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古城ホテル
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古城ホテル

ジェニファーイーガン【著】, 子安亜弥【訳】

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古城ホテル

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ランダムハウス講談社
発売年月日 2008/03/22
JAN 9784270003190

古城ホテル

¥220

商品レビュー

3.5

4件のお客様レビュー

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2018/07/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一人の男が、とある古城の城壁の周りを入り口を捜してうろつくところから、この小説は始まる。 男の名はダニー。彼を城に呼び寄せたのは長年音信不通だったいとこだ。いとこは古城をホテルに改装する計画を温めており、ダニーの助力が必要だという。うだつのあがらないダニーは渡りに船とこの話にとびついたのだが、内心は複雑だった。少年の頃、彼はいとこに残酷な仕打ちをしたのだ。いとこはあの事件を忘れてしまったのか、それとも? 外界から隔絶された城の中、ネット中毒者のダニーは頼みの綱のパラボラアンテナまで失ってしまう。パニックと不安に苛まれるダニー。そんな彼を襲う、更なる精神と生命の危機。双子が溺れ死んだという伝説の残るプールで、ダニーが見た二つの影とは。ミステリアスな展開に、半ば廃墟と化した古城の描写がよく馴染む。三人称の文体にぐんぐん引き込まれて読んでいくと突然、地の文に「俺」という一人称が登場する。ダニーの物語には語り手が存在したのだ。 「俺」の名前はレイ。刑務所で服役中の囚人だ。ダニーの物語は、レイが参加している創作クラスで、女性講師の関心を得たいがために書き綴ったもの。しかしその物語は囚人仲間から様々な反応を引き出し始める。登場人物の誰か一人が作者自身に違いないと決めつける者、続きを知りたくて「むかつく」者。それぞれに「読み手」となった彼らの中から、レイを凌駕する「書き手」が誕生する。レイは彼への嫉妬を無視という形で表すが、そのことが思わぬ災厄を呼ぶ。レイと囚人たちの挿話は、物語を生み出すことの華と業とを浮き彫りにする。 小説の最後に、レイの憧れた女性講師が語り始め、レイの物語の外堀を埋める。彼女が架空の創作と思い込んでいたレイによるダニーの物語の一部を生きたとき、小説は静かに完結する。 三人称小説の所謂「神の視点」を文章のある箇所から突然「俺」にすり替える技法は二度使われているが、二度目が非常に心憎い。彼と我の融合は、この小説では水を媒介とし、水は同時に「想像力」を示唆しているようだ。 登場人物たちの運命はそれぞれに過酷で、誰もが幽霊より厄介な何かに取り憑かれている。だからこそ物語を通して人と人がつながっていくことの不思議が、胸に清々しい波紋を広げる。

Posted by ブクログ

2011/07/17

良かったです。 ポーの作品を彷彿とさせる古城の謎めいた舞台設定とか、じゃっかん狂気的な語りとか。ミステリー要素、恋愛要素、キャラクター、社会批判や主張、それらがバランスよく楽しめる良作だと思います。

Posted by ブクログ

2010/02/18

ジャンルで言うとホラーなのか? 派手派手しさはなく、どっしりとゴシックな雰囲気の幻想的な作品です。古城の雰囲気、いわくのあるプールとか塔とか地下通路とか、そのあたりの道具立てにうっとり。 一方で絡み合う現実と虚実。どう繋がるのが読みどころでした。

Posted by ブクログ

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