、ひしひしと感じる。 生きている間に、生きていないとできないことを、 ただ、一生懸命やることしかない。 いい本を読むことも、その一つ。 心に残ったフレーズは、 「この世で、人はほんの短い時間を 土の上で過ごすだけにすぎない。」 「つかの間に人生は過ぎ去るが、言葉はとどまる、 人の心のいちばん奥の本棚に。」

Posted by ブクログ

2023/05/21

「こんな静かな夜」という作品がよかった。 生死について考えさせられた。 「死ぬとはもうここにはいないということ」 言い換えれば、 「生きるとはここにいるということ」 「ここ」とはなんだろう。 それは「今」 「今」とはなんだろう 「過去でも未来でもない」 … 考えがまとまらな...

「こんな静かな夜」という作品がよかった。 生死について考えさせられた。 「死ぬとはもうここにはいないということ」 言い換えれば、 「生きるとはここにいるということ」 「ここ」とはなんだろう。 それは「今」 「今」とはなんだろう 「過去でも未来でもない」 … 考えがまとまらない。 この詩を読んだ時、まどみちおの「リンゴ」という作品が頭に浮かんだ。 この作品が「ここにいる」ことについての本質を語っていると思う。 異なるそれぞれの詩をつなぎあわせて考えるのも面白い。

Posted by ブクログ

関連ワードから探す

関連商品

最近チェックした商品