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夜長姫と耳男 ビッグC
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2008/03/28 |
JAN | 9784091818461 |
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夜長姫と耳男
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夜長姫と耳男
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商品レビュー
4.5
5件のお客様レビュー
近藤ようこによる坂口安吾作品の漫画化である。 分限者・夜長長者が老いてから生まれた夜長姫は、たいそう大切に、たいそう贅沢に育てられた、この上なく美しい姫だった。 飛騨随一の匠の元で修行する耳男は、匠の名代として、姫の持仏を作るように命じられる。2人の他の仏師とともに弥勒菩薩を彫...
近藤ようこによる坂口安吾作品の漫画化である。 分限者・夜長長者が老いてから生まれた夜長姫は、たいそう大切に、たいそう贅沢に育てられた、この上なく美しい姫だった。 飛騨随一の匠の元で修行する耳男は、匠の名代として、姫の持仏を作るように命じられる。2人の他の仏師とともに弥勒菩薩を彫り、姫が最も気に入った仏を作ったものに、姫が最も気に入った仏を作ったものに、(姫ではない)美しい女を嫁に与える、と長者は言う。 長者の傍らに座る姫は、幼いながらも美しく、あふれる魅力に輝いていた。 しかし、無邪気な笑みの中に、姫は底知れぬ残酷さを秘めていた。 耳男はその笑顔に、抗いながら、絡め取られていく。 耳男は激しやすく血の気の多い男だ。 対する姫は冷たく冴え冴えと美しい月のようだ。 そして月はもちろん、狂気を秘めているのだ。いや、この姫が宿しているのは、「狂気」よりもさらに確固とした「魔性」だ。この世ならぬ美しさには、尋常でない力が宿るのだ。 原作にほぼ忠実な筋書きである。 作画としての見せ所は姫の美しさと耳男が作るバケモノの醜さだろう。 どちらもなかなかのものだが、しかし、文字だけで想像する方がより美しく、より恐ろしいものかもしれない。そこは仕方のないところだろう。 久しぶりに読み通してみて、実はこれは純愛なのかな?とも思う。そんな気にもさせる近藤バージョンである。 プリミティブな「魔」を秘めた本作は、もしかしたら整合性の取れた解釈が無意味な作品なのかもしれない。 女の「魔」を男が見つめる、という意味では、安吾の『戦争と一人の女』、『続戦争と一人の女』にも通じるところがあるようにも思う。 安吾はどこか、男の神には決して宿ることのない、女神の魔性に惹かれていたのかもしれない。 姫の年齢を越え、耳男の年齢も通り越し、そして安吾が本作を書いた年齢も追い越してしまった自分は、ふと考えてみる。 最後に姫と耳男が対峙したところで作品は終わる。 この後、耳男はどうしただろうか。 姫の願いを果たすことが出来ただろうか? いやいや、彼にはそれは重すぎたのではないか。 フヌケのように余生を過ごす耳男しか、何だか私には浮かんでこないのだ。 最後の場面で耳男が成した仕事より「立派な仕事」など、彼には見つけられなかったのではないか。 そんなことをぼんやり考えながら、作品世界を漂ってみる。
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なんか、すごい。 表紙をみたときは、近藤ようこさんのふわっとしたタッチにもだまされ、(ちょっと山岸涼子よりもけれんみがないというか丸みがあるでしょ)美しい姫と下男の恋物語とか悲恋系かなーなんて寝る前に読み始め、えええっって目をこすって背筋をのばして読了した一冊。 すごい発想だ...
なんか、すごい。 表紙をみたときは、近藤ようこさんのふわっとしたタッチにもだまされ、(ちょっと山岸涼子よりもけれんみがないというか丸みがあるでしょ)美しい姫と下男の恋物語とか悲恋系かなーなんて寝る前に読み始め、えええっって目をこすって背筋をのばして読了した一冊。 すごい発想だな近藤ようこ、この人こんな作品も書くんだ!なんて思ったけれど、よく読むとこれは原作・坂口安吾なのですね。いやいやでもまてよ、こんな風に仕上げたとしたら・・と坂口作品をネットで見つけて読むと、ほぼ一言一句、ここに写し取られているのに二度ビックリ。 す、すごいのはこっちか、坂口作品。 おはずかしながら非常に偏った読書派なので(自分を読書家と言うつもりはありません笑)、坂口安吾と言ったら堕落論とかすべてすっとばして、もちろん読んだのは不連続殺人事件のみ、ですよ。 でもこの夜長姫~読んで、坂口作品を読み直そうと思いました。 それにしても坂口安吾はいわばヤク中で身を持ち崩して早死にしているのは自明の理だし、太宰や芥川龍之介も神経を病み、薬からバランスを崩しているのがとても淋しい。 たぶん、命を切り刻むほどピュアに何事かを突き詰めたり愛したりできる純粋な魂の持ち主だったんだろうけれど。でも。 やっぱりあたしは、嘆いてしまう。そうしてほんとうに単純に、思ってしまう。 どうぞ美しい魂の人、まっすぐに打ち込める素晴らしい魂の人よ、どうか同じ思いで自分を大切にしてくださいと。 あたしが安吾の姉だったら、ご近所だったら、ほんのわずかなかかわりでもある人だったら、いやがられても何をされても薬なんて投げ捨てちゃうのに。 だからねあたしの大事な人、あたしの愛する才能を持った人、どうぞ健康に、すこやかに。 気持ちも体もね、と、あたしは祈るのですよ。
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原作未読だが、美しい表紙に惹かれて購入。夜長姫の無邪気な残酷さにぞっとする。最後の夜長姫の台詞は圧巻。
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