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フォークナー短編集 の商品レビュー

3.7

30件のお客様レビュー

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2022/09/27

村上春樹の「納屋を焼く」対策。フォクナーとか超久しぶり、というかむしろはじめて読んでる感じ。私はもっと小説読んでもよかったなあ。

Posted byブクログ

2022/06/27

村上春樹の「納屋を焼く」ってどこから来てるんだろうと思っていたが、フォークナーから来てたんだ。知らなかった。

Posted byブクログ

2022/06/13

フォークナー、昔『熊』を読んで、無理矢理読み切ったけど、よく分からず、私には無理かと思っていたのだが、これは素晴らしかった。 (『熊』も今読んだらわかるかも。あのときは若すぎたのかも。) 時系列でなく、何の前触れもなしに複数の過去と現在が行ったり来たりするので読みやすいとは言えな...

フォークナー、昔『熊』を読んで、無理矢理読み切ったけど、よく分からず、私には無理かと思っていたのだが、これは素晴らしかった。 (『熊』も今読んだらわかるかも。あのときは若すぎたのかも。) 時系列でなく、何の前触れもなしに複数の過去と現在が行ったり来たりするので読みやすいとは言えないが、ちゃんと読めば全体の流れもわかるし、この書き方の妙にも気づかされる。 特に良かったのが「エミリーにバラを」「孫むすめ(ワッシ)」「バーベナの匂い」。特に「孫むすめ」のホワイトトラッシュ、ワッシ・ジョーンズのサトペン大佐への敬愛、そしてそれが裏切られたときのやり場のない悲しみと怒りは胸に迫る。孫娘ミリーにかけた最後の言葉も。 「バーベナの匂い」はフォークナー自身がこういう青年だったのではないかと思わせる。 父を殺した人物の仇をうつことを周囲が期待する中、 「すくなくともこれは、おれ自身がはたして自分で考えているとおりの人間であるかどうか、あるいは、ただそうありたいと望んでいるだけなのかどうか、日ごろおれが正しいと自分にいいきかせていることをはたしておれがするかどうか、あるいは、ただそうすればいいがと願っているだけのことなのかどうか、それを見だすチャンスになるだろう。」(p225)と考える。 「自分がしようと思うことができる人は、どんどん自分の思いどおりにやっていくし、それができない人は、できないがためにひどい苦悩をなめ、それをただ書き表すよりほかないのだ。」(p245)という部分もフォークナーの内心を思わせる。 昭和45年に改版された旧版を見ると、「バーベナ」は「クマツヅラ」、「ポプコーン」は「はぜトウモロコシ」となっており、このあたりの変更は妥当と思う。 しかし旧版では、ニグロが「黒人」、ニガーが「黒ん坊」となっており訳し分けられているが、平成25年改版からはすべて黒人で統一されている。 今やニガーもニグロも言ってはいけない言葉だと思うが、書かれた時代を考えるとこれは妥当なのだろうか。 「赤い葉」なんか、ネイティブアメリカン(これは「インディアン」のまま)が黒人を食ったとか、靴を非常にありがたがったとか、黒人奴隷がネズミやヘビを生のまま食ったとか「黒檀の玩具みたいな黒人の子供」とか、今では完全アウトな話なんだから、言葉だけ変えても意味ない気がするのだが。 今だったら「赤い葉」は短編集から外されるのではないかと思う。しかし、これは、ちょっと『ブッデンブローク家の人々』みたいな話でもある。インディアンの首長三代の物語に死を迫られた黒人奴隷がからみ、味わいは捨てがたい。 共通する登場人物がたびたび出てくるあたりは、フォークナーに執筆をすすめたというアンダスンの『ワインズバーグ、オハイオ』にも似ている。フォークナーの作品を全部読んで、これらの人物たちの姿を自分の中でつなぎ合わせてみたいという気持ちになった。 読みながらつくづく思ったのはフォークナーはすごいということ。本当に素晴らしい。 そして、そろそろ新訳が出てもいい頃だということ。この新潮文庫は昭和30年(1955)の訳。古すぎる。 New Orleansがニュー・オーリアンズ、Jesusuがジーズアスとなっていて、発音としては英語に近いとしても、今はニュー・オーリンズ、ジーザスが日本語の表記としては一般的だと思う。ワッシやサーティやドルーシラのセリフなんかも、今の訳者なら違う訳し方すると思う。 若い人にも読めて、フォークナーの魅力がわかってもらえると思う。惜しい。 『八月の光』は新訳が出たんだから、短編集も新訳で出してほしい。新潮社でなくてもいいから。

Posted byブクログ

2021/07/10

A Collection of Short Stories by William Faulkner 「20世紀最大のアメリカ文学者に数えられるノーベル賞作家フォークナーの作品集」(新潮社サイトより) 嫉妬(Jealousy) 赤い葉(Red Leaves) エミリーにバラを(...

