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虎よ、虎よ! ハヤカワ文庫SF
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2008/02/23 |
JAN | 9784150116347 |
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商品レビュー
3.7
108件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
先日「スタァライト」に感化されて読んだ、チャールズ・L・ハーネス「パラドックス・メン」に続き、ワイドスクリーン・バロック読書2冊目。 といっても「スタァライト」以前から、津原泰水の推薦 https://blog.goo.ne.jp/tsuhara/e/e7c58eec6b9fc8e9f564435e9cc075b1 〈これがつまらないという人の顔を見てみたい。〉 で気になり、長期間積読にしていたもの。 (ところで本書のカバーイラストを寺田克也が描いているが、津原と寺田って親交があったような……? うろ覚えなので念のため検索してみたが、ちょっと見つけられなかった……記憶違いか?) 津原をもう少し絡めるならば、津原は確か手塚治虫の文庫本の解説を書いていたが、トキワ荘にいた石ノ森章太郎の、「サイボーグ009」の加速装置ってまんま本作の影響、と知って小びっくり。 また「仮面ライダー」の怒りで顔に痣のような模様が浮かぶという設定も、まんま本作で小びっくり2。 というか平井和正を間に挟んだ影響でもある、とネット上で知った。 要はある年代の創作に影響が大きい作品だったんだろうな。 と同時にSF文芸が影響大だった時代なんだろうな。 個人的には、ジョウントという瞬間移動から、鳥山明「ドラゴンボール」の孫悟空を思い出したが、いやもう少し本作のジョウントは厳密だった。 なにせ行き先曖昧で行うと青ジョウントになってしまうから……このへん面白い。 また、そこはかとなくボルヘスを思い出したりもしたが、むしろ逆で、純文学に祭り上げられたボルヘスの元々の想像力がコミック的なもので、そこに反応したベスター……ということなのかも。 (あるいは安直に、虎好き=ボルヘスという連想かしらん。〈虎よ! 虎よ! ぬばたまの 夜の森に燦爛と燃え そもいかなる不死の手 はたは眼の 作りしや、汝がゆゆしき均整を〉ウィリアム・ブレイク、をボルヘスが知らなかったわけないので、同根ということか) (筋書きはアレクサンドル・デュマ「モンテ・クリスト伯」翻案らしいが、そのデュマも大衆作家だし) で、たまーにネット上で「最近のラノベの文章ひどすぎww」みたいなスレッドで、記憶にある範囲では、かじいたかし「僕の妹は漢字が読める」と並べて、本作の〈カチャリカチャリ ジグザグになってとんでくる稲妻のような悲鳴がわきあがる 光線が襲いかかる〉のページがアップされていたりするが、確かにそういうスレッドで半ば馬鹿にされてもやむなしな試み……しかし、むしろ印刷技術を用いたサービス精神や表現欲求の粋だと思いたい……タイポグラフィについて。 思えば筒井康隆「虚航船団」のホチキス「ココココココ」だってそうだし、「トーチカ」もそうだった。 あるいは北園克衛や、草野心平「蛙」だって。 そういえば筒井康隆「旅のラゴス」には集団転移とか壁ぬけとかがあったので、やっぱり影響あるんじゃ。 で、そういった連想抜きにして単体で楽しいのかっていったら、まあまあ。 キャラ立ちしているという点で、「パラドックス・メン」よりは好きかな、という程度。 SFマインド欠如の疑い……。
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「おまえは誰だ?」 「どこからきた?」 「いまどこにいる?」 「行先は?」 宇宙にたったひとり漂流する主人公ガリー・フォイルは自問する。 彼を見捨てた《ヴォーガ》への復讐の果てに、彼が行き着く先は...。 最後は、主人公の内面の変化、時空を超えた展開、難解な表現について行くのが...
「おまえは誰だ?」 「どこからきた?」 「いまどこにいる?」 「行先は?」 宇宙にたったひとり漂流する主人公ガリー・フォイルは自問する。 彼を見捨てた《ヴォーガ》への復讐の果てに、彼が行き着く先は...。 最後は、主人公の内面の変化、時空を超えた展開、難解な表現について行くのが難しかったです。だからこそ名作と言われるのでしょうけど...。(-∀-) “我思う、故に我ジョウントす”
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※このレビューにはネタバレを含みます
正直に言うと二部の始まりでギブアップ寸前になり他の方の終盤での伏線回収が良かったとのレビューに励まされて何とか読了まで迎えることが出来た。レビューを書いた方にまず感謝したい。 ひたすらに訳がよろしくない。が、それは脇において冷静に振り返ると物語としてはギミックや伏線、黒幕、ラストの展開等要所要所はお手本のようにキッチリしており誤読感がいい。1950年代に書かれ現在もリスペクトされていることには納得できる。歯に仕込んだスイッチを押すと加速装置で無敵状態になるチートはいきなり過ぎて置いてきぼりを喰らったが好きな人にはたまらないだろうし、想い人が実は復讐を誓った黒幕でしたとか一歩間違えば世界を滅ぼす物質を世界にバラ撒いてその行く末は人類に一任するとか主人公が永劫回帰して序盤の自分の名付け場所に戻って来るとか他にも挙げられるのはいくつもある展開が目白押しでこれらを終盤に一気に詰め込んでいるから良い意味でたまらない。とりわけ未来の主人公が時空間移動して過去の自分のところに来て手助けするのは思わずニヤけた。ぶっちゃけ分かっていた、物語の所々で主人公に似たやつが現れた時点で分からないわけがないが、話が進んで改めて主人公視点でそれをやられるとドーパミンが出る。私この展開好き(パーンってなるのは男の子だからだろうか。 最後まで読んで良かったと思う。が、他の人に勧めるまでにはいかない最大の障壁が日本語訳なのはどうにかならないのか。訳者には申し訳ないが2008年に再出版したときに見直すべきだったと、出版社に言いたい。SF作品に需要を見込めなかったのかもしれないが過去の名作と名を打つのなら誰にでも読みやすいようにするのも出版の役割ではないかと。今からでも良いので是非改訳をお願いしたい。その時はもう一度読んでみたい。
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