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喪失の響き
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 早川書房 |
| 発売年月日 | 2008/03/25 |
| JAN | 9784152089052 |
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喪失の響き
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商品レビュー
3.7
8件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2006年の英国ブッカー賞受賞作品。一言でいうと、どんより暗くなる作品。 なお、本題はThe Inheritance of Lossで、直訳すれば「喪失の継承」みたいな訳でしょうか。悲惨さ・失うこと、が世代や国境を越えて引き継がれてしまうやるせなさを描いていますが、喪失体験がそこはかとなく伝播してしまうそのsubtleな感じを訳者は「響き」と訳したのでしょうかね。 ・・・ 訳者もあとがきで書いていましたが、結構時代・場面が前後する作品で、なんとも形容しがたい作品でした。でもとりあえず悲しみに満ちた小説。 一つの柱は、両親を亡くしネパール国境付近のインド北部で祖父と暮らすサイ。若い彼女がネパール系インド人と恋に落ち、敗れます。失恋の原因は、その彼氏が参加した独立運動と、それにより引き起こされる騒動。 もう一つの柱は、上記のサイの祖父(元判事)のもとに住みこむ料理人の息子、ビジュ。彼は観光ビザで米国に渡り、不法就労で低賃金の仕事に身をやつしつつ、ビザのあるインド人との差に葛藤する。 そして、もう一つの柱はサイの祖父のジェムバイ。時代は遡るが、やり手の父のお陰で英国に留学できたジェムパイ。だが、自意識過剰が高まり、英国では殆ど友だちもなく、帰国後も因習的なインドにあって厭世的な姿勢を貫く。また夫婦仲が悪く、妻を憎んでさえいて、離縁した。 ・・・ で、悲しいこと、というか、やるせないこと。 それは、立場の違いというか、ありていに言えば不平等です。加えて、その不平等を他人が分からないという悲しさ。時に最も分かってほしい人に分かってもらえない悲しさでしょうか。 メインストリームのインド人サイとネパール系インド人のギャンの場合、サイはギャンの劣後した位置に気付きませんでした。同じインド人なのに、ネパール語は学校では教えられず、就職ではインド系インド人に負けてしまう。大きく貧富の差がある二人。しかもその貧富の差は構造的に一方を抑圧することで生まれている。 グルカの若者の独立運動が起きて初めてその被差別的地位にサイは気づくわけです。恋していた二人でしたが、理解し合えず別れてしまいます。 ・・・ 米国でのビジュもしかり。 ノービザワーカーは衣食住すべてに困るわけです。しかも足元を見られて低賃金。医者にもかかれません。彼を雇うのはビザのあるインド人。同じ人種なのにビザのあるなしでこれだけ待遇が違うのは何故なのか。 しかも、故郷のオヤジは「今度〇〇がそちらに行くからしばらくの間、仕事と宿を手当てしてやってくれ」などと手紙をよこす。自分が這いつくばって何とか生きているのに、他人を世話をできる余裕などはない。さらにそんなことを親にも言えない。海外に行っただけで成功者と思われているわけです。プライドからか事実も言いづらいし、かといって地元の伝手を助ける余裕はさらさらない。ただただ、辛い毎日。 ・・・ そしてサイの祖父たるジェムパイ。 結婚は親が決めたもの。その妻を愛せないときにどうすればいいか。 暴力をふるい、凌辱し、憎しみが募る。老年になり振り返り、あのとき反省する・やり直す等をしようものなら、自分の弱さ・卵の殻のような仮面が一瞬で崩壊したであろうことを理解する。そうやって見るべきものを見ないで来た。 そのジェムパイが老年に受けるダメージとは。 ・・・ とまあ、インドの社会の混乱もあいまって、これでもかと悲惨な出来事が続きます。 国土も広く、人口も多いインド。本文でも「世界から取り残された」みたいな表現がありましたが、依然としてそういうイメージが強いですね。 ・・・ ということで、ブッカー賞受賞作品でした。 いやこれ、翻訳で読んで正解です。たぶん英語で読んだら死んでいました。英語+時々混じるヒンディ語!? 辞書を引いても分からないやつです。 近年、インド系の作品を読むにつけ、インドの傷の深さ・闇の深さ?みたいなものを感じます。
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グルカ運動が過激化するインド東北部カリンポン。人一人の人生なんて一瞬にして壊されるなかで、平等、わかり合い、夢、そんなものは存在するのか。自分よりも圧倒的に強いパワー。コミカルな場面が余計に悲劇を浮き立たせる、力強い一冊。 英語で読了 One person is so smal...
グルカ運動が過激化するインド東北部カリンポン。人一人の人生なんて一瞬にして壊されるなかで、平等、わかり合い、夢、そんなものは存在するのか。自分よりも圧倒的に強いパワー。コミカルな場面が余計に悲劇を浮き立たせる、力強い一冊。 英語で読了 One person is so small and can be crashed in a second, so is there any hope? In spring the Himalaya brings fragile hope, but with the rain it makes everything rotten. We live at the mercy of something we cannot control. Powerful.
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権威に弱い私はブッカー賞受賞!という文句に惹かれて読んだ。 登場人物ひとりひとりを繊細に描いていて良かった。文体に緩急を感じた。 あと、読んでいて、自分の無知に悲しくなった。 別の作品も読んでみたいな。
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