A Collection of Short Stories by William Faulkner 「20世紀最大のアメリカ文学者に数えられるノーベル賞作家フォークナーの作品集」(新潮社サイトより) 嫉妬(Jealousy) 赤い葉(Red Leaves) エミリーにバラを(A Rose for Emily) あの夕陽(That Evening Sun) 乾燥の九月(Dry September) 孫むすめ(Wash) バーベナの匂い(An Odor of Verbena) 納屋は燃える(Barn Burning) 解説 龍口直太郎

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2021/04/05

南北戦争。 白人、黒人、インディアン。 現代日本に暮らす我々からは理解も及ばない価値観、行動規範。 誰かが切り取らなければ、歴史に埋もれてしまう人々。 フォークナーのおかげで、人間というものをまたひとつ知ることが出来た。

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2021/03/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何と言うか、ちょっとカルチャーショックな作品でした^^;。当時の人々にとって当たり前だった価値観や考え方を今に伝えるという意味でも歴史的価値のある作品だと思います☆ この本に書かれている内容の全般は、今の時代からすれば『何てひどい差別主義者達なんだ』と感じる事ばかりですが、恐らく当時のアメリカ南部に住んでいた人たちはそれが差別であるという意識すら無かったように思います。同じように我々自身も、百年後の人類から見たらひどく野蛮に感じられる行動を意識せずしてしまっている可能性があるなと感じました。とにかく何事もまずは一度、相手の立場に立って考えてみる事の重要性も感じた一冊でした♪

Posted byブクログ

2020/12/29

『嫉妬』 夫のことを「年上の男」と訳しているところが読みづらい。 嫉妬で狂ってしまう気持ちは共感できる。 『赤い葉』 首長が死んだ時に、一緒に遣えた者も死なないといけない理不尽さをそのまま描くことで強烈な皮肉になっていた。 黒人を奴隷として扱っていた悲しい歴史を初めて自分の中で...

『嫉妬』 夫のことを「年上の男」と訳しているところが読みづらい。 嫉妬で狂ってしまう気持ちは共感できる。 『赤い葉』 首長が死んだ時に、一緒に遣えた者も死なないといけない理不尽さをそのまま描くことで強烈な皮肉になっていた。 黒人を奴隷として扱っていた悲しい歴史を初めて自分の中でリアリティーを持ってイメージできた。 『エミリーにバラを』 エミリーのホーマー・バロンに対する愛が最後の一行で分かり、生々しく美しい話だと感じた。また、彼女の父親の死体も同じように扱っていたこともそこで分かり、切なかった。 大切な人の死を受け入れることは耐え難く苦しいが、死体と過ごすことで彼女はゆっくりと死を乗り越えたのだろうなと思う。 『あの夕陽』 ナンシーが執拗にジーズアスを怖がり続けているのが終始不気味だった。この短編でも黒人が蔑視されている表現が各所に見られ、それが当たり前かのように描かれていた。 『乾燥の九月』 黒人だから悪いことをしたのだろうという差別的な論理が当時働いていたことがよく分かる短編。そのなかでも理容師は黒人の味方をしている。しかし、周りの白人からは白い目で見られてしまう。集団バイアスの怖さを思い知った。 『孫むすめ』 とにかく難読だった。方言が短編全体の不気味さを後押ししていた。戦争に行った者、行かなかった者の溝はどこの国にもあることを知った。 『バーベナの香り』 殺しの連鎖を止めた子供の話。殺しを止めたことで周りから非難の目で見られ、女性からも見放される。それでもその非難に打ち克ち自分の意志を貫いたベイアードはヒーローだと思った。このフォークナーの短編で度々描かれる黒人差別などの負の思想の連鎖を止めるにはベイアードのような勇気が必要になることをこの物語で知った。 『納屋は燃える』 家庭内暴力の残忍さは場所、時代を問わず恐ろしいものだと思った。真実と自分の身の安全とで揺れる子供が可哀想に思えた。

Posted byブクログ

2020/12/20

アメリカ文学はどうして面白いんだろうか。 インディアン、黒人、南北戦争、そういうアメリカを作ってきた事件が今でもリアリティをもった問題として存在するから、どんな時代の作品も古くて新しい匂いがするのだろうか。

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2020/09/25

フォークナー短編集 (和書)2008年10月09日 19:02 1955 新潮社 フォークナー, 竜口 直太郎 フォークナーって難解と言われている。実際読んでみて読み切れないです。頭が悪い所為だろうが一回読んだだけでは状況設定などが理解できない部分が多いです。 止揚することな...

フォークナー短編集 (和書)2008年10月09日 19:02 1955 新潮社 フォークナー, 竜口 直太郎 フォークナーって難解と言われている。実際読んでみて読み切れないです。頭が悪い所為だろうが一回読んだだけでは状況設定などが理解できない部分が多いです。 止揚することなく絶えずあるだろうと思われる支配者の論理(生け贄の論理)批判(吟味)としても読めると思うし、その中で生きる人間批判(吟味)しているのだろうとも思える。人間批判(吟味)をしているから文学・思想としてありえるのだと思う。今の私にはフォークナーのレビューを書くことは荷が重すぎます。ただ読んで損はないと思います。

Posted byブクログ

2021/05/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『赤い葉』 インディアンの首長が死ぬと仕えていた黒人も埋葬する風習があったらしい。 それを小説化。 黒人の目がギョロギョロしているのに注目している。 『エミリーにバラを』 他の作品もそうだが、黒人は名前ではなく、黒人と呼ばれる。 意味深な短篇。 「あの夕陽」 全然、つまらない。 〈レビュー〉 差別、暴力の世界は、僕には合わなかった。 多くの黒人の登場人物が、黒人と表され、名前が無かったのが、印象に残った。

Posted byブクログ