受精-conception-

帚木蓬生(著者)

• 販売会社／発売会社: 角川書店
• 発売年月日: 1998/06/25
• JAN: 9784048731102

商品レビュー

2016/10/11

結末は壮大だったけれども、やっぱりな～　という思いもした。
ほら、やっぱり、と。
一番解せないのは、Lastのまたブラジルに戻ろうという心理。
私だったらありえない。
真実をあまりにも受け入れ過ぎだろう？と、思えてしまう。

快適で楽園のような病院が、一気に暗転して、疑惑だらけに見えるようになる。
その切り替わりが、とてもインパクトがあって面白かった。
人の心の痛みと弱さの描かれ方は、リアルだった。
それだけに、最後の受け止め方があまりにもすんなりとしすぎていて、拍子抜けした。

2013/02/21

恋人明生を交通事故で失い、悲しみに暮れる北園舞子は、ある僧との出会いから明生を身近に感じる術を身に付け、悲しみを克服する。そして、明生の子供を宿すべくブラジルに旅立つのだが。
美しい情景を感じさせる文章は技巧派といえるのかもしれないが、なかなか本筋に入らないのでじれる。謎解きも「そういうことだと思った」という程度で意外性は無く。いまいち。

2010/08/15

突然の自動車事故で最愛の恋人を亡くした舞子。「彼の子供が欲しくないか」との誘いをドイツ人の僧に言われ、その誘いのままブラジルの病院へ。同じ境遇にいた韓国人の寛順とともにここで過すうちに、殺人が起き
隠されていた病院の暗部が暴かれていく。

どういう話なのかが最初のうちは全然よめなくって、途中で殺人が起きてやっとサスペンスだってわかった。ストーリー展開で読ませはするんだけど、死んだ人の幻を見たり、ナチスの残党が出てきたり、最後は世界中にネットワークをはりめぐらせて、ヒトラーの冷凍精子を使っての受精を行なう、そして恋人たちの死も事故じゃない、というような大それた話だった。なんだか納得がいかなかった。