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昭和恐慌と経済政策 講談社学術文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1994/06/10 |
JAN | 9784061591301 |
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昭和恐慌と経済政策
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商品レビュー
3.7
10件のお客様レビュー
とても興味深く読みました。多くの経済学の本がとかくモデルとかデータ、理論などに偏重する中、一貫して人間中心に描かれているところに共感しました。具体的には、昭和初期当時に大蔵大臣を務めた井上準之助が行う金輸出解禁(金本位制への復帰)が、世界経済環境などに翻弄されてしまい、日本も昭和...
とても興味深く読みました。多くの経済学の本がとかくモデルとかデータ、理論などに偏重する中、一貫して人間中心に描かれているところに共感しました。具体的には、昭和初期当時に大蔵大臣を務めた井上準之助が行う金輸出解禁(金本位制への復帰)が、世界経済環境などに翻弄されてしまい、日本も昭和恐慌を引き起こしてしまう、というストーリーです。経済理論は合理的な人間を想定してモデルを構築していきますが、そこで想定しているのは人間というよりロボットです。一方、特に経済恐慌の分析に顕著ですが、そこに登場するのは、非合理的で感情的な人間、言い換えれば人間臭さ満点の世界が展開されています。本書でも、経済的に正しい政策が政治的に行われないことがある、あるいは外部環境が変わってしまったことで、以前正しかった政策が正しくなくなってしまう、という点を強調されていますが、これはすこぶる重要な示唆だと思います。企業経営では朝令暮改をいとわない、むしろ必要があればそうすべきという経営者もいますが、政治家はなかなかそうはいかないですね。 余談ですが、本書では金融恐慌時に、中小の銀行が倒産し、預金の多くが財閥系銀行に集中、結果として持つ者と持たざる者の格差が拡大したとあります。これはピケティの議論にも関係しますが、格差が起こる重要なメカニズムは、ピケティが言っているr>gという条件式よりも、むしろ不況時の耐性度の違いの方が大きな要因ではないかと感じました(持たざる者は不況への耐性度が極めて低い)。かつての日本は頻繁に不況に見舞われましたが、そのたびに弱き者と強き者の差が開いた、という風で、これは20世紀、21世紀と世紀にかかわらず共通ではないかとも感じました。
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金本位制や国際金融に関する基本的知識に乏しいため、内容を十分理解できた訳ではないが、経済政策と言っても、必ずしも経済合理性のみで議論できるものではなく、政治的配慮や党派的利害に影響されてしまうということが、当時の歴史的事実の叙述を通じて分かりやすく教えてくれる。
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とても面白かった。経済政策は純粋な経済理論によって実行されるわけではなく、時の政治の動向に左右されるという視点は本当に大事ですね。
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