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夢奇譚 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 1999/07/08 |
JAN | 9784167527570 |
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夢奇譚
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夢奇譚
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商品レビュー
3.2
11件のお客様レビュー
妻と夫が遭遇した出来…
妻と夫が遭遇した出来事は、夢か現か幻か、妄想なのか願望なのか。映画「アイズ ワイド シャット」の元ネタ。幻想譚かと思いきや、意外に前向きなストーリーです。
文庫OFF
「見ることの言葉にはつくせない愉楽が、欲望の耐えがたいほどの苦痛に変わっていく。」p74 読みやすかった、男の脆さ。
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現実の状況からは、現実に逃げ出すことができる。 しかし、想像力によって作り出された状況から 退却することはできないのだ。 ――マルセル・コスカ「ロビンソン物語」 (スタニスワフ・レム『完全な真空』 p.39-40) * * * * * 19世紀ウィーンのブル...
現実の状況からは、現実に逃げ出すことができる。 しかし、想像力によって作り出された状況から 退却することはできないのだ。 ――マルセル・コスカ「ロビンソン物語」 (スタニスワフ・レム『完全な真空』 p.39-40) * * * * * 19世紀ウィーンのブルジョワの倦怠。 35歳の医師フリードリーンは妻子と共に幸福に暮らしていた。 夫婦は仮面舞踏会に参加した翌日、それについて話すうち、 昨夏の旅行中に起きた、相手の知らない出来事を明かすことに。 アヴァンチュール未遂のような各自の一件に、 互いに軽い嫉妬を催したが……。 以前、岩波文庫『夢小説・闇への逃走 他一篇』を読んだが、 メモを取らずにダーッと読み流してしまい、 収録三編のイメージが入り混じって、 モヤモヤした印象だけが残っていたので、 改めて別の版(絶版につき古書)を購入、読了。 今般は主人公の不安や不満、欲望が 手に取るように伝わってきた。 夫の多少の浮気は許されるはずだし、妻は許すべきであり、 逆に妻の不貞は、たとえ夢の中であっても(!) 決して許されるものではない――という、 一方的で傲慢な男の論理を、 悪夢と現実が溶融するかのような妖しい夜の街が包み込み、 打ち砕く様は、 女の読者からすると「ざまあ(笑)」といったところ。 しかも、この妻は夫より年下で、 若くして主婦になったため、社会経験が乏しいにもかかわらず、 なかなか賢くしたたかで、 夢破れた夫の帰還を静かに受け入れる姿が痛快。 奇妙な仮装パーティも含めて、 フリードリーンを幻惑した一切合切が 何者かによる壮大なドッキリ=プラクティカルジョーク だったのではないかという気もしてくる。 だとしたら、主犯は妻アルベルティーネか、 あるいは、期待を裏切られて悶絶するという 倒錯した悦びを味わいたかったフリードリーン自身の 自作自演だったのか、それとも彼は二重人格? ……そんなことはないか、いや、わからない、 本当のところは、誰にも知る術はない。 余談だが、可愛い幼い娘が一人いると言いながら、 その子供についてほとんど語られないところに、 主人公の性格の冷たさが表れてはいないだろうか?
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