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謎のコメが日本を狙う
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謎のコメが日本を狙う

栗原真(著者), 上田洋一(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本放送出版協会
発売年月日 1984/01/01
JAN 9784140083451

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2021/04/29

1982年 アメリカの種子会社のリングアラウンド社が、ハイブリッド米を日本に売り込みに来た。 4つの品種を持ち込んできた。国の植物防疫隔離温室で試作されたイネは、日本のイネは、1つの穂につくモミの数が130粒ほどだったのだが、200から230粒ついていた。確かに多収米だった。 著...

1982年 アメリカの種子会社のリングアラウンド社が、ハイブリッド米を日本に売り込みに来た。 4つの品種を持ち込んできた。国の植物防疫隔離温室で試作されたイネは、日本のイネは、1つの穂につくモミの数が130粒ほどだったのだが、200から230粒ついていた。確かに多収米だった。 著者は、リングアラウンド社に取材を始める。「一粒の種子が世界をかえる」という。 1970年代から日本はコメの過剰生産によって、減反政策が取られていた。農水省はリングアラウンド社の多収のハイブリッド米を拒絶する。ただえさえ、コメは過剰なのだ。しかし、ハイブリッド米が世界に普及すれば、日本のコメは、世界のコメの価格から見ても、2〜3倍していた。ハイブリッド米が普及すれば、さらにコメの価格は下がることになる。農水省と全農は慌てた。 その頃、世界の農業は、ハイブリッドトウモロコシ、ハイブリッドソルガム、ハイブリッド綿などがシェアーを広げていた。雑種強勢となり、種子は常に種子屋から買う必要が生まれる。よって、世界が制覇できるのだ。種子を制するもの世界を制すると言われた。 著者はアメリカのアラバマ州にあるリングアラウンド社に行き、インタビューする。ハイブリッド綿とハイブリッド大豆を扱っている100億円ほどの小さな会社だった。親会社は、オクシデンタル石油であり、オーナーはドクターハマーだった。ドクターハマーは、ロシアで仕事をして、レーニンの信頼があつい伝説の男だった。 そして、1979年に、アメリカと中国が国交を回復した。ドクターハマーは、鄧小平に接近し、中国の石炭やスズの利権を確保した。その時に、中国で開発しているハイブリッド米を知り、オクシデンタル石油の子会社であるリングアラウンド社が、アメリカや日本をはじめとしたアジアの販売権利の契約をしたのだった。つまり、ハイブリッド米は、アメリカで開発したわけではなく、中国で開発されたイネをアメリカに持ち込み、さらに育種したものだった。 著者は、ドクターハマーに会えなかったが、ドクターハマーが中国で鄧小平との交渉や、ハイブリッド米の映像が保存されていた。中国の技術開発は、多くは眉唾のものとされたが、ハイブリッド米は実際多収米だった。ドクターハマーは、それで世界を制覇できると考えたのだ。その過程で、アメリカの巨大穀物商社カーギル社も、ハイブリッド米の権利を取り、ヨーロッパなどに普及することになっていた。一体ハイブリッド米とは何か?ということをCIAがレポートを詳しくしていた。食糧は安全保障としても重要なのだ。 著者は、リングアラウンド社の副社長の奥さんの手料理で、最初のハイブリッド米を食べることになる。それは、パサパサしていた。つまり、ハイブリッド米はインディカ米だった。ジャポニカ米はまだハイブリッド米は少ししかできていなかった。 著者は、中国のハイブリッド米の現状を調べ、袁隆平たちのコメ育種の歴史を知る。それは、急速に中国においても、ハイブリッド米が広がっていった。そして、その陰にあったのが、琉球大学の新城長有だった。つまり、沖縄でハイブリッド米の基礎理論が構築されていたのだ。しかし、その理論は、減反政策に歩む日本の農水省からは無視されていたのだ。ところが、中国は注目し、日本の国交回復の時に、新城長有の開発した雄性不稔のイネの種子を中国はもらったのだった。 日本から、中国へ、そしてアメリカへ。リングアラウンド社のハイブリッド米が、新城長有に渡され、話は一つの物語として、完結するのだ。実に、謎解き的なハイブリッド米の歴史。それは、丁度40年前の出来事だった。そして、ハイブリッド米は一体現在どうなっているのだろうか。  袁隆平については中国で高く評価されているのに、新城長有についてはほとんど知られていないのは、日本のコメ行政の米価の維持と減反政策に大きく関わるからだと思う。そりゃ。おかしい話だ。

Posted by ブクログ

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