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日本の近代(12) 学歴貴族の栄光と挫折
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日本の近代(12) 学歴貴族の栄光と挫折

竹内洋(著者)

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日本の近代(12) 学歴貴族の栄光と挫折

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 1999/04/23
JAN 9784124901122

日本の近代(12)

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商品レビュー

4.8

5件のお客様レビュー

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2024/03/16

 私が明治大正期の高等教育を研究の対象にしようと志したきっかけの本である。特に、旧制高校の学校文化に関する記述には何回読んでも飽きない面白さが詰まっている。  文豪が多く出てくるところも私が興味を持った点の一つであろう。近代日本文学には疎いが、それでも同時代に生きた彼らの関わり...

 私が明治大正期の高等教育を研究の対象にしようと志したきっかけの本である。特に、旧制高校の学校文化に関する記述には何回読んでも飽きない面白さが詰まっている。  文豪が多く出てくるところも私が興味を持った点の一つであろう。近代日本文学には疎いが、それでも同時代に生きた彼らの関わりが少なからずみられるのも興味深い。

Posted by ブクログ

2013/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本の戦前を支えたエリート旧制高等学校の歴史。なぜ生まれ、どのように威信を獲得したか。そしてどのような人が学んだか。そこで生まれた教養主義がどのように日本に影響を与え、戦後を迎えたか。そして、この教養主義がマルクス主義への傾倒という形で残り、大学紛争の時期に初めて、この旧制高校の伝統が崩れていったことを面白く読めます。この著者の本は教育歴史学、社会学、心理学といった分野になると思いますが、私自身の深層心理を学歴という観点から分析してくれる好きな学者です。

Posted by ブクログ

2013/07/07

京都大学名誉教授(教育社会学)の竹内洋(1942-)による近代日本における旧制高校・大学を中心とした学歴エリート論。 【構成】 プロローグ 学歴貴族になりそこねた永井荷風 第1章 旧制高等学校の誕生 第2章 受験の時代と三五校の群像 第3章 誰が学歴貴族になったか 第4章 学歴...

京都大学名誉教授(教育社会学)の竹内洋(1942-)による近代日本における旧制高校・大学を中心とした学歴エリート論。 【構成】 プロローグ 学歴貴族になりそこねた永井荷風 第1章 旧制高等学校の誕生 第2章 受験の時代と三五校の群像 第3章 誰が学歴貴族になったか 第4章 学歴貴族文化のせめぎあい 第5章 教養の輝きと憂鬱 第6章 解体と終焉 エピローグ 延命された大学と教養主義 「吁、宮(みい)さんかうして二人が一処に居るのも今夜ぎりだ。  お前が僕の介抱をしてくれるのも今夜ぎり、僕がお前に物を言ふのも今夜ぎりだよ。  一月の十七日、宮さん、善く覚えてお置き。  来年の今月今夜は、貫一は何処でこの月を見るのだか!  再来年の今月今夜……  十年後の今月今夜……  一生を通して僕は今月今夜を忘れん、忘れるものか、死んでも僕は忘れんよ!  可いか、宮さん、一月の十七日だ。  来年の今月今夜になつたならば、僕の涙で必ず月は曇らして見せるから、  月が……月が……月が……曇つたらば、  宮さん、貫一は何処かでお前を恨んで、 今夜のやうに泣いてゐると思つてくれ(以下略)」   (尾崎紅葉『金色夜叉』(青空文庫版)より、改行は引用者) 尾崎紅葉の『金色夜叉』の有名な熱海の場面が、本書の表紙となっている。宮を足蹴にする貫一のいでたちは、学生服にマント、そして学生帽には白線が入っている。貫一こそ、本書で言及される学歴エリートの頂点に登らんとする、第一高等学校の生徒であった。 明治10年にできた東京大学は明治19年に帝国大学と名前を変えた。しかし、変わったのは名前ばかりではない。 東京大学時代は、工部省、農商務省など現業系官庁が抱えた専門学校に比して、官界への就職という点で特に優遇をされたわけではなかった。 しかし、帝国大学へ改組されるのと時を同じくして公布された官試験試補及見習規則においては、帝国大学の法科・文科については、短期間の見習いを経て高級官僚たる奏任官へ無試験で選考を進められるようになった。帝国大学令公布以後、続々とナンバースクールが整備され、帝国大学とあわせて国家の教育予算の過半を注ぎ込まれるに至り、ナンバースクールから帝国大学へ至る学歴貴族ヒエラルキーが成立したと本書はいう。 大日本帝国の官僚機構への人材輩出機関としての、東京大学→帝国大学→東京帝国大学については様々な文献で言及されているが、本書の特色はその帝国大学へ進学する本流であった旧制高校、中でも明治期に官立として設立されたナンバースクールとはいかなる学校であったかを明らかにする。 旧制高校の成立史、旧制中学から旧制高校へどのような階層的・地理的広がりをもった生徒が入学してきたか、そして寄宿舎での独特な生活に代表される旧制高校文化について、統計資料、手記・回想などを適宜引用しながら展開していく。 その中でも特徴的な文化である「教養主義」については本書でも第5章・6章で取り上げられるが、本書の4年後に上梓された『教養主義の没落』(中公新書)で著者が真正面で取り上げ、掘り下げるテーマとなる。(よってここでは取り上げない)筒井清忠『日本型「教養」の運命』と併読すると立体感が生まれなお面白いだろう。 旧制高校出身者という近代日本におけるインテリ・学歴エリートが、高いプライドを持ちながら常に何を煩悶し続けていたのか、その一端が垣間見られる一冊である。

Posted by ブクログ

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