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ディダコイ 児童図書館・文学の部屋
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 評論社 |
発売年月日 | 1975/12/01 |
JAN | 9784566011359 |
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商品レビュー
4.7
3件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
小学5年生の時、誕生日でもクリスマスでもないのに母が買ってくれた本。 高校生くらいまでは何度も読み返したけれども、大人になって初めての再読。 『ディダコイ』という聞きなれない言葉は、ジプシーと白人の間に生まれた混血の子どものこと。 主人公のキジィは両親がいなくて、おばあさんと年老いた馬と一緒にトウィス提督のお屋敷の広大な敷地の片隅で暮らしている。 年齢なんて関係なく暮らしていたキジィだけれど、学校に行かなくてはいけないことになる。 学校の規則になじむことができないキジィと、彼女を排除しようとするクラスメイトの少女たち。 そんな時、唯一の親族であるおばあさんが亡くなり、一人取り残されるキジィ。 ジプシー仲間は、純血のジプシーではないキジィを受け入れたがらず、里親登録をしている人々は、白人ではないキジィをおそれて受け入れることができない。 私が子どもの頃の児童文学って、みなしごになって苦労した子どもが最終的には幸せを掴む話が多かったけれど、これもまたその系列の話。 階級社会であるイギリスで、純血の白人でないというのはとてもハンデとなるわけで、壮絶ないじめあり、善意と正論に固められた偏見あり、大人になった今読んだほうがよほど心にぐさぐさ刺さる。 子どもの頃は、キジィにすっかり同化して、世間に心を閉ざし、荷車に乗って自由な生活ができる日を夢見、クラスメートの女子たちを絶対に許さないつもりでいたけれど、今読めばキジィだって頑固に過ぎたよなあ。 するべき、するべからずではなく、自分達とは違う生活スタイルを持ったキジィたちを尊重し、キジィの気持に寄り添いながら面倒を見たブルックさん。 多分私が正論とか善意の塊とかそういうのを信じきれないのは、この本に負うところが多いような気がする。 学校で女子たちにどんなにいじめられても、家に帰るとキジィを尊重してくれるブルックさんがいたこと。 トウィス提督と、そこで働くおじさんたち(女性嫌いの男性たち)が、キジィを可愛がってくれたこと。 学校にもひとり、キジィの仲良しと言っていい男子がいたこと。 天涯孤独となっても決してキジィはひとりぼっちではなかった。 最後に幸せを掴む直前、キジィは女子たちを見返してやりたくて大きな過ちをやらかしてしまったけれど、これからは間違えないと思う。 いや、間違えても素直に謝ることができると思う。 日ごろ読書なんてしない母が、何でこの本を買ってくれる気になったのかは謎だけど、この本と出合えて本当によかった。 この本と『家なき娘』が、少女時代のバイブルでした。
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20年ぶりの再読 原書出版年1972年だから48年も前になるが、現代の抱えるいじめの問題と全く同じだ。 自分たちと違う者に対するいじめは、永遠になくならないのだろうか。 ディダコイとは生粋のジプシーではない者の揶揄する言葉。キジィは、父(ジプシー)と母(アイルランド人)が亡く...
20年ぶりの再読 原書出版年1972年だから48年も前になるが、現代の抱えるいじめの問題と全く同じだ。 自分たちと違う者に対するいじめは、永遠になくならないのだろうか。 ディダコイとは生粋のジプシーではない者の揶揄する言葉。キジィは、父(ジプシー)と母(アイルランド人)が亡くなり、ジプシーのお祖母ちゃんと荷馬車で暮らしていた。焚き火を囲み、馬のジョーもいる生活は満ち足りて幸せだった。 学校に行くまでは。 おばあちゃんが亡くなるまでは。 ブルックさんの言葉「異なる水準を持つ人々がいる。水準が異なっているということは、悪いことではない」その真理をなぜ人は理解できないのだろう。 いじめに対しても「みんないい子なんです。集団になるまではね」集団心理の怖さは今の変わらない。 トウィス提督やブルックさんのような人たちのおかげで、キジィは新しい生活に溶け込み、町の人々と繋がり、子どもたちとの関係も築いていけるようなった。 良い大人の見本のような人たち。 キジィの気持ちに時間をかけて寄り添い、押し付けや質問もせずに、けれど伝えるべきことは伝えている。他の人々を受け入れ、許すことの大切さを教える。 子どものいじめの対応には、正しい判断ができる大人の存在は大きい。 「ジプシーのロマンチックな面を子どもたちに話してやれば」というブルックさんは、違いに魅力を見いだせる人なのだ。 異なる文化を持つ人々が出会うとき、皆がブルックさんのような視点を持つことができたらと思う。
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ジプシーの女の子キジィがおばあさんを亡くして一人ぼっちになる.年老いた馬のジョーを守るため救いを求めたことがきっかけで,キジィにはだんだん味方が増えていく.いじめられていたキジィが他人を受け入れまた受け入れられていく豊かで大きな愛の物語.
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