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ヤマザキ、天皇を撃て!
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ヤマザキ、天皇を撃て!

奥崎謙三(著者)

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ヤマザキ、天皇を撃て!

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新泉社
発売年月日 1987/08/01
JAN 9784787787187

ヤマザキ、天皇を撃て!

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商品レビュー

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2025/07/26

今より戦後間もなくの方が、いや戦時、戦前の方が「天皇」に対する日本人の感情は複雑だったのではないか。そのために命をかけるとか、結集して戦うとか、神格化された存在を全員が素直に信じていた訳ではあるまい。今日から人間身分だと言われても、はいそりゃそうですよね、と。ただ、周囲の空気感が...

今より戦後間もなくの方が、いや戦時、戦前の方が「天皇」に対する日本人の感情は複雑だったのではないか。そのために命をかけるとか、結集して戦うとか、神格化された存在を全員が素直に信じていた訳ではあるまい。今日から人間身分だと言われても、はいそりゃそうですよね、と。ただ、周囲の空気感がそれを許さなかった。まるでヒトラーユーゲント、SSのように。 しかし、実際にそれで死んでいった軍隊は、その日から、何に忠誠を誓ったのかアイデンティティが揺らぐ。あるいはそもそも面従腹背、もしかしたら憎悪を育てていたのかも知れない。 著者であり実行犯、奥崎という存在を初めて知る。いや、正確には、その名を知り、本書を知った。映画は見ていないが、予告動画は見た。狂っているようにも、ただの共産党員にも見えたが、しかし、そうした極端な人間が登場する方が自然なのだろうかとも考えた。 天皇は利用された。だから、戦争には責任がない。ならば、利用されて出来上がった国家はまやかしだ。戦前は新政府に、戦後はGHQに。まやかしだから悪いという事はない。ハラリが言うように、国家はすべからく共同幻想。 だが、利用されたのならば逆恨み。原罪を背負わせたまま、その洗脳が解かれていない、あるいは洗脳しきれていない、いずれかの対極の象徴ともいえる奥崎に狙われる。奥崎は人間だが、神と椅子取りゲームをするかのように。 ー 私は、病院で『心の青空』という俘虜たちが発行していた雑誌の巻頭言に、「日本は敗れたが、それでもなおカマドの灰まで天皇陛下のものである」という意味の文章がのったのを読み、さっそく「錆びてちぎれかかっている奴隷のくさりを断ち切って、早く奴隷根性を捨ててもらいたい」という旨の文章を収容所の文芸部に送りました。 ー こうして、不敬罪が消滅して以来、おそらくはじめて刑事裁判の場に天皇の名称がまったく予想だにされなかった形態で登場したのである。この場合、暴行罪が「人」に対する犯行とされている以上、ここでの「天皇」はあくまで肉体を備えた特定の個人(自然人)としての存在であると解さなければならない。 ー 数百万人の無辜の民衆が死んだ、あの悲惨な太平洋戦争が、天皇裕仁の詔勅で始まり終ったというまぎれもない事実は、日本人の中で天皇裕仁の戦争責任が最も重く且つ大であることを、何よりも如実に証明するものである。 最後は奥崎の言である。日本人は戦争の原罪を天皇に意識の上では押し付け、しかし、政治利用したという体裁で護り、その神格性を引きずり降ろす不敬と引き換えに国体を上書き保存した。奥崎は、その神話の外にいる。

Posted by ブクログ

2024/07/23

沢木耕太郎さんの「天路の旅人」のあとがきか何処かで本書に触れられており、気になって手に取ってみました。 そして読んでいる間に、「ゆきゆきて神軍」という映画があることを知り、読み終える前に観ました。 本書は元兵士であり、悪徳不動産業者を殺して懲役10年に服し、天皇に向けてパチンコ...

沢木耕太郎さんの「天路の旅人」のあとがきか何処かで本書に触れられており、気になって手に取ってみました。 そして読んでいる間に、「ゆきゆきて神軍」という映画があることを知り、読み終える前に観ました。 本書は元兵士であり、悪徳不動産業者を殺して懲役10年に服し、天皇に向けてパチンコを射た不敬罪で一年六月の懲役刑となった奥崎謙三が、獄中で「陳述書」として記録したものであり、活字化を目的として書かれたものでは無いので相当なリアリティがあるものの、同じことを何度もくどくどと繰り返したり、読みにくいところも多くありました。 彼の独工三十六連隊の兵士としてのニューギニアでの記録には、過酷とか、壮絶とかという言葉では表せない凄惨さに溢れているのですが、淡々と、感情的にならず書かれているのが尚更リアリティを増していました。 そしてよく、詳細を克明に覚えているものだと感心しました。 復員してからバッテリー商を始め、周旋屋殺害や天皇パチンコ事件のパートはあまりにもくどくどとしていて読むのが苦痛でした。 また、本人があとがきで「著者が、三百五十人の中から二人だけ生きて帰れた日本兵の一人であり、もう一人の日本兵よりも、健康と幸福に多く恵まれてきた…」と記していますが、映画「ゆきゆきて神軍」にも登場したそのもう一人の山田元軍曹は、病気などに見舞われながらも家族にも恵まれ、決して奥崎さんよりも不幸とは思えず、この人の思い込みの激しさがここにもよく表れていると思いました。 彼の経験は想像を絶していて、あまりにも極端で、殺人は決して許されるものでもないですが、心情としては、理解できなくもなく、 彼の人格にも戦争が強く影響していることは疑いの余地がなく、何よりも、戦争を心底憎く思いました。

Posted by ブクログ