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フォークナー短編集 a collection of short stories 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1955/12/15 |
JAN | 9784102102039 |
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フォークナー短編集
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商品レビュー
3.7
30件のお客様レビュー
村上春樹の「納屋を焼く」対策。フォクナーとか超久しぶり、というかむしろはじめて読んでる感じ。私はもっと小説読んでもよかったなあ。
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村上春樹の「納屋を焼く」ってどこから来てるんだろうと思っていたが、フォークナーから来てたんだ。知らなかった。
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フォークナー、昔『熊』を読んで、無理矢理読み切ったけど、よく分からず、私には無理かと思っていたのだが、これは素晴らしかった。 (『熊』も今読んだらわかるかも。あのときは若すぎたのかも。) 時系列でなく、何の前触れもなしに複数の過去と現在が行ったり来たりするので読みやすいとは言えな...
フォークナー、昔『熊』を読んで、無理矢理読み切ったけど、よく分からず、私には無理かと思っていたのだが、これは素晴らしかった。 (『熊』も今読んだらわかるかも。あのときは若すぎたのかも。) 時系列でなく、何の前触れもなしに複数の過去と現在が行ったり来たりするので読みやすいとは言えないが、ちゃんと読めば全体の流れもわかるし、この書き方の妙にも気づかされる。 特に良かったのが「エミリーにバラを」「孫むすめ(ワッシ)」「バーベナの匂い」。特に「孫むすめ」のホワイトトラッシュ、ワッシ・ジョーンズのサトペン大佐への敬愛、そしてそれが裏切られたときのやり場のない悲しみと怒りは胸に迫る。孫娘ミリーにかけた最後の言葉も。 「バーベナの匂い」はフォークナー自身がこういう青年だったのではないかと思わせる。 父を殺した人物の仇をうつことを周囲が期待する中、 「すくなくともこれは、おれ自身がはたして自分で考えているとおりの人間であるかどうか、あるいは、ただそうありたいと望んでいるだけなのかどうか、日ごろおれが正しいと自分にいいきかせていることをはたしておれがするかどうか、あるいは、ただそうすればいいがと願っているだけのことなのかどうか、それを見だすチャンスになるだろう。」(p225)と考える。 「自分がしようと思うことができる人は、どんどん自分の思いどおりにやっていくし、それができない人は、できないがためにひどい苦悩をなめ、それをただ書き表すよりほかないのだ。」(p245)という部分もフォークナーの内心を思わせる。 昭和45年に改版された旧版を見ると、「バーベナ」は「クマツヅラ」、「ポプコーン」は「はぜトウモロコシ」となっており、このあたりの変更は妥当と思う。 しかし旧版では、ニグロが「黒人」、ニガーが「黒ん坊」となっており訳し分けられているが、平成25年改版からはすべて黒人で統一されている。 今やニガーもニグロも言ってはいけない言葉だと思うが、書かれた時代を考えるとこれは妥当なのだろうか。 「赤い葉」なんか、ネイティブアメリカン(これは「インディアン」のまま)が黒人を食ったとか、靴を非常にありがたがったとか、黒人奴隷がネズミやヘビを生のまま食ったとか「黒檀の玩具みたいな黒人の子供」とか、今では完全アウトな話なんだから、言葉だけ変えても意味ない気がするのだが。 今だったら「赤い葉」は短編集から外されるのではないかと思う。しかし、これは、ちょっと『ブッデンブローク家の人々』みたいな話でもある。インディアンの首長三代の物語に死を迫られた黒人奴隷がからみ、味わいは捨てがたい。 共通する登場人物がたびたび出てくるあたりは、フォークナーに執筆をすすめたというアンダスンの『ワインズバーグ、オハイオ』にも似ている。フォークナーの作品を全部読んで、これらの人物たちの姿を自分の中でつなぎ合わせてみたいという気持ちになった。 読みながらつくづく思ったのはフォークナーはすごいということ。本当に素晴らしい。 そして、そろそろ新訳が出てもいい頃だということ。この新潮文庫は昭和30年(1955)の訳。古すぎる。 New Orleansがニュー・オーリアンズ、Jesusuがジーズアスとなっていて、発音としては英語に近いとしても、今はニュー・オーリンズ、ジーザスが日本語の表記としては一般的だと思う。ワッシやサーティやドルーシラのセリフなんかも、今の訳者なら違う訳し方すると思う。 若い人にも読めて、フォークナーの魅力がわかってもらえると思う。惜しい。 『八月の光』は新訳が出たんだから、短編集も新訳で出してほしい。新潮社でなくてもいいから。
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