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村上春樹、河合隼雄に会いにいく
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 1996/12/05 |
| JAN | 9784000022217 |

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村上春樹、河合隼雄に会いにいく
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商品レビュー
4
28件のお客様レビュー
ねじまき鳥クロニクルを、書き終え、アンダーグラウンドを書き始めた頃の村上春樹が河合隼雄との対談をした本だが、以後の作品にも多くの影響を感じる。
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読書会の課題図書、今まで超長いのだったから一瞬で読み終わってハピネス。この頃の時代背景をもう少し知っておいた方が面白い気がしたな。相変わらず捉え方が穏やかだわ。
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「ねじまき鳥クロニクル」を読んでいると、それはすべて夢の中の話――実際に夢として扱われているものと現実として描かれているもののどちらもー―のような気がして、河合隼雄ならどう読んだのだろうかなあと思い、本書を再読してみた。これは、ドンピシャで、「ねじまき鳥クロニクル」を書き上げた直...
「ねじまき鳥クロニクル」を読んでいると、それはすべて夢の中の話――実際に夢として扱われているものと現実として描かれているもののどちらもー―のような気がして、河合隼雄ならどう読んだのだろうかなあと思い、本書を再読してみた。これは、ドンピシャで、「ねじまき鳥クロニクル」を書き上げた直後の対談であり、かなりの部分でその話題が登場する。しかし、村上春樹の発言によると、彼自身はほとんど夢を見ないのだそうだ。唯一見るのは空中浮遊だとか。河合隼雄は、そりゃ、これだけ物語を書いているわけで、それが夢を見る代わりになっているのだろうということだった。いや、僕は、村上春樹が自分の見た夢の断片を創作に盛り込んでいるのではないかと思っていたのだが。自分で夢の記録を取っていると、これは創作に利用できそうだな、と思えるものが多い。ただ、気付くと最近全然そういう夢を見ない。つまり、奇想天外なもの、普通には想像できないようなもの、そういう夢を見なくなった。現実の世界で、仕事の責任から解放され、問題を抱えることがなくなったからだろうか。さて、「ねじまき鳥クロニクル」で村上春樹は初めて夫婦の問題と暴力を扱ったということだ。確かにそうかもしれない。僕が最初に読んだのは結婚前。そして、結婚後29年目にして再読をした。妻が一人で判断して堕胎をする。妻が他の男性と性的関係を結んで家を出て行く。僕は結末を全く覚えていなかったのだが、妻が笑顔で戻って来る、しかも子どもを抱えて、そんなことを想像していた。そんな作品が他になかっただろうか。村上春樹に子どもが出て来るなんて珍しいと思った記憶があるのだが。それから暴力の話。ノモンハンで、生きた人間の皮を剝ぐという拷問のシーンがある。中国人をバットで殴り殺すというのもあった。しかし、それは戦時中の話としてそんなこともあっただろうと受け止めてしまった。それよりも、新宿からギターを抱えた青年をつけていき、最終的に主人公岡田トオル自身がバットでこれでもかと殴りかかる。正当防衛とは言えないほどに。翻訳家にそのシーンは必要なのかと問われて村上春樹はうまく答えられなかったという。それについて河合隼雄は、みんなが持っている暴力性を示すために必要だったのだという。まあ、ラスト暗闇の中からクミコを連れ戻すシーンでの暴力によるカタルシスにつなげるために、やはりあのバットは必要だったのだろう。ところで、村上春樹の奥さんは河合隼雄をけっこう読んでいたそうだが、村上家夫妻の本棚にはベルリンの壁があって、全然そんなことを知らなかったというエピソードをどこかで読んだと思っていたのだが、本書の中にはなかった。どこで読んだのだろうか。さてさて、今回再読して一番の驚きは、本書がなんと岩波書店から出ていたということだった。そして、本書もまた単行本で読んだ貴重な一冊である。
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