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短篇集 たましいの生まれかた
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1998/05/28 |
JAN | 9784000012867 |
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短篇集 たましいの生まれかた
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八本からなる短編集。 どの短編も一筋縄ではいかない、実験精神に富んだ作風になっている。 実験的、とはいっても決して読み辛いものではなく、しっかりと娯楽作品に昇華されていると思う。 ただ、作品が意図している内容をきちんと理解したか、と問われると、はなはだ心もとない。 ...
八本からなる短編集。 どの短編も一筋縄ではいかない、実験精神に富んだ作風になっている。 実験的、とはいっても決して読み辛いものではなく、しっかりと娯楽作品に昇華されていると思う。 ただ、作品が意図している内容をきちんと理解したか、と問われると、はなはだ心もとない。 つまり実験的であり、娯楽作品であり、なおかつ奥が深い作品になっているのだ。 読んですぐに思い浮かべるのは「筒井康隆の作風に似ているなぁ」ということ。 作者自身による後書きにも、筒井氏による「薬菜飯店」に対する記述が出てくるので、多少なりとも影響は受けているように思われる。 その筒井氏の作風からスラップスティック的な要素を少し差し引いて、哲学的な要素をまぶした、といった感じだろうか。 ちなみに作者は作家であると同時に、美学者でもあり、また哲学者でもあるとのこと。 どの短編も面白いのだが、特に「パロール九段」における実験的手法と、「再生倫理学」における哲学的展開がスリリングで面白かった。 「パロール九段」なんかは「おお! そういう手法があったのか!」と正直びっくりしてしまうような内容。 そして「再生倫理学」(ものすごく怖い話です、これ)は、屁理屈の応酬のように見えるんだけど、実際に論破しようとすると、絶対に論破出来ない理論が展開されている……まぁ、僕の頭が悪いだけかも知れないけど。 作品と作品の間に、「たましい」に関するアフォリズムが挿入されているんだけれども、それらも含めて非常に面白く読める作品だった。
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