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忍ぶ川 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 1983/07/01 |
| JAN | 9784101135014 |

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忍ぶ川
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忍ぶ川
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商品レビュー
3.9
42件のお客様レビュー
貧しさの中で結ばれた…
貧しさの中で結ばれた夫婦の愛を描く表題作。他6作収録されている
文庫OFF
40数年おいて、再読。 大学生だった当時も研ぎ澄まされた文章の美しさに圧倒されたが、還暦を過ぎた今、情景の美しさと共に登場人物の無垢な優しさに心を打たれるのは、長い人生で少しは苦労したからなのかな。 時代を超えて、読み継がれてほしいお話し。
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「忍ぶ川」は三浦哲郎の出世作であり、1960年に芥川賞を受けた。私小説は形を変容させつつ21世紀の現代も日本の文学界にしぶとく生き残っているが、昭和中期頃まではそれが文学の「主流」とみなされていた。青森県八戸に生まれた三浦も、妻との出会いや兄弟姉妹の不幸な死と失踪を題材に、保守本...
「忍ぶ川」は三浦哲郎の出世作であり、1960年に芥川賞を受けた。私小説は形を変容させつつ21世紀の現代も日本の文学界にしぶとく生き残っているが、昭和中期頃まではそれが文学の「主流」とみなされていた。青森県八戸に生まれた三浦も、妻との出会いや兄弟姉妹の不幸な死と失踪を題材に、保守本流の「私小説」で作家デビューを果たしたと言ってよい。 新潮文庫で昭和40年以来現在も版を重ねているこの本は、芥川賞受賞前後の初期作品7作を集めている。後年「短篇の名手」と呼ばれるようになってからは、文庫本にして20ページ前後のコンパクトな作品が増えるが、このころはまだ中編ともいえる長さのものが多い(ただし作家として安定した地位を得てからは長編作品も多く書いている)。 私小説の魅力は、ある種のワンパターンと、自己の恥をこっそりと読者に晒すことから生まれる一体感のようなものだと思うが、三浦作品もまたその基本を外さない。「忍ぶ川」続編ともいうべき1961年の「初夜」では、妻である志乃の懐妊までが抒情的に語られるが、その前に二人の合意のもと成された中絶についても赤裸々に告白される。現代の読者はこの夫婦のわがままに違和感を抱かざるを得ない。自分もまたこのことが私小説に名を借りたフィクションであることを願う者だが、どちらにせよこの堕胎とそのあと二人におとずれる「幸福」とのギャップが、この作品の核となる。そのように読むのが妥当だろう。 「恥の譜」では父の死がテーマとなる。ここで描かれる死の風景、リアリズムに徹した看取りの図は、読む者に強い印象と感動を与える。これまで「恥」として感知されていた家族の死が、「私」にとって初めて人間的で尊厳のある「死」として意識される。父の死は作者にとって姉や兄の死と同等の文学的な意味を持っている。 「驢馬」は「忍ぶ川」より先、1957年に初稿が書かれた。この本の収録作中で唯一、家族以外の人間―張永春という戦時中の満州出身の中国人―が主人公となっている。三浦が自身の文学を模索している若い時期に、この作品を書いたことはもっと評価されるべきだ。この文庫の解説を担当した文芸評論家の奥野健男は当時そのことに気づいていない。日本という国家の中で生きる外国人というテーマは、今こそ再読される時だろう。 最後に蛇足だが、「忍ぶ川」は「しのぶかわ」ではなく「しのぶがわ」と読むことを、今回この文庫の奥付を見て初めて知った。志乃が勤める料亭の名前だから、濁って読む方がしっくりくるが、固有名詞としてではなく象徴としての「川」と考えるなら、「かわ」と濁点なしで読むのも間違いではない。おそらく作者はダブルミーニングとしてタイトルを付けたのだろう。
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