夢奇譚 の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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妻と夫が遭遇した出来…

妻と夫が遭遇した出来事は、夢か現か幻か、妄想なのか願望なのか。映画「アイズ ワイド シャット」の元ネタ。幻想譚かと思いきや、意外に前向きなストーリーです。

文庫OFF

2023/04/04

「見ることの言葉にはつくせない愉楽が、欲望の耐えがたいほどの苦痛に変わっていく。」p74 読みやすかった、男の脆さ。

Posted byブクログ

2020/03/30

 現実の状況からは、現実に逃げ出すことができる。  しかし、想像力によって作り出された状況から  退却することはできないのだ。    ――マルセル・コスカ「ロビンソン物語」   (スタニスワフ・レム『完全な真空』 p.39-40)  * * * * * 19世紀ウィーンのブル...

 現実の状況からは、現実に逃げ出すことができる。  しかし、想像力によって作り出された状況から  退却することはできないのだ。    ――マルセル・コスカ「ロビンソン物語」   (スタニスワフ・レム『完全な真空』 p.39-40)  * * * * * 19世紀ウィーンのブルジョワの倦怠。 35歳の医師フリードリーンは妻子と共に幸福に暮らしていた。 夫婦は仮面舞踏会に参加した翌日、それについて話すうち、 昨夏の旅行中に起きた、相手の知らない出来事を明かすことに。 アヴァンチュール未遂のような各自の一件に、 互いに軽い嫉妬を催したが……。 以前、岩波文庫『夢小説・闇への逃走 他一篇』を読んだが、 メモを取らずにダーッと読み流してしまい、 収録三編のイメージが入り混じって、 モヤモヤした印象だけが残っていたので、 改めて別の版(絶版につき古書)を購入、読了。 今般は主人公の不安や不満、欲望が 手に取るように伝わってきた。 夫の多少の浮気は許されるはずだし、妻は許すべきであり、 逆に妻の不貞は、たとえ夢の中であっても(!) 決して許されるものではない――という、 一方的で傲慢な男の論理を、 悪夢と現実が溶融するかのような妖しい夜の街が包み込み、 打ち砕く様は、 女の読者からすると「ざまあ(笑)」といったところ。 しかも、この妻は夫より年下で、 若くして主婦になったため、社会経験が乏しいにもかかわらず、 なかなか賢くしたたかで、 夢破れた夫の帰還を静かに受け入れる姿が痛快。 奇妙な仮装パーティも含めて、 フリードリーンを幻惑した一切合切が 何者かによる壮大なドッキリ=プラクティカルジョーク だったのではないかという気もしてくる。 だとしたら、主犯は妻アルベルティーネか、 あるいは、期待を裏切られて悶絶するという 倒錯した悦びを味わいたかったフリードリーン自身の 自作自演だったのか、それとも彼は二重人格? ……そんなことはないか、いや、わからない、 本当のところは、誰にも知る術はない。 余談だが、可愛い幼い娘が一人いると言いながら、 その子供についてほとんど語られないところに、 主人公の性格の冷たさが表れてはいないだろうか?

Posted byブクログ

2017/03/22

夢と現実が同じ価値を持つ部分がこの小説のなかにあるとすれば、それは表現が持つ強みだったりするのかも。作品の中の暗さも、軽さを持つ適度なもので、翻訳や字面のバランスとも関係して、読みやすい小説になっている点も好き。

Posted byブクログ

2015/02/16

えっアイズワイドシャットの原作なん? そうなん? 皆さんのレビューを見て、さっき知った。 それはさておき、 なかなかおもしろかったよ。翻訳物は苦手やけど、こんくらいなら、イケる。

Posted byブクログ

2015/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

養老先生の身体巡礼の中にウィーンやらプラハやらが出てきたので、ツヴァイクさん、カフカさん、シュニッツラーさんを読んでいる。 このお話しは、19世紀末のウィーンを舞台に、倦怠期の夫婦がよりを戻すという内容である。こう書くと味も素っ気もないが、夢のような現実と夢と現実とが不思議なブレンドで織り混ざって妖しい雰囲気を醸し出していてなかなか味わい深い。カトリーヌ・ドヌーヴの昼顔に出てきたみたいに馬車は、なんともこの手のお話しにつきづきしい。やはり、盛り上がる。 それにしても、浮気しそうになったことをカミさんに泣いて話してしまうなどとは主人公の勇気はドン・キホーテ並みにたいしたものである。わたしには決してできないだろう。しかも、その結果が「ホントかよ?」というようなハッピーエンドなのだから、もしかしたら、これは作者の願望に過ぎないなのかもしれない。おそらく現実はこんなにうまく事は運ばないだろう。 資本主義経済の発展によって豊かになった100年後の日本では、19世紀末の上流階級の退廃的な精神構造がごく普通のサラリーマンや主婦にもインストールされようになっているのじゃないかというのがわたしの勝手な観察なので、この作品に描かれている表層の幸せと心の奥底に蠢く得体のしれない破滅をも呼びこむ欲望とは、今やありふれたものになっているのかもしれない。人生は冒険ですな。 Mahalo

Posted byブクログ

2014/12/11

シュニッツラーらしい、そして19世紀末らしい幻想的心理小説。筋は若い医師夫婦のお互いのよろめきドラマ。結末が少々情けない。

Posted byブクログ

2014/03/19

ままならない心理に翻弄される主人公。あらゆる猜疑を受けて、境界を逸する夢と現実。その混沌の中でもがきまわる息苦しさは、まるで水に溺れたかのような恐慌を連想させる。

Posted byブクログ

2012/12/11

 ある舞踏会に足を運んだ夫婦が、それぞれモーションをかけられつつも小ばかにされたのでぷりぷり怒って、後日その話をしていくうちに(良心の呵責に耐えかねてか)過去に起こしたほかの相手への芽生えかけた恋愛感情を吐露する夫婦の噺。  相手が未だに不貞を働いているのか働いていないのか、いま...

 ある舞踏会に足を運んだ夫婦が、それぞれモーションをかけられつつも小ばかにされたのでぷりぷり怒って、後日その話をしていくうちに(良心の呵責に耐えかねてか)過去に起こしたほかの相手への芽生えかけた恋愛感情を吐露する夫婦の噺。  相手が未だに不貞を働いているのか働いていないのか、いまここに在ることは本当なのか、或る意味夏目漱石の『夢十夜』を彷彿とさせます。  薄くて内容も淡々と進んでいくのでサラッと読めると思います。

Posted byブクログ

2010/10/14

アイズ・ワイド・シャットの原作なんですね。知らなかった。そしてアイズ・ワイド・シャットは見てない。 しかし妻の夢から不貞を発見する部分、唐突すぎ、鋭すぎじゃないですか!?私だったら全然分かんないよ。フロイト先生くらいだよ、そんなん分かるの。 10.10.13

Posted byブクログ